
僕は社内的にもどちらかというと「頭でっかち」キャラ(最近ちょっと変えようと思ってる)。そのためか、提案などで結構相談を受けることが多い(主に新入社員や転職の方)。
そこで感じるのは、彼らの経験的時間はほぼ同様(4ヶ月~1年くらいのバッファあり)なのだが、提案の内容や質問の切り口にものすごいレベルに差があるということである。
それは担当している得意先の広告出稿金額などに左右されるものではない(出稿金額が多い得意先でも提案自体のクオリティが低いケースも散見されるし、その逆のパターンも然り)。まだプラスαを競うレベルではなく、基本を身につけるフェーズだからだ。
僕自身も普通の会社で言えばペーペーの部類なので、あまり大きなことは言えないが、スタートダッシュは下記の公式で決まる部分が多いと思う。
公式:<トレーニーのマインド×潜在能力>×<トレーナーのマインド×顕在能力>×α
「α」の部分には職場環境やトレーナー側の「教える能力」などの変数が当てはまるが、最近気になるのはトレーナー側のクオリティ(=マインド×顕在能力)である。
そもそも教える気のないトレーナー(自分の数字ばかり追いかけていたりするパターン)が当たってしまったり、そもそものトレーナーの能力(実際に仕事でアウトプットしているもの)が低い場合は、残念ながら「残念」だ。
そうなってしまった場合でも(できる限りこうした事態はさけるようにしたいが)、トレーニー側は「何かは学べる」はずだし、そうするべきだと思う。そういうマインドでない人はやはり伸びにくいし(僕はどちらかというと、この意味では伸びにくい部類w)、改めるべきだと思う。
※特に転職されて入社されている方は、前職の経験(これはプラスにもマイナスにもなるもの)があるため、この部分において素直になりにくい人が多いかもしれない(逆に、この点で優れている人はメキメキ力をつけている。弊グループのA黒さんとか)。
だが、そこまで考えても、やはりトレーナーの責任は大きい。その中でもフォーカスしたいのは「顕在能力」の部分だ。
話し変わって室町前期の能役者・世阿弥の「花伝書」という書物に「守・破・離」というコンセプトがある。(余談だが、世阿弥は「感動」というものにフォーカスをあて、自身の論を語ることが多く含蓄があるため、世阿弥の書物は広告に携わるものなら一度は読んでおきたい所)。
- 風姿花伝 (岩波文庫)/世阿弥
- ¥483
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「守・破・離」とは:何かを極めるためには下記3つのステップを踏むべし(超訳)ということ。
1.「守」は、師についてその流儀を習い、その流儀を守って励むこと。
2.「破」は、師の流儀を極めた後に他流をも研究すること。
3.「離」は、自己の研究を集大成し、独自の境地を拓いて一流を編み出すこととして説明される。
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このコンセプトで大事なのは、「1.守・2.破・3.離」という順番だ。決して「1.守」を飛ばして次のステップに行ってはならない。要は「基本」はやっぱり大事なのである。
では「基本」とは何か?それは「型」であると思う。
気合や精神論はスケールしにくい(伝染はするが)。自信などの重要なファクターも提供することはできない。
その中では、やはり「提案の型」であるとか「効果検証の型」であるとか、「クロージングの型」であるとか、そういうものを最初の段階で、トレーナーから統一的に(つまり「人による」ということなく)伝授していくことが「育成」のファーストステップだと思う。
人によってやり方や教え方が違うならまだしも、「教える内容=型」まで違うと不信感が募る。募りまくると爆発する。バイラルする。良くない。
やはり「育成のためにも育成は必要だ」、と切に感じる今日この頃(自分も含めて)です。

アドマン