小学校の運動会を盛り上げるために応援団という係を作っている学校が多い。
私は今まで10数回応援団の担当になったがこれがかなりつらい。他の係よりも早く動く必要があるし、どう工夫しても昼休みを使っての指導回数が多くなる。連日暑い中で運動会の練習が続くので、少しは休みたいのだが昼休みが全く取れない。これが2週間ほど続くのでいつも愛読書を読み返し、気合いを入れて臨む。(愛読書「実践・授業の腕を上げる法則」向山洋一著 明治図書)
まず初めの顔合わせの時に今年の応援団の「たまご」とゴールイメージを探る。
「君たちはどんな応援団になりたいのですか。」
「先生から見ると応援団は格好いいか、格好悪いかのどちらしかないと思います。」
「君たちはどっちになりないのですか。」
当然、格好いい応援団になりたいと言うに決まっている。
「本当ですね。迷っていないという人は立って先生の目を見なさい。」
これはとても重要な確認だ。全員の心にドスンと落としておかなければ以後の指導は空回りするのだ。ここを曖昧にスタートしてはいけない。ゴールイメージが曖昧だと人は自分で動けなくなるのだ。応援団を指導する時のねらいは「主体的に動く・気迫を育てる」が最も大切だ。先生に言われてだらだら動いたり、しぶしぶそこそこの声を出したりしているような応援団はいらない。
ここで教師が応援団の「立ち方、声出し、移動」の3つをやってみせる。
次に全員を立たせて『立ち方」をやらせる。
一番前の子を立たせて軽く肩などを押すのを見せながら「これぐらいでグラグラしていてはいけないのです。」と説明する。そして立たせる前に「目をつぶって床に根を張っているように堂々と立ちなさい。」と指示する。
「合格の人は先生が肩を3回叩きます。合格した人は座って待っています。」
この時にひとりひとりの立ち方をチェックすることが指導の要である。だいたい上手にできましたというフニャけた評価言では、子どもは本気にならない。
「あなたは合格です。」と直接伝えなければいけない。
全員が合格したら、声出しをする。
「先生が『フレーフレー○組』と言いますから、その後に『フレッフレッ○組フレッフレッ○組 ソーレ勝つぞ!オー!!」と言います。」と説明する。
「赤立ちなさい。やります。」(とにかくやらせる)
「上手です。35点ぐらいです。」(え?突然言われてもできないよ。引きつった顔)
「次、白立ちなさい。やります。」(半端にするとやばいぞ。)
「上手です。80点です。」(何とかできた、ホッとした顔。)
「白、上手だったのでもう一回やります。」(できるぞ、がんばるぞ)
「上手くなりました。85点です。」(やったー、どうだ。笑顔)
「赤立ちます。やります。」(これはマジにならないと。真剣な顔)
「赤すごーく上手。90点。」(やったぜ!おっけー!!満面の笑み)
「次は同時にやります。向かい合ってください。」(負けてなるものか)
「やります。」
「○の勝ちです。」(これを5回ほどする。)
ここまで15分。立ち方、声出しの基本の指導おしまい。
応援団のたまごはひよこになった。
ここまでを見ていた同じ係の先生は「マジックだ」とつぶやいていた。
違います。向山氏の指導技術を活用しただけです。