岩男潤子 「colors」

4年ぶりのオリジナルアルバムです 。

ジャケットからして今までの作品とは印象が違いますが新しいカラーを見つけていく、見出していく挑戦的な意欲溢れる作品です。

岩男潤子作品の中でも特に好きなアルバムになりました。

パワフル アップテンポな曲が多いというところからアルバム「alive」と似た印象を持ちました、
そちらも岩男潤子作品の中では異色のイメージがありますが私は大好きなアルバムです。


もし今までの曲を聴いたことのない方は、このアルバムで岩男潤子さんを知っても全く問題ないですが、

過去の作品を聞いて見てイメージを持ちそれが壊れる衝撃を味わうのも面白いと思います。

事前の知識としては前作の「voice」などがおススメです。

 

 

01.naturally
イントロでビックリしました 想像してたよりもはるかに躍動感にあふれた曲でした
 いやがおうにもこの先の曲への期待が膨らみます
「1年先を変えてみせる」という歌詞に力強い意思を感じます
しかし、度肝を抜かれたのは「半世紀近く 生きているはずなのに」という歌詞
女性が自分の年齢に言及するのは勇気がいることだと思います
決して若いとは言えない年齢ならなおさら
作詞の米倉さんは潤子さんの2,3歳年下ということで年も近く同じような思いを抱いているのでしょう
二人の それなりに長く生きていてもなかなか上手くないこともありまだまだもがいている
それでもこれからも輝くために頑張っていくんだ という気概が十分に感じられます

 

 

02.Delight
一転して落ち着いた曲調
声に加工が入っていて ボーカロイドやその曲を歌う歌い手を思わせました。

(たとえられるのがボカロしかなくてスイマセン)
この曲は合間にセリフが一言、二言入るのだが「ごめんなさいっ 無理です!」が好き
普段から言いたいと思っているがなかなか言えないセリフの象徴 どこか可愛らしさもあるのがいい。

 

 

03.Bitter
電子音というのか普通の楽器とはちょっと違った音が目立つ曲
Delightは声がボカロっぽかったがこっちは音がボカロ曲っぽく感じました
囁くというかどことなく吐息めいた歌い方からサビに向かって伸びのある声へと変化を楽しめる曲です。

 

 

04.Chocolate
跳ねるようなピアノのイントロ 大人っぽい印象も受けます

使っている楽器の音色からか冬やクリスマスをイメージしました

失恋した友達を励ます曲

失恋時に髪を切るというのはよく聞きますが「綺麗な髪は長いままで」傷が癒えるのを待ってもいいよね
レコーディングの中で一番苦労した曲とのこと
得意な曲調と思い2,3回歌えばOKかなと思っていたそうだがそんなことなかったw

 

 

05.mermaid
このアルバム最大のインパクト
おそらく岩男潤子の楽曲最大のインパクトと言ってもいいかもしれないコンサートで聞いた時から虜になっています

ニコ生で初めてアルバム発売が発表され曲名を聞いたときに想像したのは「return to myself」 のような曲でした
歌詞に 「人魚のように生きていくわ」 と入っているからです
そして何となくピンク色 おそらくサンゴのようなものも想像しました

ところがふたを開けてみれば重く暗く激しくそして凄くかっこいい曲でした
抑えたボーカルの入りから激しいギターそしてドラムメタルというのでしょうか サビの途中から入るバスドラのドコドコがたまらない
低い声のコーラスもかっこいいです

 

潤子さんの歌う曲はどちらかというと落ち着いている曲が多いです
コンサートでずいぶんカッコイイアレンジに変わっている曲もありますが、
アルバムの中に入っているバージョンで疾走感ある激しい曲は皆無と言っていいのではないでしょうか
もちろん 明るい曲 可愛い曲 切ない曲 どれも大好きなのですが どこかでもうちょっと激しめな曲も欲してました
しかし、潤子さんらしくない とか 喉への負担が増えるだろうな とか いろいろ理由を考え期待しながらも諦めていた

“激しくかっこいい曲が聴きたい” という希望が120%叶えられた 自分にとって、とてもとても嬉しい曲です

 

 

06.Dear my friend
入りはドラムやギターで少し重たさを感じさせましたが
ふっと軽やかになり歌が入るころには明るく爽やかな感じに
「ナミダ」という言葉が何度も出てきているところから
壁にぶつかって苦しんでいる遠くの「友達」を励ます歌でしょうか
作詞のマイクスギヤマさんとは何度もメールでやり取りしたり電話して歌詞を話し合ったそうです
歌詞って来たものをそのまま歌ってわけじゃないんですねぇ

 

しかし、「voice」では一番明るく爽やかな感じの曲が「Dear my friend」を作られたお二人による「声のツバサ」だったように思うのですが、

今作ではもっと明るく元気な曲を提供してもらったように思います。
そして他の曲はさらに明るかったり 激しかったりとパワフルな曲や 今までにないサウンドを聞かせてくれてる感じがします。
今までとは一味も二味も違う岩男潤子を楽しませてもらえる作品だと改めて感じました。