【YASAKA  ファントム0011 ∞】
〈粒高ラバー〉 
黒 極薄 (1.0mm)
サイズ 縦172.5mm×横174mm
パッケージ開封前 60.8g
全開封後 38.2g
カット後重量 27.6g (縦162mm×横160mm) 
※シェークラケットの寸法で、接着剤の重量は含まない。
重量比 0.722 (27.6g÷38.2g)

〈シート厚〉
ベース 0.25mm程
粒の高さ 1.7mm
(円柱部分 1.6mm程)
(台形部分 0.1mm程)
トータル 1.95mm程

〈スポンジ厚〉
1.0mm程

〈シート厚+スポンジ厚〉
1.95mm+1.0mm=2.95mm程


〈粒形状〉
粒の高さ 1.7mm
粒直径 1.8mm程
アスペクト比 0.944程
円柱+台形

〈粒間隔〉
縦 3.113mm程 
横 1.1mm程 
斜め 1.05mm程 
合計値 5.263mm程 (低い)

〈粒配列〉
横目

〈粒表面の布目〉
あり(荒め)

〈YASAKA公式の性能数値〉
スピード 6+
スピン 4
変化度 11
スポンジ硬度 40°〜45° (YASAKA基準)


(フリースペース①)
YASAKAから発売している
粒高ラバーのロングセラー
ファントムシリーズ。
"地球がゆれてみえる"
という
ファントム効果を一言で表した名言の通りに、変化量やボールの揺れを売りにしている。
0011∞のシートは粒が高くて太めなのが特徴。スポンジはやや硬めのスポンジを組み合わせたとの事。
昔は粒の高さが1.8mmと表記されていて、2017年のカタログでも1.8mmの表記でしたが、
2018年のカタログでは1.7mmに表記が変更されている。
粒間隔の合計値は低く、粒間隔は狭い。

(粒直径は公式の数値だと1.6mmとなっておりますが、検証に使用した個体は粒直径が1.8mm程あるように見えましたので、ブログ内の数値では粒直径は1.8mm程と表記。)


①シート硬度及び粒硬度 6.5 (やや硬め)
ゴム質の硬さはやや硬めくらいだと思いました。

②スポンジ硬度 6.5 (やや硬め)
YASAKA公式の硬度表記では40°〜45°
TSP基準日本硬度換算だと41°〜43°くらいに感じる。説明文の通り、硬度はやや硬め。
気泡なし。クリームスポンジ。

③シート+スポンジ硬度 6.5 (やや硬め)
極薄(1.0mm)のスポンジ入りでの測定。
シートとスポンジは共に硬めな為か、全体硬度や打球感もやや硬めに。

④粒の曲がりやすさ 4 (少し曲がりにくい)
粒硬度がやや硬めかつ、粒高としては太めな粒は少し曲がりにくい印象だった為、4点に。

シート+スポンジ重量 3.5 (やや軽め)
極薄(1.0mm)のスポンジ入りでの測定。
ブログ内の基準ではやや軽めな数値が出る。

⑥難易度 7 (扱いやすい)
このラバーの特徴としては
◆シート硬度及び粒硬度はやや硬め。
◆スポンジ硬度はやや硬め。
◆弾みは日本の粒高としては弾みすぎず弾まなすぎず中間くらいですが、飛距離の伸びは少し出やすい。
◆ボールの減速はまずまず効いてくれる。
◆弾道はまあまあ弧線弾道になりやすく。弧線もまあまあ作りやすい。
◆ボールの軌道のブレはやや生じにくい。
◆球離れは少し早め。
◆打球感はやや硬め。
◆ボールの引っかかりが良く、ボールの不可解な滑りが発生しやすいタイプではない。
【回転影響の受けにくさ 5.5】粒高としては相手の回転の影響を受けやすい。
◆ラバー総重量はやや軽め。

等の特徴があると思います。


弾みの強さは粒高の中では中間クラスくらい。飛距離の伸びは少し出やすくはありますが、ボールの減速はまずまず効いてくれる。

スポンジ入りでも打球感はやや硬めで、球離れは少し早めですが、球持ちはそこまで悪くはなく、ボール設置時間もある程度確保出来るようになっている。
あとは、極薄スポンジ入りだと、OX時よりも更に高弾道性が向上し、まあまあ強い高弾道性も確保出来る。
また、1.0mm(極薄)のスポンジを組み合わせてもラバーの総重量はやや軽めで収まりやすい。

粒高ラバーとしては相手の回転の影響を受けやすい面はあるものの、
ボールの軌道のブレはやや生じにくく、ボールの長短の調整をしやすい為、ボールコントロールは粒高としては優秀ですし、高弾道性もまあまあ強い。
OXの時と同様、
粒高ラバーとしては扱いやすいラバーであると思いましたので、難易度の評点はファントム0012∞と同じ評点の7点を付ける事にしました。


(フリースペース②)
キレや変化量に関しては
粒を深く曲げたり、やや硬めの粒表面を活かしてボールを切っていく事が出来れば、
自分から回転を作りながら粒の復元力もプラスして切っていく事が出来る。
自分から回転を作る際の回転発生の成功率は中々高めで、
最大回転量は粒高ラバーとしてはとても高めとは思いますが、
ラバー全体を深く引きつらすのは容易ではなく、上手くスピンを作る手腕がないと最大回転量の高さを活かしきれない為、強いインパクトやヘッドスピードの早さがないと、強い回転を作るのはやりにくい。自分から繰り出す球質の回転量の強さを意識する場合は注意。

【変化の強さ 5】
ただボールを当てるだけだと相手の回転は残りにくく、ナックル気味の球質になりやすいと思います。
勝手に強いスピン反転をするような変化が起きやすいタイプではなく、
変化は粒高ラバーとしては弱い。


(簡易まとめ)
粒の高さが1.7mm程で、粒硬度はやや硬めで、粒も太めなシートに、やや硬めの1.0mmのスポンジを組み合わせた粒高ラバー。

打球感はやや硬めで
スポンジ入りの場合は粒高としては相手の回転の影響を受けやすい面はありますが、回転影響以外の面に関しては、ボールコントロールにおいて使い手に優しく、ボールの軌道と長短のコントロールはどちらも優れておりますし、ラバーの高弾道性もまあまあ強い。ラバーの総重量もやや軽めで収まりやすい。
その為、
日本のスポンジ入りの粒高の中でもボールコントロールに優れて扱いやすい、とても優秀な粒高ラバーだと思いました。

自分から回転を作る際の回転発生の成功率は中々高めで、
最大回転量は粒高ラバーとしてはとても高めとは思いますが、
強いキレを生み出すのは容易ではない面がある為、インパクトの強さや技術が足りないと、最大回転量の高さを活かしきれない。
自分から繰り出す球質の回転量の強さを意識する場合は注意。
変化は粒高ラバーとしては弱い。

ラバーのキレや幻惑効果を引き出すには、自身のパワーや技術も必要になりますが、
ボールコントロールがとても優れているラバーだと思いましたし、最大回転量は粒高ラバーとしては特に高い為、自分からキレを上乗せ出来れば、防御能力の高さと粒高効果に加え、相手に圧力をかけれる見込みも十分。

やや硬めのシート+やや硬めのスポンジの組み合わせのラバーとしても、生涯を通して末長く使っていける程の防御能力の高さを備えている点は大きく、プロ選手は勿論、粒高初心者でも安心して使える程、最大回転量の高さボールコントロール性能がスポンジ入りの粒高ラバーの中でも特に優れており、使い手のレベル帯を問わず使用出来る見込みがある。

自身の実力の向上と共にラバーの性能の伸び代を引き出しに行ける見込みのあるラバーであるとも思いましたし、やや硬めの1.0mmのスポンジを組み合わせているにも関わらず、とても高めの最大回転量を確保出来ている。
最大回転量の高さはスポンジ入りの粒高ラバーの中でもトップクラスだと思いました。