(2)児童観
このクラスの子どもたちは大変活発である。そして落とし物が非常に多い。
学習上の問題点は学習用具が揃わなかったり、一部の自分勝手な言動に引きずられたりして学習が滞ることもしばしば見られることである。4月から学習時のルールを丁寧に繰り返し確認し、叱咤激励する中でメリハリのある学習の雰囲気作りを心がけてきた。
算数学習においては、多くの子どもたちは単元や領域、習熟度に関わらず、「計算問題は好き」だと答えるが「考えることや書くことは苦手」だと答える。これを評価の4観点で子どもたちに自己評価させると「関心・意欲・態度」は○の子が多く、「考える」はおよそ半数が△、「できる」は◎が多く、「わかる」はだいたいの子が○という傾向を示した。
基礎的な計算技能については、継続的に実施している百ます計算の結果を見ると、九九の定着や集中度は徐々に高まっていると判断できる。9月のテストでは単純な計算ミスや単位のつけ忘れなどのケアレスミスが4月より減少している。また、およそ90%の子どもたちが計算時に定規を使って横線を引くことが習慣化している。
このように算数の学習に前向きな面が多く見られるが、依然として「考える」ことへの抵抗感は拭いきれていないことが指導上の悩みである。学期末の個人懇談の際には数名の保護者から「文章題が苦手なのが心配だ」という相談を受けた。家庭学習の際に相当苦しんでいるようである。
学校での授業中はわかったつもりでいても、いざ家庭で自分一人の力で問題に向かった時には悲鳴を上げている様子が目に浮かぶ。
このような実態を踏まえて、本単元では資料の分類整理やグラフ(図形資料)を作成する学習体験を通して、問題を把握したり、問題解決の見通しを立てるためにまずは「見やすく」処理することが非常に大切であることをつかませたい。これは表やグラフに書き直してみるというだけに止まらず、常に問題場面をイメージ図に表したり、数値化してみたりするという考え方の習慣につながるものである。この過程をないがしろにするがために問題が把握できないまま立ち往生してしまう子どもが多い。「考える」ことが苦手だという子どもたちは「何を考えればいいのかわからない。」という悲鳴をまず上げる。つまり、何が問題なのかよくわからないまま、とりあえず強引に解決しようと試みる傾向にある。このような子どもたちに対して、本単元の分類整理の学習は非常に意義深いと考える。
したがって、本単元では指導が技能的な面にばかり偏らないように留意し、見やすく分類整理する良さに気がつかせたり、グラフ化よって誰もがすぐポイントがわかるというメリットを実感できたりするような授業構成を工夫し、細やかな評価・支援を行うようにする。
(3)指導体制と指導方法
2年生の時はT.Tで算数を実施していたが、4月から少人数算数が始まり、2グループに分かれて学習することにもずいぶん慣れてきた。当初算数の習熟度別の意味が分からなかった子どもたちも実際に少人数グループで学習する中で「いつもとはちょっと違う学習(活躍)ができる」ということに気づき始め、安心しているようである。
本単元はがっちりグループ12名、チャレンジグループ28名の習熟度別の編成を行った。これはプレテストを実施し子どもたちの資料に対する実態を調べてみたところ、重なりや落ちがないように最後まで資料からデーターを抜き出す段階での差が見られたからである。また日常の分類整理の様子や、問題把握力・数学的な思考の苦手意識などの観察データをグルーピングする基礎資料とした。
プレテストで子どもたちにどのグループに入りたいか選択させると、スピーディで確実な数的処理を苦手とする子どもたちは、「先生にそうだんする」を選ぶ傾向にある。そこで学習の見通しがうまく立たず不安な気持ちを持っている子どもたちにはじっくり算数的な活動を進める中で分類整理の良さに気づいてほしいと願い、人数の少ないがっちりグループに入るように勧めた。
また、チャレンジグループ28名の子どもたちは計算の基礎的な技能はかなり高いので、表に分類整理したり、グラフを書くポイントを捉えて書くことには抵抗が少ないと考えられる。しかし自分で分類の観点を考えたり、どのように目盛りを打てばよいか考えたり、あるいはできあがったグラフからある読み取りを行って、それを言語化する点につまずく子が見られると予想できる。そこで28名を4人の7グループに編成し、単元を通して関わり合う学習場面を多く設定することとする。
