「龍つなぎの旅」38日目。つづき。

「恐怖を乗り越えて」の巻。





前回は「さあ、舎心嶽に向かうぞ!」というところで終わりでした。その続きとなります。



本堂付近から舎心嶽への道そのものは、終わってみれば「片道20分」くらいの坂道でしかないのですが、半分以上は「大小さまざまな石ころを適当に撒き散らした道」で、油断すると足を取られます。残りは舗装された「かなり急な坂」でした。転ばない限りは危険はないのですが、まあまあ大変です😓ですが、道中は境内と違い、上着を脱ぐくらい暑かったです。また照明はない様子だったので、日陰が続く道はより鬱蒼としていました。夕方からの通行はお勧めできません。






道程は大変でしたが、得意の「戸隠神社に比べればまだまだ」の精神でそこは乗りきれました。(戸隠どうなってるの)


しかし真の恐怖はその先に待ち受けていました。


道が終わり、少し大岩の上を歩き(まあまあ危険)、なんとか空海先生の像が見える所まで来たのですが、そこから先に行くには「2m以上ある垂直な岩の壁」を垂れ下がる「一本の鉄の鎖」を掴んで登らなければなりません😱



見ると、鎖の真下は少しだけ足場のようになっていますが、ちょっと左にずれると谷底へ真っ逆さまです。手すりや囲いも全くありません。本気ですか??


ふと、ここに来る前にお土産屋さんのご主人が言ってくれた言葉を思い出します…

「鎖から落ちて怪我する人が何人かいたので、反対側に回れる道を作ってあるんですよ。危なそうならそちらから行ってみてください😄」


そうですね。落ちたら当然怪我しますよね。全面岩ですもんね。怪我で済めばラッキーですよね。うんうん。


ということで、恐らく安全に配慮して作られたであろう道を使うことにしました!(いや、先生に会えればいいのです)


ということで、教わった脇道へ…😄




…え、どこ?💦


なんか斜面に立つ木々の間にロープが張ってあるところが一部あるけど、これってことですか?道というより、斜面に張られた立ち入り禁止区域のロープのような?

確かに、良く見るとロープエリアを越えた先には片足の靴幅くらいのけもの道らしき跡が…

道の左側は先生の座する大岩の側面(ほぼ垂直)、右側は木が所々に生えている急な斜面(ずり落ちたら谷底へ)。


😄💦


そしてロープがあるのは最初の2mくらいで、その先は膝下の高さの低木が生えているだけ…


😅💦


「安全」ではないよね!?

転んだら、必死で木に掴まらないとどこまでも転がり落ちていくやつですよね!?それも、地面にへばりつけるか怪しい角度ですよね!?


いや、行きますよ!行きますとも!

変に踏み外さなければ、ロープが張られたところ以外は歩けそうですし!ロープのところはもはや道ではないけれども!待ってろ師匠!私が行くよ!😤

てか、たまたまロープが切れても南無阿弥陀仏ですよ!般若心経唱えたろか!


久しぶりに「勇気」ゲージを消費する時がきました!⚡️🌈


そして、わずか20数mくらいの道ではありますが、大岩の周りをぐるりと迂回して、岩の正面側まで到着です!



なんという眺望でしょう!

前と右は急斜面!左は岩場の絶壁!そして背後には空海先生の像!誰かこのシーンを上空からドローンで撮影して欲しい!


あとは「きっと登りやすくしてくれている岩を師匠の元まで登るだけ」と思い、額の冷や汗を拭い笑顔で振り返ると…



いや、岩ですやん。


そこにあるのは、ただの「岩」でした。

とくに階段や手すりや足場も用意されていない岩ですね。

うん。何回見ても、ただの岩です。良かった、視力には問題がないようです。

うんうん、絶壁の上にそびえ立つ岩ですね。

人が登ったことで段差が階段みたいになってる…そんなこともない、ザ「岩」。

現地調査は無事完了。





嘘だ!😱



躓いたり、足を滑らせたりしたら、左に落ちれば「死に物狂いで木にしがみついて」大怪我で済みそう。右に落ちたら生きては帰れないと思える光景です。しかも風が吹いたり吹かなかったりしています。


「私はここで終わるのかも…」

「ついに人間を卒業か…」

そんな思いが頭をよぎります。


きっと平地にこの岩があれば、そこまで苦しむこともなく登れるのでしょう。でもここは平地ではないのです。



人生は恐怖との戦いです。

それを乗り越えて行くことが、自分を成長させます。

情けない話ですが、足が震えました。

でも、師匠が上で待っている。

ここまで来て、止められるものか。師匠も見ている。

いや、行くしかない。

待ってて師匠。私は隣まで行きます。

ゆっくりと登り始めます。


もう、足元に意識を全て集中しました。

きっとパルクールとかをしている人にとっては、お散歩程度のことなのかもしれません。

修行中の方にとっては、当然の試練なのかもしれません。

けれど私はそのどちらでもない、普通の人!そして運動も音痴気味!

足元を見ているせいで、ちらちらと視界の右側に断崖絶壁が見える。その都度、背筋が凍る思いです。


「帰れるのか…いや、帰らなければ…」

「転ぶなよ…転ぶなよ…いや、ダチョウ倶楽部じゃないぞ!」


恐怖を踏みつけ、腰を低くして、時には手を着き、一歩ずつしっかりと歩く。そして…



ついに弘法大師空海師匠先生様(パニック)の目の前まで辿り着きました!!やたー!😂



鎖から登ると、空海像を後ろから見る場所に辿り着きますが、前からだと、正面からお顔を拝見できる!(推定1m以内)

そして振り向けば、先生と同じ景色も見ることができる!

(きっと)こっちからのほうが来た甲斐があるに違いない!(たぶん)(そう思いたい)(頼む)


師匠~!

…なんでこんなとこで修行しちゃったの?

(感想それかいな)


とにもかくにも、勝手に達成感を得て、少しの間、空海先生と四方山話をし、来た道を戻るのでした。

師匠ありがとうございます😊(先生か師匠に統一せい)


「戻るのでした。」と言っても、上りより怖い下りで、再度瀕死の思いをしたんですけどね(笑)

下りのほうが、躓いたら復活不可能です。


そして…なんとか無事、岩場を制しました!☺️

生きてたよ!


ですが岩場で怖い思いをしたせいか、行きに苦戦した「細いけもの道」は、お散歩感覚で戻ってこれました。人間の「慣れ」はすごいです😁


その後、納経所に再び訪れて、「舎心嶽に行きました」と告げて、舎心嶽の御朱印をもらいました。その際にお坊さん(かな?)が、仰ってました。

「つい先日まで修行僧がいて、どんな天気でも朝の1時に毎日あそこに登らせていたんですよ~😄」


…いや、「ニッコリ」じゃないよあなた。

1時は夜中で真っ暗てすよ!?

てか、登るのって修行僧がやるやつなの!?

関係者がみんなとても軽い感じで「登るんですよ~」って、感覚が違いすぎません!?



多くの人が容易に様々な力を使えるようになってきた昨今のスピ界。

その力を行使することの「重さ」「大切さ」「影響力」などを考えると、まずは「人」として出来上がっていないといけないのだと、そうしないと大きな事故や間違いに繋がるのだと、教えられた気がしました。きっと昔の人は、それを痛いほど理解していたのでしょう。


大いなる力は人の人生を左右する。

相手を幸せにできれば良いが、不幸にしても補償はしてあげられない。

だから、自分のことも、世の中の摂理も、より正しく知らなければならないのです。

(壮大な締めになりました)



【御朱印】

納経所にて、お札やお守りと共に頂けます。

「舎心嶽に行ってきました」と伝えると、「舎心嶽」の御朱印も頂けます。ちなみに「舎心ヶ嶽」と書かれている案内もあるのですが、現地の方はみな、「舎心嶽」と仰っていました。


納経所は本堂を右に進んだ先にあります。





【総評】

弘法大師様に思いがあるかないかで、印象や感動が大きく変わる場所だと思いました。

観光目的でもたくさん見どころがありますが、弘法大師様が気になる方にとっては、とても素敵な場所だと思います。行くべき場所です!

そして無料配布していた「きのこ茶」がおいしい!

思わず購入してしまいました😄


【NEXT】

「龍つなぎ」最後の地。

和歌山 熊野那智大社。



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