思春期の頃、僕は親父が大嫌いだった。
大人になった今でもあまり好きではない。
こんなふうになりたくないって思ってた。

うちは自営業で決して裕福とは言えない家庭だった。
欲しいものあってもなかなか買ってもらえることはなかった。
親父は大して必要のないものを自分で買って来てたけど。
母親が苦労してたのわかってたから口には出さなかったけど、もっと裕福な家庭に生まれたかったと何度も思った。
それは全部親父のせいだと思ってた。

思い通りにならなけらば拗ねて機嫌が悪くなり僕たちに当たる。
いつも自分が中心でないと気に入らない。
自分が気に入らない人間は悪だとでもいうような酷いことを言う。
そんな極端な親父が大嫌いだった。

でも、僕も歳を重ねていろんな経験をしてきて、親父のこと少し理解出来るようになってきた。

親父は本当は根は優しい人。
だけど、ちょっと感情表現が下手なんだって。
口うるさいこと言うのは相手を本気で思うから。
ただ、育ってきた環境が親父を不器用にした。
父方の祖父母は身内の僕が見ても非常識な人だった。
誰の前ででも人の悪口を平気で言うような人だった。それが身内のことでも。僕の前で親父や母親の悪口を平気で言う人達だった。
だから親父があんな不器用になってしまっても仕方ない気がする。


ある日母親がこんなこと言った。

「あんたとお父さんが一緒だと同じようなんが二人に増えるけぇしんどいわ」

歳をとって自分でも薄々感じてたかど、やっぱ僕も親父に似てきてる。
すぐに感情を表に出すところ。
言い方がキツイところ。
そして相手を想う気持ちを表現するのが下手なところも。

どうしたら上手くできるのかなっていつも思ってた。
でも最近ちょっとだけわかってきたような気がする。
まだまだなんだけど、相手を想う気持ちをどう表すか、それを自分なりに相手の気持ちも考えて動けるようになったし、動こうと心掛けるようになった。
大切な人がいるってことは人を成長させる。

祖父の命日にそう実感した。
毎日がイメトレ中

君と過ごす未来のイメトレ中
「いつまでも好きでいる自信ない」

なんて言ってた僕


今でもあなたが大好きでいます

これからもあなたを大好きでいます