(3)3年生の総合的な学習の年間計画と具体化計画の作成と実践
①視覚遮断の実践について 「眼を閉じなさい。」
本校の3年生は休み時間になるたびに、はだしで遊具に走っていくぐらい元気な様子である。しかし全校集会時に隣の子とおしゃべりしたり、つつき合ったりしたというささいなことが原因で大げんかにまでエスカレートしてしまうタイプの子どもたちであった。
4月当初に子どもたちが迷惑なことをしていた時、私が注意をすると多くの子は「ぼくだけじゃないもん。」とか「おれしとらん」「あいつもしていた」などという言葉をまず発し、今問題にしていることについてまともに話ができないような状態であった。彼らは注意されたことを正面から受け止め、自分のこととして落ち着いて考えることができなかったのである。
もちろん、自分だけが悪くないことやもっとずるいことをしていた子がいたことを訴えたいがためにこのような口ぶりになったのであろうが、とにかく反省する以前に「だれか」のことを並び立てて、問題をすりかえたり、混乱させたりする術を用いて自分のしたことをうやむやにしてしまう日常であったようである。彼らの目は自分ではなくいつも攻撃的な眼で回りの友だちに向けられていた。眼が荒れていたのである。
ネイチャーゲームを始める際にこの点を留意し、視覚遮断の中で話を聞かせ、自分の感じたことがわかるためのプチゲームを繰り返して行った。
教室での「眼を閉じなさいの指導」を変化を付けて十数種類実施した。当初は目を閉じることさえできない子が5人いたがやがてできるようになった。慣れてくると目を閉じることによって自分のことを見つめたり、友だちのことを冷静に考えたり、これからの行動の見通しを持つことができるということを子どもたちはつかんでいった。
目を閉じさせているときにこのような言葉かけを繰り返した。
ネイチャーゲームは気持ちが荒れていたり、気が散っている時には効果が期待できないので毎日の生活の中で自分一人の瞬間を作り、自分で心を落ち着かせて、感覚を研ぎ澄ませるための視覚遮断のプチトレーニングを続けた。
「耳を澄ましてごらん。」
「何か小さな音が聞こえない?」(聴覚)
「何かいい香りがしない?」「木の香りがしない?」(嗅覚)
「自分の首をさわってごらん」「筆箱を開けて鉛筆をだしてごらん」(触覚)
「先生は今歩いているけど、どこにいるかわかるかな。」(方向認知)
「そっと立ってごらん。」「片足で立てるかな」(動作)
「人差し指を黒板に向けて、空中にある画用紙いっぱいに海という漢字を書いてごらん。」
このような体験を積み重ねた上で外に出て、自然を観察させる観点と感じたことや見つけたことを自分の言葉にするコツを指導した。また体育館では動きをつけた視覚遮断のいくつかのゲームを行った。(「ブラインドゲーム」等)