1 はじめに
学校に現在普及しつつあるデジタルメディア機器の活用についてさしあたり私は以下のような立
場で実践を進めている。
・授業や学級経営の目標に近づくために自分が使えそうなものから使っていけばいいということ
・そのためにデジタルメディアのメリットを体験を通して知ること。
・また、学級内の学びが活性化するメディア活用の授業にはどんなタイプがあるかを知ること
最もこだわるのは「デジタルメディアをいろいろ使ったから先進的な授業だ」という妄想にとりつかれないようにすることである。メリットをクローズアップして使える時はどんどん使えばいいと思うが、ここでは必要ないと判断すれば別に使わなくてもよい。時には使うことが子どもたちにとってマイナスになる場合があると認識すべきである。今、最も重要なのは「ここでメディアを使うべきか使わない方がいいのか」という判断力を私たちは身につけていくことだと考えている。
現代の子どもたちは生まれた時からデジタルメディア(ゲーム)や動画メディアに浸って育ってきている。子どもたちのデジタルメディアへの感受性は私たち教師よりもかなり繊細だと私はここ数年感じている。原則として教育という行為は教師が経験し理解している「事柄」を、ある「教材」を使って「子ども」たちに学び取らせる過程だと考えている。しかし、デジタルメディアの場合はこの原則がそのまま当てはまらない。教えるべき「事柄」がしっかり見えていない状態では教える・育てるということは困難である。ところが現実は日本中ですぐ「使う」ことが強く求められている。メディア教育は今後教育上の重要な位置を占める領域になると考えるが、このような大きな矛盾を含んでいるということをきちんと認識していなければいけない。
また、もう一つ気になるのはメディアの導入によって学校の風景の中に次のような「分離」が
生じてきていることである。これらの分離はメディア教育を冷たいイメージにしてしまう。
・デジタルメディアを頻繁に使う教師とほとんど使わない教師の分離
・手書きのような直接体験重視の授業とメディア活用の間接体験の授業の分離
・学級経営目標とメディア教育目標の分離
・学校外の人との交流学びと教室内の人間関係の学びの分離
・デジタル作品とアナログ作品(手書き)の分離
以上のような問題意識を持ち、改善の方向を明らかにしたいと考えている。
2 研究の目的
本研究は、日常の学習活動の文脈にメディアを馴染ませ、学級内の人間関係の学びを活性化するために、学級経営の柱にメディアクション活動※を位置づけることの有効性を明らかにすることを目的とする。
3 研究の内容と方法
(1)問題点の洗い出し(問題の焦点化)
・教師及び子どもたちパソコン、デジタルメディアへの関心や活用の傾向を継続的に観察と簡単なアンケートから問題点を抽出する。
(2)先行実践の調査()
・Webページを次のキーワードで検索して資料を収集し、小学校でのデジタルメディアの活
用実践例を分析する。
「総合的な学習の時間」「コンピュータ教育」「インターネットの教育活用「情報教育」
「メディア教育」「メディアリテラシー」「デジタルカメラ」「テレビ会議」
(3)学級経営案の作成と実践(年間レベル)
・子どもたちの実態からメディア活動を中心にすえた年間計画を作成し、実践する。
①友だちいっぱい作戦(総合的な学習の時間)
②おかしプロジェクト(総合的な学習の時間)
③あそびプロジェクト(総合的な学習の時間)
④くだものプロジェクト(総合的な学習の時間)