一般用語にはなるべくカタカナでない訳語を当て、専門用語
や新たに発生した用語で、適切な訳語が見当たらないか、訳す
と意味がずれて不都合な場合だけにカタカナを使うようにする
ことが大切です。しかしこのような判断は、翻訳する文書の用
途や時代の推移によって揺れ動くのが問題です。
 たとえば、オンラインのチャットなどで、自分の分身として
画面上に登場させるキャラクターを意味する avatar(「化身」
または「アバター」)は、時代の変化の境目に現れ、翻訳者を
まごつかせる用語だといえます。いずれは知れ渡ってフツーの
用語になるはずですが、今のところ、カタカナの「アバター」
は一般にはなじみが薄く、ゲーマーの間でしか通用しません。

 カタカナ以外に適切な訳語が見当たらないのが solution で
す。本来は「解」や「解決策」という意味ですが、業界言葉と
しては、例題や自習問題にあるように、ニーズに対応するため
のシステム製品やプログラム製品、またはそれを設計・実装す
ることなど、さまざまな意味で使われます。

次回は例文を使ったレクチャーを行います。


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