【VICTAS カールP-3V】
〈粒高ラバー〉
黒 1.5  
サイズ 縦173mm×横165mm
パッケージ開封前 90.5g
全開封後 48.5g
カット後重量 36.8g (縦162mm×横160mm) 
※シェークラケットの寸法で、接着剤の重量は含まない。
重量比 0.758 (36.8g÷48.5g)

〈シート厚〉
ベース 0.3mm程
粒の高さ 1.55mm程
(円柱部分 1.45mm程)
(台形部分 0.1mm程)
トータル 1.85mm程

〈スポンジ厚〉
1.5mm程

〈シート+スポンジ厚〉
1.85mm+1.5mm=3.35mm程

〈粒形状〉
粒の高さ 1.55mm程
粒直径 1.6mm程
アスペクト比 0.968程
円柱+台形

〈粒間隔〉
縦 3.366mm程
横 1.265mm程
斜め 1.269mm程
合計値 5.900mm程 (少し低め)

〈粒配列〉
横目

〈粒表面の布目〉
あり

〈スポンジ硬度〉
55°±3 (VICTAS規準)

〈変化度〉
8.75 (VICTAS規準)


(フリースペース①)
粒高ラバーのロングセラー
カールシリーズ。

2020年10月
TSPはVICTASとの統合を発表。
カールP-3の性能やラバー設計はカールP-3Vに引き継がれ、2021年2月に新たに発売される。

P-3Vは太く低めの粒で
安定感も重視するタイプ。
粒高初心者や攻守を織り交ぜるタイプに最適。
との事。

P-3Vの粒の高さは1.55mm程。
粒直径は1.6mm程。
粒配列は横目。
粒形状は円柱+台形。
粒間隔の合計値は少し低めではありますが、粒直径の数値と照らし合わせて粒間隔の基準を定める場合は、ブログ内の基準では、粒間隔は狭過ぎず広すぎず、中間付近の基準になる。

TSP時代のカールP-3と粒直径と粒の高さは同じくらいではあるものの、
粒形状が円柱から円柱+台形に変更されており、粒間隔の広さもほんの少し抑えられた。
ゴム配合も少し変わっており、シート硬度が少し上昇しているかも…?
スポンジは変更なしと思われる。

(この記事では1.5mm程のスポンジ入りの場合の検証結果を記載。)


①シート硬度及び粒硬度 5.5 (ほんの少し硬め)
シート及び粒の硬度はほんの少し硬めの硬度と感じました。

②スポンジ硬度 9 (非常に硬い)
中国系のバリ硬スポンジに迫るくらいの硬さ。日本のラバーのスポンジではトップクラスの硬度だと思います。
気泡なし。イエロースポンジ。
TSP時代のカールP-3と同じイエロースポンジを採用していると思われる。

③シート+スポンジ硬度 7 (やや硬め)
シートはほんの少し硬めでスポンジは非常に硬い。全体硬度や打球感はやや硬めくらいと感じる。

④粒の曲がりやすさ 5.5 (ほんの曲がりやすい)
シート硬度はほんの少し硬めではありますが、粒直径は極端に大き過ぎない為か、粒はほんの少し曲がりやすくなっている。

⑤スポンジ重量 8.5 (かなり重い)
硬質中国スポンジには僅かに及ばない気もしますが日本製のスポンジの中では重い材質だと思います。

⑥シート+スポンジ重量 5.5 (ほんの少し重め)
1.5mm程のスポンジ入りでの測定。
ブログ内の基準ではほんの少し重めの数値が出る。

⑦難易度 7 (扱いやすい)
このラバーの特徴としては
◆シート硬度及び粒硬度はほんの少し硬め。
◆スポンジは非常に硬く、スポンジ重量がかなり重い。
◆全体硬度や打球感はやや硬め。
◆ラバーの総重量はほんの少し重め。
◆弾みは粒高としては弾みすぎず弾まなすぎず中間クラスですが、飛距離の伸びが少し出やすい。
◆ボールの減速はまずまず効かせやすい。
◆球離れはほんの少し早め。
◆弾道はまあまあ弧線弾道気味になりやすく、弧線も作りやすい。
◆ボールの軌道のブレはやや生じにくい。
◆シートの引っかかりは良く、ボールの不可解な滑りが発生しやすいタイプではない。
【回転影響の受けにくさ 9】粒高としては少し相手の回転の影響を受けやすい。

等の特徴があると思います。


弾みは日本の粒高の中では弾みすぎず弾まなすぎずですが、飛距離の伸びは少し出やすい。しかし、ボールの減速はまずまず効かせやすい。
弾道はまあまあ弧線弾道気味になりやすいタイプで、弧線も作りやすい。
ボールの軌道のブレもやや発生しにくく、ボールコントロール面は軌道のブレにくさと飛距離の長短の調整のしやすさ共に優秀。
球離れはほんの少し早め。
粒高としては少し相手の回転の影響を受けやすい面はあるものの、1.5mm程のスポンジを組み合わせても少し回転影響を受けやすいくらいで済むのが救い。
シートの引っかかりも良く、ボールの不可解な滑り落ちは発生しやすいタイプではないですし、球持ちはそこまで悪くはなく、ボール設置時間もある程度確保出来るようになっている。

球離れはほんの少し早めで、粒高ラバーとしては少し相手の回転の影響を受けやすい面はあるものの、ボールの軌道と長短のコントロール性能が優秀で、高弾道性もまあまあ強め。
粒高ラバーとしては扱いやすいラバーだと思いましたので、難易度の評点は7点にしました。
TSP時代のカールP-3【中】と同等クラスの扱いやすさを確保出来ていると思いましまし、
カールシリーズの中でも扱いやすい設計になっていると思いますが、
スポンジは非常に硬くて重く、スポンジを厚くするとラバーの総重量がかさむ為、1.0mm以上のスポンジを用いる時は総重量過多によるラケットの操作不良には注意が必要。


(フリースペース②)
キレや変化量に関しては
【変化の強さ 7】
ただボールを当てるだけだと相手の回転は少し残りにくく、少しナックル気味の球質になりやすいと思います。
勝手に強いスピン反転をするような変化が起きやすいタイプではなく、
変化は粒高ラバーとしては少し弱い。

また、カールP-3V【OX】のブログ内での変化の強さの数値は9.25。変化は粒高ラバーとしてはほんの少し強めと評価している。

自分から回転を発生させる際の回転発生の成功率は中々高い。
最大回転量は粒高ラバーとしてはかなり高め。
粒高としては回転を作っていきやすい。

TSP時代のカールP-3【中】よりも回転発生成功率の高さはほんの少し及ばないものの、最大回転量はほんの少し上昇していると判断。
繰り出される球質に関しては、
ナックル気味の球質の出やすさがほんの少し低下。
変化はほんの少し上昇しており、
カールP-3【中】と比べると、少しですが球質の特徴に変動が現れている。


(簡易まとめ)
粒の高さは1.55mm程。
粒直径は1.6mm程。
粒配列は横目。
粒形状は円柱+台形。
シート、粒の硬度はほんの少し硬め。
スポンジを入れる場合は、硬度55±3の非常に硬いスポンジが搭載される。

カールP-3の性能やラバー設計は
カールP-3Vに引き継がれ、2021年2月に新たに発売される。

TSP時代のカールP-3とはシート硬度や粒形状やキレや変化量に少し違いがあるものの、ボールコントロールの良さと回転の作りやすさの長所はしっかり確保出来ている。

変化は粒高ラバーとしては少し弱くはありますが、TSP時代のカールP-3よりも変化の出やすさはほんの少し上昇していると思われる。
また、自分から回転を作る際の回転発生の成功率は中々高いですし、最大回転量は粒高ラバーとしてはかなり高め。
粒高としては回転を作っていきやすい。

あとは、スポンジは非常に硬くて重く、スポンジを厚くするとラバーの総重量がかさむ為、
1.0mm以上のスポンジを用いる時は総重量過多によるラケットの操作不良には注意。

ですが、
日本のスポンジ入りの粒高の中でもボールコントロールに優れて扱いやすい、とても優秀な粒高ラバーだと思いましたし、自分からキレも上乗せ出来れば、防御能力の高さと粒高効果に加え、相手に圧力をかけれる見込みも十分。

ほんの少し硬めのシート+硬質スポンジの組み合わせのラバーとしても、生涯を通して末長く使っていける程の防御能力の高さを備えている点は大きく、プロ選手は勿論、粒高初心者でも安心して使える程、ボールコントロール性能がスポンジ入りの粒高ラバーの中でも特に優れており、使い手のレベル帯を問わず使用出来る見込みがある。

自身の実力の向上と共にラバーの性能の伸び代を引き出しに行けるラバーであるとも思いましたし、
硬質スポンジを組み合わせているにも関わらず、かなり高めの最大回転量を確保出来ている。
ほんの少し硬めタイプのシート+硬質スポンジの粒高でキレやボールコントロール性能を確保したい場合の選択肢として安心して挙げられるラバーであると思いました。

ラバー設計はTSP時代のカールP-3を完全再現したタイプではないとは感じましたが、ボールコントロールのやりやすさは維持出来ておりますし、回転の作りやすさを確保出来ている。

カールP-3からカールP-3Vへの用具の切り替えを行う場合も、概ね問題無く引き継ぎが出来る性能であると感じました。