【VICTAS カールP-4V】
〈粒高ラバー〉 
黒 1.5mm
サイズ 縦172mm×横165mm
パッケージ開封前 70.8g
全開封後 30.5g
カット後重量 23.5g (縦162mm×横160mm) 
※シェークラケットの寸法で、接着剤の重量は含まない。
重量比 0.770 (23.5g÷30.5g)

〈シート厚〉
ベース 0.3mm程
粒の高さ 1.65mm程
(円柱部分 1.5mm程)
(台形部分 0.15mm程)
トータル 1.95mm程

〈スポンジ厚〉
1.5mm

〈シート厚+スポンジ厚〉
1.95mm+1.5mm=3.45mm

〈粒形状〉
粒の高さ 1.65mm程
粒直径 1.6mm程
アスペクト比 1.03125程
円柱+台形

〈粒間隔〉
縦 3.16mm程
横 1.141mm程
斜め 1.144mm程
合計値 5.445mm程 (低め)

〈粒配列〉
横目

〈粒表面の布目〉
あり

〈スポンジ硬度〉
20.0±3 (VICTAS基準)

〈変化度〉
9.75 (VICTAS規準)

Made in Japan


(フリースペース①)
粒高ラバーのロングセラー
カールシリーズ。
松下浩二氏が開発に携わった
カットマンの為の新たなカールがカールP-4。

2020年10月
TSPはVICTASとの統合を発表。
カールP-4の性能やラバー設計はカールP-4Vに引き継がれ、2021年2月に新たに発売される。

P-4Vの粒の高さは1.65mm程。
粒直径は1.6mm程。
粒配列は横目。
粒形状は円柱+台形。
粒間隔の合計値は低めで、粒間隔は少し狭い。

TSP時代のカールP-4とかなり近い金型を用いておりながら、粒硬度も殆ど変わっておらず、スポンジは変更なしと思われますので、ラバー設計もカールP-4に限りなく近い設計を実現出来ていると思われる。

(この記事では1.5mm程のスポンジ入りの場合の検証結果を記載。)


①シート硬度及び粒硬度 6 (少し硬め)
シート処方は少し硬めの硬度。カールP-4とほぼ同じ硬度。

②スポンジ硬度 1.5 (柔らかい)
VICTAS基準20.0±3°
カールP-4と同じスポンジを採用してると思われる。
スポンジは日本のアンチラバーに使われているスポンジ並の柔らかさ。
少し気泡のあるホワイトスポンジ。

③シート+スポンジ硬度 3 (やや柔らかい)
1.5mm程のスポンジ入りの物を用いての測定。
スポンジの柔らかさが少し硬めのシートの硬さを緩和してくれる為、全体硬度や打球感もやや柔らかくなってくれると思います。

④粒の曲がりやすさ 6 (少し曲がりやすい)
20±3の柔らかいスポンジを搭載すると、粒の根元付近の曲がりやすさが向上する為、OXの時より少し粒は曲がりやすくなり、曲がりやすさが向上する。弱めのインパクトでも粒はしっかり曲がってくれますし、粒も潰れやすさも高め。
【カールP-4 OXの場合の評点は4.5点(ほんの少し曲がりにくい)】

⑤スポンジ重量 1 (とても軽い)
1.5mm程のスポンジを用いても、重量はあまり上昇しない。

⑥シート+スポンジ重量 3 (やや軽い)
1.5mm程のスポンジ入りでの測定。
ブログ内の基準ではやや軽い数値が出る。

⑦難易度 7 (扱いやすい)
このラバーの特徴としては
◆シート硬度及び粒硬度は少し硬め。
◆粒間隔は少し狭い。
◆スポンジは柔らかく、軟性アンチスポンジ並の柔らかさ。
◆全体硬度や打球感はやや柔らかい。
◆弾みは日本の粒高としては弾みすぎず弾まなすぎず中間くらいですが、飛距離は少し伸びが良い印象。
◆ボールの減速はまずまず効かせやすい。
◆弾道は中々弧線弾道になりやすく、弧線は作りやすい。
◆ボールの軌道のブレはやや生じにくい。
◆球離れはやや遅めで、球持ちが良い。
◆衝撃減衰効果は高い。
【回転影響の受けにくさ 1.5】粒高としてはかなり相手の回転の影響を受けやすい。
◆ボールの引っ掛かりは良く、ボールの不可解な滑りが発生しやすいタイプでなない。
◆ラバー総重量はやや軽い。

等の特徴があると思います。


少し飛距離の伸びが出やすい特性はありますが、弾みの強さは粒高の中では中間クラスくらい。飛距離の調整はもの凄くやりやすいわけではないものの、ボールの減速はまずまず効かせやすく、調整が出来るようになると長短の緩急をつける事が可能。

そして、柔らかいスポンジ入りだと、OXの時よりも打球感が柔らかくなりやすく、スポンジを厚くする事で、衝撃減衰効果、球持ち、ボール設置時間の猶予を確保出来るようになっている。
しかし、OXの時よりもシートや粒の引きつれが起きやすくなっている影響か、相手の回転の影響は粒高としてはかなり受けやすくなってしまっている。
あとは、1.5mm程のスポンジ入りだと高弾道性の強さが更に向上。ラバーの高弾道性は中々強く、弧線も作りやすい。
また、1.5mm程のスポンジを組み合わせてもラバーの総重量はやや軽い数値で収まりやすい。

1.5mm程のスポンジ入りだと粒高ラバーとしては相手の回転の影響をかなり受けやすくはなってしまいますが、それ以外には扱いを難しくするような特性はあまり見当たらない。
ボールの軌道のブレもやや生じにくく、衝撃減衰効果も高く、
扱いやすさに優れる粒高ラバーだと思いましたので、
難易度の評点はカールP-4と同じ7点を付ける事にしました。

ラバー性能も、カールP-4(中)と殆ど同じ性能を再現出来ていると判断。
ラバー全体で見ても扱いやすい設計になっていると思います。


(フリースペース②)
キレや変化量に関しては
粒を深く曲げながらシートやスポンジの引きつれを起こしてボールを切っていく事が出来れば、
自分から強い回転を作る事が可能ですので、
自分からボールを切って回転を作る力に長けているタイプのラバーだと思います。
スポンジ入りだとOXの時よりも球持ちや粒の曲がりやすさやシートの引きつれやすさが向上し、回転発生の成功率と最大回転量も上昇。
自分から回転を作る際の回転発生の成功率は結構高い。
最大回転量は粒高ラバーとしてとても高め。
回転発生成功率と最大回転量は共に優れており、
粒高ラバーの中でも自分から回転を作りやいですし、ボールを強く切っていきやすいほうだと思います。

【変化の強さ 7.5】
ただボールを当てるだけだと相手の回転がほんの少し残ってくれる事もありますが、ナックル気味になる事もある。
変化は粒高ラバーとしては少し弱め。
ナックル気味の球も出しやす過ぎず出しにく過ぎず。

キレや変化量等、繰り出されるボールの球質に関しても、カールP-4(中)と限りなく近いものとなっていると判断。

また、カールP-4V【OX】のブログ内での変化の強さの数値は9.75。変化は粒高ラバーとしては少し強いと評価している。


(簡易まとめ)
粒の高さは高めで
円柱+台形形状。
粒配列は横目。
粒間隔は少し狭い。
シート、粒の硬度は少し硬め。
粒は1.5mm程のスポンジ入りの場合は少し曲がりやすい。
スポンジを入れる場合は、硬度20±3の柔らかいスポンジが搭載される。

カールP-4の性能やラバー設計は
カールP-4Vに引き継がれ、2021年2月に新たに発売される。

カールP-4V【1.5mm】は、
ラバー設計、ラバー性能共に、カールP-4(中)に限りなく近い設計や性能を実現出来たラバーだと思いました。
また、キレや変化量等、繰り出されるボールの球質に関しても、カールP-4(中)と限りなく近いものとなっている。

スポンジは柔らかくて軽量。
スポンジ入りだと、粒高としてはかなり相手の回転の影響を受けやすくなってはいるものの、
球持ちとボール設置時間の確保や、衝撃減衰効果の向上等の効果が発生する。
また、ボールの軌道のブレもやや生じにくく、ボールコントロールも優秀。
少し飛距離の伸びが出やすくはあるものの、ボールの減速はまずまず効かせやすく、弾みの強さ自体も粒高の中では中間クラスくらい?

日本のスポンジ入りの粒高の中でもボールコントロールに優れて扱いやすい、とても優秀な粒高ラバーだと思いました。

変化は粒高ラバーとしては少し弱めだと思いましたが、
自分から回転を作る際の回転発生の成功率は結構高い。
最大回転量は粒高ラバーとしてはとても高め。
回転発生成功率と最大回転量は共に優れており、
自分からキレは発生させやすい。
また、柔らかいスポンジの効果により、高弾道性の強さが更に向上。ラバーの高弾道性は中々強く、弧線も作りやすい
1.5mm程のスポンジを組み合わせてもラバーの総重量はやや軽めで収まりやすい。

ラバーを使いこなすには
相手の回転に負けずにボールの長短の制御をする事が必要になってくるラバーではあるとは思いますが、
スポンジの柔らかさの影響による衝撃減衰効果の高さや、自分から回転を作りやすい特性も活かしていければ、防御能力の高さと粒高効果に加え、相手に圧力をかけれる見込みも十分。

1.5mm程のスポンジ入りの場合の
長所や目立つ特性としては、
高弾道性の強さや弧線の作りやすさ、衝撃減衰効果の高さ、自分からキレを発生させた際のキレの強さや、回転発生成功率の高さや、やや軽いラバー総重量や、ボールの軌道のコントロールのしやすさが印象的でした。

少し硬めのシート+柔らかい軽量スポンジの組み合わせのラバーとしても、生涯を通して末長く使っていける程の防御能力の高さを備えている点は大きく、プロ選手は勿論、粒高初心者でも安心して使える程、スピン性能とボールコントロール性能がスポンジ入りの粒高ラバーの中でも特に優れており、使い手のレベル帯を問わず使用出来る見込みがある。

カットマンの為のカールとして発売されているラバーではありますが、カットマン以外の戦型でも使っていける見込みがあるラバーだと思います。
あとは高弾道性の強さや最大回転量の高さに関しては、スポンジ入りの粒高ラバーの中でもトップクラスだと思いましたし、
カールP-4からカールP-4Vへの用具の切り替えを行う場合も、安心して引き継ぎが出来ると感じました。