秋以降の新型インフルエンザの本格的な流行に備え、政府は24日、不足するワクチンを輸入する方針を固めた。国産と製造方法が異なる海外ワクチンの緊急輸入については専門家から「安全性を担保できない」との異論も出ている。世界的なワクチンの品薄状態の中、日本が大量輸入すれば、「買い占め」と受け取られかねない側面もあり、課題は山積している。
新型用ワクチンについて、政府はワクチンの必要量を5300万人分と見積もり、製造が追いつかない約2000万人分を輸入したい考えだ。
ワクチンを含め薬剤を海外から輸入する場合、薬事法は国内で安全性などを確認する臨床試験(治験)を実施することを製薬会社に義務付けている。通常、治験には5年程度かかるケースが多いが、今回のような緊急時には、海外で承認された薬剤を国内でも認める特例承認の適用が可能だ。
ただ、海外の新型用のワクチンは免疫力を強める製剤を加えるなど国内ワクチンと製造方法が異なり、安全面から輸入に慎重な姿勢を示す専門家も多い。
大阪市立大医学研究科の広田良夫教授(公衆衛生学)は「摂取から10~20日後に神経症状などが出てくる可能性もある」と注意を促す。
国立感染症研究所感染症情報センターの岡部信彦センター長も「海外で使われているからといって、そのまますぐに日本でも承認したのでは安全性は担保されない。少数でもいいから日本人でも調査を行うべきだ」と指摘する。
政府は輸入に向け欧米の製薬会社との交渉に入っている。しかし、製薬会社は輸入したワクチンで副作用が起きても、責任を取らないことなどを契約の条件に挙げているという。厳しい条件提示の背景には、世界的なワクチンの品薄状態があるとみられる。
また、医療体制の整った日本が大量輸入すれば、「途上国向けの調達に影響を与える」などと国際的に非難される可能性もある。
国の対策本部の専門家諮問委員会委員長を務める自治医科大の尾身茂教授は「輸入したワクチンの一部を途上国に寄付すれば、国内分を確保しながら途上国にも届けることができる。海外の製薬会社などは途上国へのワクチンの寄付を表明しており、日本もそうした配慮をする必要がある」と指摘している。
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新型用ワクチンについて、政府はワクチンの必要量を5300万人分と見積もり、製造が追いつかない約2000万人分を輸入したい考えだ。
ワクチンを含め薬剤を海外から輸入する場合、薬事法は国内で安全性などを確認する臨床試験(治験)を実施することを製薬会社に義務付けている。通常、治験には5年程度かかるケースが多いが、今回のような緊急時には、海外で承認された薬剤を国内でも認める特例承認の適用が可能だ。
ただ、海外の新型用のワクチンは免疫力を強める製剤を加えるなど国内ワクチンと製造方法が異なり、安全面から輸入に慎重な姿勢を示す専門家も多い。
大阪市立大医学研究科の広田良夫教授(公衆衛生学)は「摂取から10~20日後に神経症状などが出てくる可能性もある」と注意を促す。
国立感染症研究所感染症情報センターの岡部信彦センター長も「海外で使われているからといって、そのまますぐに日本でも承認したのでは安全性は担保されない。少数でもいいから日本人でも調査を行うべきだ」と指摘する。
政府は輸入に向け欧米の製薬会社との交渉に入っている。しかし、製薬会社は輸入したワクチンで副作用が起きても、責任を取らないことなどを契約の条件に挙げているという。厳しい条件提示の背景には、世界的なワクチンの品薄状態があるとみられる。
また、医療体制の整った日本が大量輸入すれば、「途上国向けの調達に影響を与える」などと国際的に非難される可能性もある。
国の対策本部の専門家諮問委員会委員長を務める自治医科大の尾身茂教授は「輸入したワクチンの一部を途上国に寄付すれば、国内分を確保しながら途上国にも届けることができる。海外の製薬会社などは途上国へのワクチンの寄付を表明しており、日本もそうした配慮をする必要がある」と指摘している。
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