【VICTAS カールP-3αV】
〈粒高ラバー〉
黒 OX
サイズ 縦173mm×横165mm
パッケージ開封前 63.1g
全開封後 22.6g
カット後重量 17.1g (縦162mm×横160mm) 
※シェークラケットの寸法で、接着剤の重量は含まない。(付属の接着紙による接着)
重量比 0.756 (17.1g÷22.6g)

〈シート厚〉
ベース 0.3mm程
粒の高さ 1.55mm程
(円柱部分 1.45mm程)
(台形部分 0.1mm程)
トータル 1.85mm程
 
〈粒形状〉
粒の高さ 1.55mm程
粒直径 1.5mm程
アスペクト比 1.033程
円柱+台形

〈粒間隔〉
縦 3.484mm程
横 1.375mm程
斜め 1.38mm程
合計値 6.239mm程 (少し高い)

〈粒配列〉
横目

〈粒表面の布目〉
あり

〈スポンジ硬度〉
55°±3 (VICTAS規準)

〈変化度〉
9.00 (VICTAS規準)


(フリースペース①)
粒高ラバーのロングセラー
カールシリーズ。

2020年10月
TSPはVICTASとの統合を発表。
カールP-3αRの性能やラバー設計はカールP-3αVに引き継がれ、2021年2月に新たに発売される。

P-3αVは細長い粒形状を採用。
粒の高さは1.55mm程。
粒直径は1.5mm程。
粒配列は横目。
粒形状は円柱+台形。
粒間隔の合計値は少し高く、粒間隔は広め。

TSP時代のカールP-3αRとは粒直径は同じくらいではあるものの、
粒形状が円柱から円柱+台形に変更されており、粒間隔の広さも少し変動している。粒の高さも0.05mm程低くなっている…?
あとはゴム配合も少し変わっており、シート硬度が少し上昇しているかも…?
スポンジは変更なしと思われる。

また、OXの場合はラバー接着用の接着シートが最初から貼られている。

(この記事ではOXの場合の検証結果を記載。)


①シート硬度及び粒硬度 5.5 (ほんの少し硬め)
シート及び粒の硬度はほんの少し硬めの硬度と感じました。

②粒の曲がりやすさ 6 (少し曲がりやすい)
シート硬度はほんの少し硬めではありますが、粒直径は小粒で、粒間隔は広めな影響も働く為か、粒は少し曲がりやすくなっている。

③シート重量 4.5 (ほんの少し軽め)
OXで接着紙入りでの測定。
OXのラバーとしてはほんの少し軽めの数値が出ました。

④難易度 8+α (やや難しめ)
このラバーの特徴としては
◆シート硬度及び粒硬度はほんの少し硬め。
◆粒間隔は広め。
◆シートの弾みは粒高としては弾みすぎず弾まなすぎず中間クラスですが、飛距離の伸びが少し出やすい。
◆ボールの減速はまずまず効かせやすい。
◆球離れは少し早め。
◆弾道は弧線弾道か直線弾道になりやすいかの判断は微妙なところ。
◆衝撃減衰効果は少し低い。
◆ボールの軌道のブレがやや生じやすい。
◆ボールの不可解な滑りが発生しやすいタイプではない。
【回転影響の受けにくさ 10】粒高としては相手の回転の影響は受けやす過ぎず受けにく過ぎず。

等の特徴があると思います。


ボールの弾みは粒高ラバーとしては弾みすぎず弾まなすぎず中間クラスですが、飛球線の伸びは少し出やすい。しかし、ボールの減速はまずまず効かせやすい。

シートのベースが薄いわけではないものの、
粒間隔が広めな影響が現れる為か、衝撃減衰効果は少し低く、打球時の衝撃に少し弱い。
また、球離れは少し早めで、球持ちもそこまで良いわけではない。
ラバーの弾道帯は中間弾道帯くらい。
ボールの軌道のブレもやや生じやすい。

ボールの軌道の制御の難しさや、打球時の衝撃の吸収力が少し低い点もあり、やや扱いは難しめと判断し、
難易度の評点は8+αにしました。

TSP時代のカールP-3αR【OX】と同等クラスの難易度ですし、
同社のカールP-1V【OX】よりもボールコントロールはやりにくくなっている。
VICTASのカールシリーズの粒高の中でも扱いは難しくなっている。


(フリースペース②)
キレや変化量に関しては
自分から回転を作る際の回転発生の成功率は少し高め。
最大回転量はOXの粒高ラバーとしては少し高め。
VICTASのカールシリーズの粒高としては回転発生成功率と最大回転量の高さは控えめである。

【変化の強さ 9.5】
ただボールを当てるだけだと相手の回転は少し残ってくれる事が多い。
変化は粒高ラバーとしては少し強め。
ナックル気味の球は出しにくい。


【フリースペース③】
ラバーのスピード帯に関して

カールP-3αV【OX】
弾み→中間基準
飛距離の伸び→少し出やすい

カールP-3αV【1.5mm】
弾み→中間基準
飛距離の伸び→少し出やすい

となっている。

カールP-3αVはスポンジを組み合わせても弾みと飛距離の伸びの出やすさはOXとあまり変わらない。

ブログ内の基準では、スポンジありとなしのどちらのほうがスピードがあるかは判断を下しかねるが、スピード帯に大きな違いはないと思われる。


(簡易まとめ)
粒の高さは少し低めで小粒。
円柱+台形形状。
粒間隔は広め。
シートや粒の硬度はほんの少し硬め。
粒は少し曲がりやすい。
TSP時代のカールP-3αRとはシートの設計は少し異なる。

弾みは粒高ラバーとしては弾みすぎず弾まなすぎず中間クラスで飛距離の伸びも少し出やすい程度で、変化は粒高ラバーとしては少し強めなラバーではあるとは思いましたが、回転発生成功率と最大回転量はOXの粒高ラバーとしては少し高めな程度。VICTASのカールシリーズの粒高としては回転発生成功率と最大回転量の高さは控えめである。
ラバーの弾道帯は中間弾道帯くらい。

また、球離れが少し早めで、ボールの軌道のコントロールにややブレが生じやすい面や、衝撃減衰効果が少し低い部分に注意する必要も生じやすいラバーであると感じました。
粒高全体の相対で見れば衝撃減衰効果は少し低い基準ではありますが、
OXの状態での衝撃減衰効果はカールシリーズの中では低い。

ラバーの扱いはやや難しめで、
カールシリーズの粒高の中ではボールコントロールに難があり、ボールコントロールの精度が足りないとボールコントロールに振り回される恐れがあると思いました。

ラバー設計はTSP時代のカールP-3αRを完全再現したタイプではないとは感じましたが、ボールの軌道のブレがやや生じやすい点や、打球時の衝撃に少し弱い点はそのまま引き継いでしまっている。
変化はほんの少し上昇し最大回転量も少し上昇してはおりますが、VICTASのカールシリーズの粒高としては回転発生成功率と最大回転量は控えめ。
また、球持ちの悪さが少し上昇してしまっている。

カールP-3αRからカールP-3αVへの用具の切り替えを行う場合は、性能は似ている為、引き継ぎはそれ程苦労はしないとは思いましたが、ラバーの扱いはやや難しめですし、VICTASのカールシリーズとしては扱いは難しくなっているとも思いました。