【バタフライ フェイントAG】
〈粒高ラバー〉
黒 中 (1.5mm〜1.7mm)
サイズ 縦181mm×横169mm
パッケージ開封前 74.4g
全開封後 48.5g
カット後重量 35.1g (縦162mm×横160mm) 
※シェークラケットの寸法で、接着剤の重量は含まない。
重量比 0.723 (35.1g÷48.5g)

〈シート厚〉
ベース 0.4mm程
粒の高さ 1.5mm程
トータル 1.9mm程
 
〈スポンジ厚〉
1.7mm程

〈シート厚+スポンジ厚〉
1.9mm程+1.7mm程=3.6mm程

〈粒形状〉
粒の高さ 1.5mm程
粒直径 1.5mm程
アスペクト比 1.0程
円柱+根元台形

〈粒間隔〉
縦 3.392mm程
横 1.307mm程
斜め 1.318mm程
合計値 6.017mm程 (中間基準)

〈粒配列〉
横目

〈粒表面の布目〉
あり

〈バタフライ公式の性能数値〉
スピード 7
スピン 4
スポンジ硬度 28°(バタフライ基準)


(フリースペース①)
バタフライから販売されているハイテンション粒高ラバー。
フェイントAGはスピードの数値が7と高く、スピンの数値はフェイントロング3と同じ4の数値をマークしている。

粒は粒高の中ではそこまで高くはなく、小粒気味。アスペクト比は1.0程。
粒配列は横目。
粒形状は円柱+根元台形。
円柱に近いものの、粒の根元付近が僅かに台形なっている。
粒形状、粒感覚は同社のフェイントソフトやフェイントOXにかなり近く、粒配列も一致してる為、フェイントAGはこれらと似たような金型を用いて製造していると思われる。
シートのゴム配合は完全一致してるかどうかは不明。
粒表面の布目はこれらよりも僅かに荒さが抑えられているものの、細かい布目ではない。
また、シートのベースは0.4mm程となっており、粒高ラバーとしてはシートのベースが肉厚気味。

粒間隔の合計値は6.017mm程。ブログ内の基準では高過ぎず低過ぎず、中間付近。
しかし、粒直径の数値と照らし合わせて粒間隔の基準を定めた場合は、ブログ内の基準では粒間隔はやや広めの基準になる。

また、スポンジ厚は
中、ウス、ゴクウスの3種類が取り扱われており、OXの規格は取り扱われていないのも特徴。

スポンジ厚
中    1.5mm〜1.7mm
薄    1.1mm〜1.3mm
極薄 0.8mm〜1.1mm

この記事では中(1.7mm程)のスポンジ厚の個体を用いての検証。


①シート硬度及び粒硬度 6 (少し硬め)
少し硬めのシート処方だと思いました。

②スポンジ硬度 2.5 (柔らかめ)
バタフライ公式のスポンジ硬度だと28°
少し気泡のあるオレンジスポンジ。
同社のフェイントロング3やフェイントソフトに使用されているホワイトスポンジとは異なる。

TSP基準日本硬度換算だと26.5°〜27°付近と感じるくらい柔らかめのスポンジ。

しかし、少し気泡がある影響が働く為か、指でスポンジを触るとTSP基準日本硬度換算26°付近に感じますし、実際の硬度数値よりもボールのめり込みやすさを感じる。


③シート+スポンジ硬度 4 (少し柔らかめ)
中(1.7mm程)のスポンジ入りでの測定。
シートは少し硬めなものの、スポンジ硬度が柔らかめで、スポンジの柔らかさの主張が強めな為か、全体硬度や打球感は少し柔らかめになると感じました。

④粒の曲がりやすさ 6.5 (やや曲がりやすい)
粒硬度は少し硬めではあるのですが、粒形状が小粒で、粒間隔がやや広めな影響が働く為か、粒はやや曲がりやすくなっている。
他にも柔らかめのスポンジを組み合わせる事でシート平面部分の引きつれやすさを上昇させる事で粒の曲がりやすさを助長する効果が現れているとも思われる。
その為、粒の曲がりやすさの評点は6.5点に。
軽打でも粒は深く曲がりやすいですし、
やや強めのインパクトを込めれば粒が潰れながら深く曲がってくれる。

⑤総重量 5 (中間重量)
中(1.7mm程)のスポンジ入りでの測定。
シートのベースやスポンジに厚さがある影響か、ブログ内の基準での中間基準の重量帯に収まった為、評点は5点に。

⑥難易度 7.5 (比較的扱いやすい)
このラバーの特徴としては
◆シート硬度及び粒硬度は少し硬め。
◆シートのベースが肉厚気味。
◆スポンジは柔らかめ。
◆ハイテンション粒高ラバーとして取り扱われている。
◆粒間隔はやや広め。
◆全体硬度や打球感は少し柔らかめ。
◆弾みは日本の粒高としては弾みすぎず弾まなすぎず中間くらいですが、飛距離の伸びはやや出やすい印象。
◆ボールの減速は効かせやすい。
◆弾道はまあまあ弧線弾道になりやすく、弧線は作りやすい。
◆ボールの軌道のブレは少し生じにくい。
◆球離れは少し遅めで、球持ちが良い。
【回転影響の受けにくさ 2.5】粒高としては結構相手の回転の影響を受けやすい。
◆ボールの引っ掛かりは良く、ボールの不可解な滑りが発生しやすいタイプでなない。
◆ラバー総重量は中間重量付近。

等の特徴があると思います。


ハイテンション粒高ラバーとして取り扱われている粒高。
しかし、弾みの強さは粒高としては中間クラスくらいで、テンションラバーとしては弾みは強くない。
飛距離の伸びが出た時に飛距離がやや伸びてくれる特性がある為、スポンジにめり込みを発生させる事で飛距離の伸びを出せるタイプの粒高ラバーである。
ですが、テンション粒高ラバーとしては弾み+飛距離のトータル量は控えめな印象。
また、ボールの減速を効かせやすいのも特徴。スポンジ部分へのめり込みを抑えた時は、スポンジ部分へのめり込みを発生させた時と比べて大幅に減速が効いてくれますし、ボールの長短の調整もやりやすいタイプ。

球離れは少し遅めで球持ちも良いですし、
ボールの軌道のブレも少し生じにくい。
中スポンジ入りの場合、ラバー総重量は中間重量付近ではあるものの、
薄以上のスポンジを用いる場合は総重量過多によるラケットの操作不良には一応注意が必要になるかもしれません。

シートや粒の引きつれが起きやすくなっている影響か、相手の回転の影響は粒高としては結構受けやすくなっている。

あとはラバーの高弾道性はまあまあ強い。弧線も作りやすい。

テンションラバーとしては弾み+飛距離の伸びは控えめで、相手の回転の影響は粒高ラバーとしては結構受けやすい面はあるものの、
使い手に優しい部分も多く、
ボールの減速は効かせやすく、ボールの軌道のブレも少し生じにくい為、ボールの軌道と長短の調整はどちらもやりやすいですし、ラバーの高弾道性もまあまあ強い。

テンション粒高ラバーとしては扱いにくさは抑えられていると思いましたし、粒高ラバーとしても比較的扱いやすいと思いましたので、
難易度の評点は7.5点にしました。


(フリースペース②)
キレや変化量に関しては
粒を深く曲げたり、少し硬めの粒表面を活かしてボールを切っていく事が出来れば、
自分から回転を作りながら粒の復元力もプラスして切っていく事が出来ますので、
自分からボールを切って回転を作る力に長けているタイプのラバーだと思います。
自分から回転を作る際の回転発生の成功率は中々高く、最大回転量は粒高ラバーとしてはかなり高め。

【変化の強さ 8】
ただボールを当てるだけだと相手の回転はほんの少し残ってくれる事が多い。
変化は粒高ラバーとしてはほんの少し弱い。
ナックル気味の球も少し出しにくい。


(フリースペース③)
フェイントAGはハイテンション粒高ラバーである事が特徴として挙げられているラバーである。

ラバーのスピード性能を調べるに辺り、
フェイントAG【中】のスポンジをほぼ削ぎ落として、OXに限りなく近い状態の物を用意し、シート単体でのスピード性能も測定。
フェイントAG【中】とスピード帯を比べた場合の検証結果も記載。

フェイントAGの
シート単体でのスピード性能は
弾みの強さは少し弱い。
飛距離の伸びは出やすいタイプではない。
ボールの減速は効かせやすい。
という結果が出る。

フェイントAG【中】の
スピード性能は
弾みの強さは中間基準。
飛距離の伸びはやや出やすい。
ボールの減速は効かせやすい。
という結果が出る。

オレンジ色の柔らかめのスポンジを組み合わせると、シート側の弾みの弱さが抑えられ、弾みの強さは中間基準になり、飛距離の伸びもやや出やすいくらいにスピード帯が変動する。
それでも弾み+飛距離の伸び自体はテンションラバーとしては控えめではある。

粒高ラバーとしてはスピードは中間基準以上にはなるものの、
テンション粒高としては控えめなスピード帯になっているのは、
シート側のスピードの低さの影響が現れている為と思われる。

また、フェイントAGのシート単体のスピードの低さは、同社のフェイントロング3【OX】と同等くらいのものとなっており、(2025年5月時点までに検証した粒高ラバーの中からスピード帯の順位を算出した場合)、粒高ラバーとしては4位〜6位の低さとなる。


(フリースペース④)
フェイントAGのスポンジをほぼ削ぎ落として、OXに限りなく近い状態にした場合のシート重量データ。

カット後重量 20.5g (縦162mm×横160mm)※シェークラケットの寸法で、接着剤の重量は含まない。

シート重量の評点はブログ内の基準では7点 (やや重め)

シートのベースが肉厚気味な影響によるラバーの総面積の大きさや、少し硬めのゴム配合の影響が現れた為か、シート側の重量はやや重めの数値が出る。粒高ラバーとしてはシートの重さが感じられる。


(フリースペース⑤)
フェイントAGのスポンジをほぼ削ぎ落として、OXに限りなく近い状態にした場合の難易度の評点は7.5点。(比較的扱いやすい)
ブログ内ではフェイントAG【中】と同じ難易度の評点になると判断。


(フリースペース⑥)
フェイントAGのスポンジをほぼ削ぎ落として、OXに限りなく近い状態にした場合の繰り出される球質に関しての簡易データ。
回転発生成功率はまあまあ高め。
最大回転量はまあまあ高い。
変化の強さは8.5点。変化はほんの少し弱め。(同社のフェイントロング3【OX】やフェイントOXと同等くらいの変化となっている。)


(フリースペース⑦)
フェイントAG【中】の性能を深く知る為に、
スポンジをほぼ削ぎ落として、OXに限りなく近い状態にする検証も仕方なく敢行しましたが、
基本的には、スポンジの剥離や削ぎ落としは行うべきではないと思っております。
ラバーの性能を深く知る為にどうしてもスポンジの剥離や削ぎ落としを行いたいと思ったとしても、スポンジに手を加えたラバーはラバーの検証用以外の目的には用いない事を強く推奨。


(簡易まとめ)
バタフライ社から販売しているハイテンション粒高ラバー。
粒は少し硬めで小粒気味で粒は曲がりやすい。
シートのベースは0.4mm程となっており、粒高ラバーとしてはシートのベースが肉厚気味。
スポンジは柔らかめ。
全体硬度や打球感は少し柔らかめ。

粒高ラバーとしては弾みの強さは弾みすぎず弾まなすぎず中間くらい。飛距離の伸びの出やすさはやや出やすい基準。
テンション粒高としては弾みは強くないですがスポンジ部分へのめり込みの強さに比例して飛距離の伸びが変動すると思いますので、強いめり込みを発生させれば粒高ラバーとしてはやや飛距離を伸ばせない事もない。
しかし、弾み+飛距離の伸びのトータル量はテンション粒高としては控えめになりやすいと思います。
ですが、ボールの減速を効かせやすいのが特徴的で、スポンジ部分へのめり込みを抑えた時は、スポンジ部分へのめり込みを発生させた時と比べて大幅に減速が効いてくれますし、ボールの長短の調整もやりやすい。

球離れは少し遅めで球持ちも良いですし、
ボールの軌道のブレも少し生じにくく、ラバーの高弾道性もまあまあ強い。
中スポンジ入りの場合、ラバー総重量は中間重量付近ではあるものの、
薄以上のスポンジを用いる場合は総重量過多によるラケットの操作不良には一応注意が必要になるかもしれません。

変化は粒高ラバーとしてはほんの少し弱い。
(シート単体での変化は粒高ラバーとしてはほんの少し弱め。同社のフェイントロング3【OX】やフェイントOXと同等くらいの変化となっている。)

自分から回転を作る際の回転発生の成功率は中々高く、最大回転量は粒高ラバーとしてはかなり高めな為、安定した回転量を自分から作っていきやすい。

テンション粒高としては弾み+飛距離の伸びは控えめで、相手の回転の影響は粒高としては結構受けやすい面はあるものの、
使い手に優しい部分も多く、
ボールの減速は効かせやすく、ボールの軌道のブレも少し生じにくい為、
テンション粒高ラバーとしては扱いにくさは抑えられていると思いましたし、粒高ラバーとしても比較的扱いやすいと思えるラバーだと思いました。(シート単体での難易度も粒高ラバーとしては比較的扱いやすいと思える基準と定めている。)

弾み+飛距離の伸び自体はテンション粒高としては控えめだと思いましたが、
回転の作りやすさや、ボールの減速の効かせやすさや、比較的扱いやすいと思えるボールコントロール性能や、まあまあ強い高弾道性が印象的なラバーだと感じました。
しかし、薄以上のスポンジを用いる場合は総重量過多によるラケットの操作不良には一応注意が必要になるかもしれないとも思いました。