3話  曖昧なベストマッチ


2019年 12月6日



あれから一体どれくらい逃げただろうか。1週間?1ヶ月?時間が分からなくなるくらいだ。
「何で私までこんな目に...」
この人は張刑事。中国人ハーフの女性刑事。どうやら俺を最上魁星のことで連行しようとしている。全く身に覚えがない。
「あのときあのままだったらどうしようもなかったですよ。それより最上のこと、僕にも教えて欲しいんですけど。」
彼女は怒っていた。
「捜査上のことは部外者には教えられません。それに最上氏殺害の容疑者には余計にです!」
「嘘!?俺が容疑者だって!?最悪だ...。」
財団Xに狙われた上に殺人犯かよ。万丈より状況悪いじゃない。
「最悪なのは私です!容疑者と共に逃亡したことになってるはずです」
それもそうか。彼女はここで解放してあげた方がいいかもしれない。いや、でも彼女も財団Xに狙われないという保証はない。とにかく今は追っ手から逃げることだけ考えないと。


「最上のことやっとわかったよ」
紗羽さんがなんかとんでもない資料を持ってきた。
「最上はやっぱり平行世界のことをずっと研究してたみたい。政府の研究所からも難波重工からも解雇されてマッドサイエンティストとして扱われてた。」
前と全然変わらねぇじゃねえか。
「それより今は戦兔だろ!どうにかしねえと!!」
「落ち着けよ。」
カズミンが口を挟む。
「あいつが狙われたってことはこの最上を殺したのは財団Xだ。その罪を戦兔に着せようとしてるんだ。まずは戦兔の無実から証明しないと。」
俺の時は全然信じてくれなかったのに。
「彼らのことをもっと詳しく知る方法はないのか?」
幻さんが口を開いた瞬間にガレージが開いた。
「内海...!」
「お久しぶりです。」
手に何か持ってるぞ。
「彼らのことはこのUSBに」
それは葛城巧の研究データ!!
「そいつを調べたらわかるのか!?」
「確証はないが何かしら手掛かりは掴めるだろう。」
それなら俺たちは戦兔を探すしかねえ!!!


「やっと帰って来たっていうのに騒がしいねぇ」
俺の前に現れたのはこの世で一番会いたくないやつだった。
「エボルト...」
「今度はお前が指名手配か!!はっはっはっは!傑作だな!戦兔!」
こいつわざわざからかいにやって来たのか。人を煽ることはこいつの専売特許だ。
「何しにきた。」
「まあ、そう睨むなって。俺も宇宙の神様とかいうやつの怒りを買っちまってな。しばらくここでひっそり生きて行こうと思ってたんだが、財団Xとやらがとんでもないことしでかそうとしててな。」
こいつ。いくつ星を狩れば気が済むんだ。待てよ?神様?どこかで聞いたような。
「聞いてるのか戦兔!」
エボルトの怒号が響く。何で俺がこいつに怒られなきゃいけないんだ。
「お前が財団Xと一緒に行って貰っちゃ困るんだよ」
そんなことはお前に言われなくてもわかってる。そんなこというために俺の前に現れたのか、こいつは。
「桐生戦兔みーっけ。」
あいつはまた違うやつか?しかもあれは犀型ペットロボ。
「Crack!Crack!Crackサイ!」
変身した...また兵器として利用する気だ。
「渡すわけには行かないんだよな。」
「エボルト...」
「早く行け、戦兔。こいつだけでも足止めしてやる」
仮面ライダークラークは不適な笑みをこぼしていた。
「かつての敵と組むほど俺たちと一緒にいきたくないわけね。でも最上も言ってたけど、平和になったこの世界で誰がお前の頭脳を必要としてくれるわけ?」
な...。
「戦争の間、お前は自分の研究が兵器として使われ役に立ってた。でも戦争が終わればどうだった?民衆から追われ、発明は売れず、ギリギリの生活をしてたんじゃないのか?」
張刑事が不安そうに俺を見てる。確かにそうだ。みんなの記憶が戻らなければ、今頃どうなっていたかわからない。
「でも...それが全てじゃない、」
「全てだよ。お前の頭脳と研究は兵器よって存在し、戦争で価値を高める。」
「聞くな!!!戦兔!!!」
「分かってるはずだよ。桐生戦兔。万丈と違ってお前にはこの世界に居場所はないんだよ!!!」
その言葉を聞いたエボルトは激昂し、クラークに殴りかかった。
「早く訂正して貰おうか。」
「おいおい。一番兵器利用してたやつが何をいうかね」
「俺はこいつを利用したことはあっても尊厳は貶したことはなくてね」
よくいうよ。偽りのヒーローとか言ったくせに。
「早く行け!!」
逃げるしかない!張刑事も今さらほっとけない!
「お前とは疲れるから戦いたくないんだけどね」

「行き先は決まってますよ、桐生戦兔。」
また新しいやつか...
「あなたの研究が人を命を救うのですから。」
俺の発明が人を救う...?

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