大学生を中心とした「卒業旅行」商戦が過熱している。大手旅行各社は、卒業旅行向け商品の発売時期を前倒ししたり、1日あたり1万円換算の欧州ツアーなど、通常のパッケージツアーよりもさらに割安な商品を企画。若者の旅行離れが進むなか、「採算度外視」の大サービス価格を打ち出し、将来の「顧客予備軍」を懸命に囲い込もうとしている。
≪採算度外視≫
各社が学生旅行の囲い込みに力を注ぐ背景には、若年層の旅行市場が年々、縮小している現状に対する危機感がある。
日本旅行業協会の調べでは、海外旅行者数に占める20代の割合は、平成7年の27・7%から17年には17・7%へと10年間で10ポイントも低下。「バックパッカーなど学生の長期旅行者は激減しており、若年層の旅行離れが著しい」(同協会)状況だ。将来の「顧客予備軍」ともいうべき学生需要の掘り起こしは、旅行業界にとって先行投資ともいえる。
ただ、一連の激安卒業旅行パックは、「採算割れ覚悟で設定したコースも少なくない」(大手旅行会社)のが実情。全体の旅行者数もこの10年で3割近く落ち込んでいる。卒業旅行の格安パック投入を卒業後の顧客拡大につなげるには、“二の矢三の矢”のアイデアが必要になりそうだ。
