【STIGA クリッパ】
〈表ソフトラバー〉
赤 中 (1.5mm)
サイズ 縦170.5mm×横170.5mm 
パッケージ開封前 69.6g
全開封後 47.3g
カット後重量 35.3g(縦163mm×横160mm) 
※シェークラケットの寸法で、接着剤の重量は含まない。
重量比 0.746 (35.3g÷47.3g)

〈シート厚〉
ベース 0.6mm程
粒の高さ 1.0mm程
(円柱部分 0.25mm程)
(台形部分 0.75mm程)
トータル 1.6mm程

〈スポンジ厚〉
1.5mm程

〈シート+スポンジ厚〉
1.6mm+1.5mm=3.1mm程

〈粒形状〉
粒の高さ 1.0mm程
粒直径 2.0mm程
アスペクト比 0.5程
円柱+台形(台形部分広め)

〈粒間隔〉
縦 1.135mm程
横 3.321mm程
斜め 1.092mm程
合計値 5.548mm程 (やや低い)

〈粒配列〉
縦目

〈粒表面の布目〉
あり

〈STIGA公式の性能数値〉
スピード 107
スピン 110
コントロール 126
スポンジ硬度 
最新表記 45±3
旧表記① ミディアム
旧表記② 35°〜40° 


(フリースペース①)
STIGAから販売している、
劉国梁が開発に携わり、使用していたと言われている日本製の表ソフトラバー。
ドライブからスマッシュ攻撃を得意とする選手にオススメとの事。
攻撃力だけでなく、コントロールの高さも売りにしている。
日本製のショートピンプルの表ソフトラバーの中でも粒はそこまで硬くはなく、スポンジも中間硬度。
粒は低く、シートのベースが厚い。
粒形状は円柱+台形ですが、台形部分のほうが広めの形状。
粒配列は縦目。
粒間隔の合計値はやや低く、粒間隔は結構狭め。


①シート硬度及び粒硬度 7 (やや硬め)
粒硬度はやや硬めではあるものの、日本製のショートピンプルの表ソフトの中ではそこまで硬くはないくらいの硬度だと思いました。

②スポンジ硬度 5 (中間硬度)
最新のSTIGAの公式表記では
スポンジ硬度45±3
TSP基準日本硬度の換算では35°付近に感じる硬度。
気泡なし。イエロー+オレンジスポンジ。
スポンジ硬度の表記がやや不安定だったりするラバーですが、2019年度の新たな基準では45±3と表記されるようになりました。

③シート+スポンジ硬度  6 (少し硬め)
中(1.5mm)のスポンジでの測定。
スポンジ硬度は中間硬度くらいですが
粒はやや硬めな影響が働く為か、全体硬度や打球感は少し硬めになると思いましたので、評点は6点にしました。

④粒の曲がりやすさ 2.5 (やや曲がりにくい)
粒のゴム質はショートピンプルの表ソフトラバーの中ではそこまで硬すぎないものの、粒の根元の台形部分の範囲が広く、粒直径も大きく、粒間隔も結構狭めな影響か、粒はやや曲がりにくいかなと思いました。
もしかしたら粒の根元付近の部分やスポンジの部分のほうが粒の部分よりも稼働しやすいかもしれません。

⑤シート+スポンジ重量 5 (中間重量)
1.5mm(中)のスポンジでの測定。
重すぎず軽すぎず、重量的には中間重量だと思います。

⑥難易度 7.5 (比較的扱いやすい)
このラバーの特徴としては
◆シート処方はやや硬め。
◆スポンジ部分は中間硬度付近。
◆全体硬度や打球感は少し硬め。
◆粒間隔は結構狭め。
◆弾みはショートピンプルの表ソフトとしてはやや強めで飛距離の伸びもやや出やすい。
◆ボールの減速は効きやす過ぎず効きにく過ぎず。
◆弾道は結構弧線弾道になりやすく、弧線は作りやすい。
◆ボールの軌道のブレはやや生じにくい。
◆球離れは少し早め。
◆ボールの引っかかりが良く、ボールの不可解な滑り落ちが発生しやすいタイプではない。
【防御特性 0】表ソフトラバーとしては、相手の回転の影響は受けやす過ぎず受けにく過ぎず。

等の特徴があると思います。


ショートピンプルの表ソフトとしては弾みの強さや距離の伸びの出やすさはやや強め。ボールの軌道のブレはやや生じにくい。
打球感は少し硬め。

球離れが少し早めな面はあるものの、
ボールの軌道の調整をする為のボール接地時間の猶予は確保出来る構造にはなっておりますし、ボールの軌道のコントロールは良好で、ボールの長短も極端な難しさがあるわけではない。
また、弾道は結構弧線弾道になりやすく、高弾道性の強さも結構強い。

ショートピンプルの表ソフトラバーとしてはコントロール性能の高さと高弾道性に優れており、ラバー全体で見ても比較的扱いやすいラバーだと思いましたので、
難易度の評点は7.5点にしました。


(フリースペース②)
ボールの球質や変化に関しては
【変化の強さ 7】
ただボールを当てるだけだと相手の回転は少し残りにくく、少しナックル気味の球質になりやすいと思います。
勝手に強いスピン反転をするような変化が起きやすいタイプではなく、
変化は表ソフトラバーとしてはほんの少し弱め。

自分から回転を作る際の回転発生成功率の高さはまあまあ高い。
最大回転量の高さはショートピンプルの表ソフトとしてはやや高めで、スピード系表ソフトの粒形状のラバーとしては最大回転量の高さに優れる。

最大回転量はショートピンプルの表ソフトラバーとしても少し高めですし、

また、ボールの切る切らないの違いを出すにはインパクトの工夫が必要になるとは思いますが、
自分から回転を作る際の回転発生の成功率はまあまあ高く、自分から回転を作りやすい為、軽く回転をかけようとしただけでも自分から作った回転がボールに乗りやすい。


(簡易まとめ)
粒は低くて、粒硬度はやや硬め。
シートのベースは分厚く、スポンジ硬度は中間硬度付近。
全体硬度はショートピンプルの表ソフトラバーとしては少し硬め。
球離れも少し早めではありますが、ボールのコントロールが難しくなるような球持ちの悪さにはなっておらず、ボール接地時間の猶予は残るようにはなっておりますし、シート自体のボールの軌道のコントロールは良好。また、高弾道性も結構強い。

弾みの強さや飛距離の伸びの出やすさはショートピンプルの表ソフトラバーとしてはやや強めですが、ボールの長短の調整も極端な難しさがあるわけではない。

最大回転量の高さはショートピンプルの表ソフトラバーの中では少し高く、自分から回転を作る際の回転発生成功率はまあまあ高い。

表ソフトラバーとしては
やや強めのスピードや、少し高い最大回転量を出せるラバーではありますが、特にボールの軌道のコントロールの良さが優秀。
ボールコントロールのやりやすさに優れながらも、スピードとスピンも確保出来る見込みのある、比較的扱いやすい表ソフトラバーだと思いました。
クリッパは
プロ選手は勿論、表ソフト初心者でも安心して使える程、ボールコントロール性能が優れており、使い手のレベル帯を問わず使用出来る見込みがありますし、スピード系の粒形状の表ソフトラバーとしては、ラバーの高弾道性の強さやボールの軌道のコントロール性能の良さや最大回転量の高さも特に光る。

ショートピンプルの表ソフトラバーとしても、上位クラス〜上限クラスに入る程の能力を備えている力作と評価出来ると思いましたので、廃番になってしまったのはショートピンプルの表ソフトのカテゴリにとって大きな損失となってしまっていると位置付け。
廃番になってしまった事が非常に悔やまれる一品として評価する基準に達するラバーとなっている。