ぼくが傾聴の重要性を感じた出来事をお話しします。
研修医のとき救急の勤務をしたときのお話です。
ある患者さんが救急車で運ばれてきました。
60代の女性で、お酒を飲んで階段で転んで後頭部を打ったようです。
後頭部に皮下血腫(たんこぶ)があったし、転んだ時の状況を詳しく説明できない感じだったので、念のため頭のCTを撮って脳出血とかがないかを確認しようかなと思いました。
ただ運ばれてきた本人は、「自分は問題ない」って言って早く帰りたがるんです。
「頭のCTを撮りましょう」と言っても断固拒否するんですよ。
それで上の先生はすごく面倒くさがるんです。
なんてったって救急はスピード勝負なので。
対応にいちいち時間がかかる人は救急の現場ではすごく嫌がられるんです(´・ω・`)
だから上の先生は「診療拒否ってことで早く帰せばええわ」って言うんですよね。
とはいえ、帰るにも家族さんが来るのを待たないといけないから、家族さんが来るまで待つことになったんです。
それで待ち時間が発生したわけですけど、その患者さんは興奮気味で何かと話してるんですね。
でも現場にいる誰もが、その患者さんのことを面倒くさいと感じて誰も話を聴こうなんてしてなかった。
そんな中、その患者さんはぼくの手をギュッと握って話しかけてくるわけですよ。
たまたまその時は、他に患者さんが来てなかったから、お話を聴く時間はたくさんあったんですよね。
そこでぼくは傾聴することにしたんです。
アイコンタクトをとって、相槌を打ってうなずいて
傾聴、受容、共感を徹底しました。
そしたらですね、
「私、柳生先生のことは好き」という発言が!!
上の先生が説明しても「CTは撮らない」って反発するんですけど、
ぼくが説明したら、CTを撮るって言ってくれたんです。
それで無事にCT室までストレッチャーで連れていくことができて、めでたし、めでたしってなるかと思いきや!!!
そんな簡単にはいかなかった。
CT室について、CT台の上に移りましょうかってなっても、本人は拒否するんですよ。
「怖い!怖い!!」って言うんです。
それでなかなかCT台に乗ってくれないから、またぼくが話を聴きました。
患者さんはこう言ってくるんです。
「誰が診察してくれるの?」
「脳外科の先生を呼んできて!」
ぼくはこう答えました。
「ぼくが診察します。」
「大丈夫ですよ。信じてください。」
そしたらCT台に乗ってくれて、CTを撮ることができたんです。
ぼくは別に「早くCT台に乗ってください」とか、「時間がもったいないから早くして」とか言ったわけじゃないんです。
「大丈夫ですよ。ぼくを信じてください。」
これだけなんです。
無事にCTを撮ることができて、何も問題がないことを確認して帰っていただきました。
この経験から傾聴の大切さを身にしみて感じました。
つい自分の要望を相手に聞いて欲しい時に、相手の話を聴かずに一方的にこちらの要望だけを押し付けてしまう。
そうではなくて、相手の話を傾聴し、相手と深いラポールを築く。
これはあらゆる人間関係において重要だなと、改めて思ったのでした。
最後までお読みいただきありがとうございます😊
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あなたの人生の応援歌を作りました⭐️
『1ページ』
聴いてくれたら泣いて喜びます🥺✨
↓↓↓