Pat Torpeyがパーキンソン病に侵され、もう「通常の」ドラムプレイができないとのニュースは衝撃だった。 これまでYouTubeで見ていたライブでのドラムソロ、緻密かつ情報量多めなドラムとそれに乗せて歌うビートルズのアカペラは美しくて(歌もうまい)いつか生で観に行けるのを楽しみにしていた。そして今回チケットを手に入れることができてとても嬉しかった。
当日、サポートドラマーの横で笑ってタンバリンを叩くPatの姿があった。繰り返し紹介されるPat Torpeyの名前、観客も大きな声援で応える。中盤でPatがスティックを握り、サポートドラマーと交代してドラムセットに座るとひときわ大きな歓声が上がった。戻ってきた!と言わんばかりに嬉しそうにバスドラムを両足でドンドン鳴らし、くしゃっとした笑顔に胸がつまって苦しかった。 バラードのJust Take My Heartを本当に幸せそうに叩くPat、しかしやはり誰が見ても一目瞭然な彼に起こっている「何か」を感じて「失われたドーナツスピン」を思い、それでもハッピーに響く歌に包まれて泣けてしかたなかった。