【der-materialspezialist Firestorm】
〈表ソフトラバー〉
黒 1.5mm
サイズ 縦170mm×横169.5mm
パッケージ開封前 82.3g
全開封後 57.5g
カット後重量 43.0g (縦162mm×横160mm)
 ※シェークラケットの寸法で、接着剤の重量は含まない。
重量比 0.747 (43.0g÷57.5g)
 
〈シート厚〉
ベース 0.3mm程
粒の高さ 1.0mm程
トータル 1.3mm程

〈スポンジ厚〉
1.5mm程

〈シート+スポンジ厚〉
1.3mm+1.5mm=2.8mm程

〈粒形状〉
粒の高さ 1.0mm程
粒直径 2.1mm程
アスペクト比 0.476程
台形

〈粒間隔〉
縦 3.3mm程
横 1.011mm程
斜め 1.02mm程
合計値 5.331mm程 (低い)

〈粒配列〉
横目

〈粒表面の布目〉
なし

〈der-materialspezialist公式の性能数値〉
テンポ 108
コントロール 90
効果 82
適性 Allround / Offensiv
硬度(スポンジ部分の硬度…?) Medium+


(フリースペース①)
欧州の卓球メーカー。
der-materialspezialistから発売している表ソフトラバー。

粒は短めのショートピンプル。
粒配列は横目。
粒形状は台形。
粒表面の布目は無し。
粒直径はかなり大きい。
粒間隔の合計値は低く、粒間隔はかなり狭め。

スピードや攻撃力の高さを売りにした表ソフト。


①シート硬度及び粒硬度 9 (かなり硬い)
シート処方はかなり硬いと思いました。

②スポンジ硬度 8 (硬め)
スポンジ硬度らしき表記の部分にはMedium+書いておりますが、大分硬さを感じる。
TSP基準日本硬度に換算すると49.5°くらいに感じる硬度。
細かい気泡のあるピンクスポンジ。
同社のHellracerに採用されているピンクスポンジとほぼ同一のスポンジ…?
スポンジ硬度もほぼ同じくらいである。

細かい気泡がある為か、指で触った時や打球時のボールのめり込み具合からは48.5°くらいの硬度に感じ、実際の硬度よりも僅かに低く感じますが、それでも昨今のショートピンプルの表ソフトラバーに用いるスポンジとしては随分硬さを感じる。

③シート+スポンジ硬度 8.5 (硬い)
1.5mm程のスポンジ入りでの測定。
シートはかなり硬く、スポンジも硬めである為か、全体硬度や打球感は硬いと感じました。

④粒の曲がりやすさ 1 (かなり曲がりにくい)
粒直径はかなり大きく、シート硬度もかなり硬くて粒間隔はかなり狭め。台形形状の粒はかなり曲がりにくくなっている。

⑤シート+スポンジ重量 7.5 (やや重い)
1.5mm程のスポンジ入りでの測定。
やや重い数値が出ました。

⑥難易度 7.5+α (中間基準)
このラバーの特徴としては
◆シート硬度及び粒硬度はかなり硬い。
◆スポンジ硬度は硬め。
◆全体硬度や打球感は硬い。
◆粒表面に布目が無い。
◆粒間隔はかなり狭め。
◆弾みはショートピンプルの表ソフトとしてはやや弾みが強く、飛距離の伸びもやや出やすい。
◆ボールの減速は効きやす過ぎず効きにく過ぎず。
◆最大回転量の高さはショートピンプルの表ソフトの中でも高め。
◆自分から回転を起こす際の回転発生の成功率は少し高い。
◆弾道は結構弧線弾道になりやすく、弧線は作りやすい。
◆ボールの軌道のブレは少し生じにくい。
◆ボールの球離れは早い。
◆ボールの引っかかりは良く、ボールの不可解な滑り落ちが発生しやすいタイプではない。
【防御特性 −1】表ソフトラバーとしては、相手の回転の影響は少し受けやすい。
◆ラバーの重量がやや重い。

等の特徴があると思います。


ショートピンプルの表ソフトとしては弾みはやや強く、飛距離もやや伸びが出やすい。
ボールの減速は効きやす過ぎず効きにく過ぎず。
しかし、元々の弾力はやや強さがある為、減速が効かなかった時のオーバーミスには注意。
ボールの軌道のブレは少し生じにくく、軌道のコントロールは良好。

弾道は結構弧線弾道になりやすく、ショートピンプルの表ソフトとしては高弾道性の強さは結構強い。また、弧線も作りやすい。
ボールの引っかかりの良さが現れる為か、表ソフトラバーとしては自分から強く回転をかけた際の最大回転量は高めですが、相手の回転の影響は少し受けやすい。
シート表面の布目を無くして引っかかりを抑えようとする事を狙いにしているのかもしれませんが、シート自体の摩擦力は良く、台形形状の粒は、エネルギーロスが少ない感じがする為か、ボールの回転を捕らえてしまいやすいと思う。(代わりに、自分から強く回転をかけた際の最大回転量は高めとなる利点はある。)

あとは球離れが早いのと、ラバーの全体硬度や打球感の硬さやラバー重量の重さも特徴的。
この球離れの早さと、ラバーの全体硬度と打球感の硬さは好みと相性が分かれやすい。
また、ラバー重量は1.5mm程のスポンジ入りでもやや重い為、ラケット総重量過多によるラケット操作不良を誘発しやすくなる面もある。

このラバーを使いこなすには
相手の回転に負けずにボールの弾みや飛距離の伸びを制御する事や、球離れの早さやラバーの重さへの対応が必要になりやすく、
やや強さのある弾力バランスや、球離れの早さや、ラバーの全体硬度と打球感の硬さやラバーの重さにどれだけ適応出来るかどうかも重要になってくると思います。

ラバーのボールの軌道のコントロールは良好で、ボールコントロール難度は中間基準くらいだと思いましたので、難易度の評点は7.5+αにしましたが、ラバーの重量過多やラケット総重量過多によるラケット操作不良が起きないよう、重量調整に気をつけたほうが良いとは思います。


(フリースペース②)
ボールの球質や変化に関しては
【変化の強さ 8】
ただボールを当てるだけだと相手の回転はほんの少し残ってくれる事が多い。
変化は表ソフトラバーとしてはほんの少し強め。
ナックル気味の球は少し出しにくい。

自分から回転を作る際の回転発生の成功率は少し高い。
最大回転量の高さはショートピンプルの表ソフトの中では高め。

球離れが早い為、ボールの設置時間の猶予は短いですが、絶望的な程球離れが早過ぎるわけではなく、一瞬ですがボールが引っかかる猶予がある。
その為、球離れの早さのある表ソフトの中では回転は作りやすくなっており、表ソフト全体で見ても回転発生の成功率は少し高いくらいに収まる。

回転発生を成功させるインパクトを最低限確保出来れば、そこからは使い手側のインパクトの強さに比例して素直に回転量も伸びてはくれるタイプのラバーだとは思います。
しかし、強い回転を作るには、球離れの早さに負けない強いインパクトが必要になる。
強いインパクトを起こせるとショートピンプルの表ソフトとしては高めの回転量に達する。


(フリースペース③)
ラバーの弾みや飛距離の伸びに関して、
スピード値は
Firestorm→108
Firestorm Soft→105
Firestorm -Green Storm Edition-→112
Hellracer→110

となっておりますが、
Firestormは何故かFirestorm Softよりも弾みと飛距離の伸びが弱くなっている。
また、Firestorm Softが最もスピードが出る為、Firestorm Softの性能数値と実際の弾力にズレを感じる。
一応、Hellracerと同じくらいの弾みと飛距離の伸びが出ると判断。
Firestorm -Green Storm Edition-よりは弾みはほんの少し弱くなり、飛距離の伸びも少し弱くなる。

また、Firestorm -Green Storm Editionのシート単体の弾みがFirestorm(1.5mm)と同じくらいで、飛距離の伸びの出やすさはFirestorm(1.5mm)よりも少し下がる為、
Firestormはピンクスポンジを組み合わせる事で飛距離の伸びの出やすさが少し上がっていると判断。


(フリースペース④)
また、
Firestormのラバー全体の構成や性能はHellracerと非常に近い物となっている。
スポンジは同一…?硬めのピンクスポンジ。
シートの粒形状やゴム配合や粒間隔や粒の曲がり方や粒表面の光の反射率に少し違いはあるのですが、
粒硬度はどちらもかなり硬い。ラバー重量も同じくらい。
粒表面の光の反射率はこちらの方が高い。
全体性能だけでなく、繰り出される球質も非常に近い。
粒形状だけ見ればFirestormのほうが回転がかかりそうな形状にはなっているのですが、Hellracerのほうが粒間隔は狭い。
どちらのほうが最大回転量が高いかは判断を下しかねる。
本当にHellracerと非常に似ている性能でしたので、
粒の曲がりやすさ、粒間隔、粒形状以外の特徴や性能に感しての記述はHellracerとほとんど同じような内容にしました。


(フリースペース⑤)
Firestorm【1.5mm】のラバー全体の構成や性能はFirestorm -Green Storm Edition-【1.5mm】とかなり近い物となっている。

シートの性能は同一であるとは思いますが、Firestormに組み合わさっているピンクスポンジのほうがFirestorm -Green Storm Edition-のミントグリーンスポンジよりも0.5度程、スポンジ硬度が上がっている為、性能には微妙な変化が現れてはおりますが、総合的な使用感はFirestorm -Green Storm Edition-とかなり近い。

スポンジ硬度はFirestorm -Green Storm Edition-より僅かに上昇。
回転発生成功率はFirestorm -Green Storm Edition-よりほんの少し低下。
ボールの設置時間の猶予の短さはFirestormのほうが僅かに短い。
ラバーの高弾道性はFirestorm -Green Storm Edition-よりほんの少し低下
弾みの強さがほんの少し低下、飛距離の伸びの出やすさが少し低下。
スポンジ重量はFirestorm -Green Storm Edition-よりも更に上昇。(しかし、Firestorm -Green Storm Edition-のスポンジも重ため)

ラバーのボールコントロール難度はFirestorm -Green Storm Edition-と同じ7.5+α(中間基準)に設定。
ボールコントロール難度はFirestorm -Green Storm Edition-よりほんの僅かに上昇するかもと同じくらいだとは思いますが、僅かしか変わらないと思いますし、Firestormもボールコントロール難度は中間基準くらいだと思いましたので、ブログ内の基準では、ボールコントロール難度はFirestorm -Green Storm Edition-と同じ7.5+α(中間基準)の数値としている。


(簡易まとめ)
der-materialspezialistから発売された
ショートピンプルの表ソフトラバー。

粒配列は横目。
粒形状は台形。
粒表面の布目は無く、粒直径はかなり大きく、粒間隔はかなり狭め。
シート及び粒硬度はかなり硬い。
スポンジ硬度は硬め。
全体硬度や打球感は硬い。
粒はかなり曲がりにくい。

ラバーの全体硬度と打球感の硬さやラバーの重さやスピード数値の高さが特徴的な表ソフトラバーとなっている。

弾みの強さはショートピンプルの表ソフトラバーとしてはやや強く、飛距離の伸びはやや出やすい。
ボールの減速は効きやす過ぎず効きにく過ぎず。
しかし、元々の弾力はやや強さがある為、減速が効かなかった時のオーバーミスには注意。

ラバーの全体硬度の硬さの影響が現れる為か、
球離れは早く、ボールの設置時間の猶予は短く、ラバーの重量もやや重い。
しかし、球離れが早いわりには回転はそれ程作りにくくはなってはおらず、回転発生の成功率は少し高い。回転発生を成功させるインパクトを最低限確保出来れば、そこからは使い手側のインパクトの強さに比例して素直に回転量も伸びてくれる。
強い回転を作るには強いインパクトが必要にはなりますが、強いインパクトを起こせれば、表ソフトラバーとしては高めの最大回転量を作れる見込みがあり。
表ソフトラバーとしては、相手の回転の影響は少し受けやすい。
シート表面の布目を無くして引っかかりを抑えようとする事を狙いにしているのかもしれませんが、シート自体の摩擦力は良く、台形形状の粒のエネルギーロスが少ない感じがする為か、ボールの回転を捕らえてしまいやすい面もある。

また、ボールの軌道のブレは少し生じにくく、軌道のコントロールは良好。
ショートピンプルの表ソフトとしては高弾道性の強さは結構強く、弧線も作りやすい。

ボールの球質や変化に関しては
変化は表ソフトラバーとしてはほんの少し強め。
ナックル気味の球は少し出しにくい。

このラバーを使いこなすには
相手の回転に負けずにボールの弾みや飛距離の伸びを制御する事や、球離れの早さやラバーの重さへの対応が必要になりやすく、球離れの早さや、ラバーの全体硬度と打球感の硬さやラバーの重さに対しての好みや相性も左右してくる。

ラバーのボールの軌道のコントロール自体は良好ですし、ボールコントロール難度は中間基準くらいに収まっていると思いましたので、余程相性が合わない限りは大事故は起こりにくいとは思いましたが、ラバーの全体硬度は昨今の表ソフトラバーとしては随分硬さを感じますし、ラバーの重量の重さもある点は良くも悪くも個性的。
1.5mm程のスポンジ入りでもやや重い為、ラケット総重量過多によるラケット操作不良を誘発しやすくなる面もある点は要警戒ではある。

かなり尖ったラバー構成や特徴を持ちながらも、扱いにくさは上手く抑えられていて、全体硬度が硬いタイプのラバーとしては珍しく、良心的なコントロールも備えた仕上がりになっている。

異質専門メーカーから発売された、粒配列横目の粒表面布目無しの個性的な構成のショートピンプルの重量型表ソフトラバーは、軌道のコントロールの良さや高弾道性の強さも確保出来ており、
Firestom SoftやFirestorm -Green Storm Edition-やHellracerと同様、表ソフトラバーとしての力作として扱える見込みのあるラバーとなっていると感じました。

また、全体的なラバー構成や性能はHellracerと非常に近くなっていると思いました。
Firestorm -Green Storm Edisionともかなり近いですが、実はHellracerのほうがもっと近いと判断。

スポンジ硬度と全体硬度と打球感の硬さとラバーの重さに関しては好みがはっきり分かれると思いますし、
強い回転を作るには、球離れの早さに負けない強いインパクトは必要になりますが、
上手くラバーを扱える力があれば
コントロール+スピードに回転も上乗せ出来るようになり、このラバーが持つ攻撃性の強さを引き出せるようになるのではとも思います。