SAO二次創作                         


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 第三話 現実逃避



ラスティ「はぁっ! やぁっ! ――わっ!」

ユリウス「……少し休め」

ノエル「ラスティ、大丈夫!?

ラスティ「いてて……大丈夫だよ。ユリウスさんが手加減してくれてるから」

ノエル「はぁあ……謙虚なラスティもス・テ・キ」

ラスティ「えぇっ!? もーう、どうしてそうなるのさ……。それより、稽古ありがとうございます、ユリウスさん。ユリウスさんはやっぱり頼りになりますね。僕、ユリウスさんに剣術を教えてもらって光栄です」

ユリウス「……私には人に剣術を教える資格などない……今日の稽古は終わりだ」

ラスティ「あ、ユリウスさん! ……資格がないってどういうことだろう? あんなに教えるのが上手なのに」

シルヴィオ「つるむのは好きじゃないんでないの~?」

ノエル「私も、少しその気持ちがわかるな。ゲームオーバーになって誰も戻ってきてくれなかったとき、あの時はまだ死んじゃってたなんて知らなかったから悲しくて、もう仲間なんて作らないようにしようって思ったから」

ラスティ「ユリウスさんにもそんなことがあったのかな?」

ノエル「でも、手伝ってくれてるよね」

ラスティ「うん。ダンジョンも三十個はクリアしたし、ユリウスさんのお陰だね」

ノエル「ラスティの的確な指示のお陰でもあるけどね」

シルヴィオ「えっ俺は俺は!?

ロレッタ「装備買って来たロレー!」

ノエル「エミリア! ロレッタ! おかえりー!」

エミリア「遅くなってごめんなさい、です――きゃっ!」

ベリル「へへーん、いただき~」

ロレッタ「装備が盗られたロレ!」

ラスティ「みんな、追いかけよう!」

ノエル&シルヴィオ「うん!(おう!)」



ノエル「み、見失っちゃったね……」

ラスティ「う、うん……素早さのスキルばかりを上げてるんんだと思うよ」

ユリウス「それだけではないな。土地勘もあったようだし、この町の者だろう」

シルヴィオ「そんじゃ、しらみつぶしに探せば見つかるんでないの?」

エミリア「ごめんなさい、です……」

ラスティ「エミリアのせいじゃないよ。それじゃあ、手分けして探してみましょう!」



ラスティ「この町、そんなに広くないから、すぐに見つかるはずなんだけどな……」

子供1&子供2「きゃははははは!(あははははは!)」

ラスティ「あれ、子供の声が聞こえる……このマンホールの下から?」

ラスティ「よいしょ……っと、うわぁ、人が沢山……」

ベリル「あっれ~!? アンタこんなとこまで追いかけてきたの!?

子供1「ベリルお姉ちゃん、この人だーれ?」

ラスティ「追いかけてきたの? じゃありません! 装備を返してください!」

ベリル「そういうわけには行かないんだよね~。だってほら、この子達養わなきゃならないし」

ラスティ「ダンジョンに行くでもないし、地上で普通に暮らしてるでもないし……ここにはどんな人たちが集まってるの?」

ベリル「そりゃあ、ダンジョンに行かないことで責められた人たちが隠れ住んでる集合住宅みたいなもんよ。レベルの低い人達をレベルの高い人たちがカバーする。そうじゃなきゃ生きていけないんだもの。だからああやって盗みを働いてるの」

ノエル「ラスティ!」

ラスティ「ノエル! みんなも!」

ラスティ「ねぇ、どうしてダンジョンに行かないの? 少しずつでもレベルを上げて、ゲームをクリアすれば現実に戻れて、こんな生活しなくて済むのに」

ベリル「現実なんて戻りたくない!」

ラスティ「ど、どうして」

ベリル「現実に戻るくらいならここで貧しい暮らしをしていた方がマシ! ……これ、装備返すから、もう行って」

ラスティ「えっでも……」

ベリル「みんながみんな、現実に戻りたいなんて思わない方がいいよ、ラスティ」



ノエル「装備は全部返してもらったけど……」

ラスティ「……うん。現実に戻りたくないってどういうことだろう?」

ノエル「うん。どれだけ現実が嫌でも、こんな危険な世界にいたら、戻りたいって思うのが普通なのにね」

シルヴィオ「……現実にうんざりしてるやつなんか沢山いるだろ」

ラスティ「え?」

シルヴィオ「……ま、こっちの世界の方が女の子とうはうはできるから、こっちの方が俺は好きだって話だよ」

ノエル「本っ当、シルヴィオって品がないよね」

エミリア「不潔、です……」

ロレッタ「へらへらしてるロレ~」

シルヴィオ「人形は黙ってろっての!」

ユリウス「それより町でこんな噂を聞いたぞ。地下水道が魔物の生息するダンジョンと繋がっているらしい。町はバグでも起きない限り安全地帯だが、最近魔物が生息域を広げたから、地下水道も危ない、と」

ノエル「本当ですか!?

ラスティ「……僕、もう一度あの子に会ってきます。このことを知らないはずだから、伝えてこないと」

ノエル「あっ、ラスティ!」



ラスティ「あの! えっと……」

ベリル「あれ、ラスティ……だっけ。どうしたの、そんなに慌てて」

ラスティ「その……ごほっ、げほっ!」

ベリル「まぁ落ち着いて。アタシはベリル」

ラスティ「ベリル、さん」

ベリル「さんなんていらないって!」

ラスティ「あの、ベリル。この地下水道、魔物が来るかもしれないんだ」

ベリル「魔物? それってどういうこと?」



ベリル「上ではそんな話になってたんだ……ここも町の一角だから安全地帯かと思ってた。てか、急に魔物の生息域が広がるなんておかしくない!?

ラスティ「バグ……ですかね」

ベリル「本当このゲームバグばっかだよね! あ~も~……よし。ここのみんなに伝えてくる。いくら元の世界に戻りたくないとはいいえ、死んだら元も子もないからね」

子供1「わぁあああああ!」

ラスティ「! 今のは!」

ベリル「まさか……」

ラスティ「あ、待って! ベリル!」



ベリル「みんな!」

子供2「ベリルお姉ちゃぁああん! 助けてぇえええ!」

子供1「痛いよぉおおお!」

ラスティ「魔物がこんなに……!」

ベリル「みんな! そんな……消えないで!」

子供2「ベリルお姉ちゃぁあああん!」

子供1「わぁあああああ!」

ベリル「あぁ……あぁ!」

ラスティ「ベリル危ない! 天光(てんこう)剣!」

ノエル「ユニットドライブ!」

ラスティ「みんな!」

ユリウス「裂斬(れつざん)(けん)!」

エミリア「ロレッタ!」

ロレッタ「ロレッタアターック!」

シルヴィオ「爆流(ばくりゅう)(けん)!」



ラスティ「……魔物はみんな追い払ったみたいだね……ベリル」

ベリル「……許せない……これがバグ? 会社は何をやっているの……?」

ラスティ「……ベリル……」

ベリル「アタシ、みんなに着いて行く。ゲームをクリアして会社を直接訴えてやる! 許さない……許さないんだからぁ! うあぁあああああ!」