前々回の記事でも触れた、新潟市のBRT計画について。
 
 
 BRTとは、Bus Rapid Transit(バス高速輸送システム)のこと。
 
 明確な定義はありませんが、
 例えば連節バスによる“大量輸送”、道路中央のバス走行レーンによる“高速化”
 案内面で他のバス路線と差別化することによる“分かりやすさの向上”など
 高機能なバス運行形態のことを指します。
 
 端的に言うと、路面電車のバス版、と考えていいかも知れません。
 環境意識の高まりの中で、公共交通の重要性が最注目されている今、
 路面電車と比べ低コストで導入できるBRTは、全国の多くの都市が検討を進めています。
 
 
 その先陣を切る都市のひとつが、新潟市
 
 政令指定都市でもある80万都市ですが、
 古町など中心市街地には軌道系交通機関が無く、路線バスに頼っています。
  
 そのため市では、新潟駅前~古町~市役所を結ぶ区間などに、BRTの導入を決定。
 運行事業者となる予定の、地元バス会社の新潟交通とともに
 詳細の検討を進めてきました。
 
 といっても現実には様々なハードルがあり、
 高価な連節バスは、当初計画よりも台数を減らして導入することに。 
 中央走行レーンについては、警察等との協議の結果、導入は延期となりました。
 
 詳細については↓新潟市のHPを。 
 
◆新たな交通システム(BRT)について
 BRT計画の詳細(25年秋時点)
 
 
 第1期導入区間は、上記リンクにある“新潟駅前~古町~市役所前~青山”間で
 順調にいけば平成27年春の運行開始となる模様。
 
 今回、現地の様子を実際に見てきました!
 
 
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 JR新潟駅の万代口。
 新潟交通の市内バスは、写真右の『万代口バスターミナル』から発車します。
 BRTののりばも、この付近(ターミナルor駅前広場内)になりそうですが、
 将来的には、JRの高架下に新たなターミナルを整備する構想もあるとのこと。
 
 
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 なお、前々回の記事でも取り上げた通り、
 新潟駅~古町~市役所方面を結ぶバス路線の一部は『りゅーとリンク』と呼ばれ、
 案内面などで他路線と(若干ですが)差別化されています。
 
 
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 『りゅーとリンク』のルートは上図の通り。
 新潟駅~古町~市役所前~川岸町三丁目の区間は、
 3系統合わせて、概ね10分毎に運行されることになります。
 地理不案内な利用者でも、『りゅーとリンク』だけでも主要な目的地へアクセスできます。
 
 一方、今回計画されているBRT第一期区間は、
 新潟駅~古町~市役所前~白山駅~青山というルートで
 市役所前から先が別のルートとなります。
  
 
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 こちらはラブラ万代の前にある、『万代バスセンター前』バス停。
 BRTの停車バス停のひとつとなります。
 写真のように県内高速バスも使用していますが、
 将来、道路中央にバス停を設置した場合は高速バスはどう扱うんでしょう?
 
 
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 ラブラ万代の歩道橋から、萬代大橋方向を。BRTのルートです。
 写真は休日夕方の状況で、そこまで渋滞しているという状況ではありませんが、
 平日の通勤時間帯には渋滞するのでしょうか。
 
 
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 新潟市最大の繁華街である、古町(ふるまち)。
 新潟駅からは約2kmの距離があります。
 
 
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 古町バス停にて、『りゅーとリンク』のバス。
 系統番号は8Aですが、側面の表示が『りゅーとリンク』となっています。
(ちなみに、新潟駅発は7番・7A番・10番だけが『りゅーとリンク』でしたが、
 逆方向は新潟駅行きすべてが『りゅーとリンク』なのでしょうか?)
 
 古町は多くの市内バスが経由するため、
 バス停も、方面別に多くの標柱に分かれています。
 『りゅーとリンク』のバス停は、正直、ひと目でどれか分かる・・・という程ではありませんでした。
 この辺り、BRT化の暁には分かりやすい工夫がされることでしょう。
 
 
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 場所は変わり、『東中通』バス停。
 この区間(寄居町交差点~青山)については、当初から中央走行レーンの計画は無く、
 連節バスの走行のみという計画です。
 
 
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 さらに西へ移り、『白山駅前』バス停。白山駅はJR越後線の駅です。
 
 『りゅーとリンク』の区間外ですが、BRT計画ではここもルートの一部。
 なお、現在の路線バスは駅前ロータリーには入らず、このバス停にのみ停車しますが、
 BRTはロータリー内に入り、JRからの乗り継ぎをしやすくするようです。
 
 
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 その白山駅は工事中でしたが、BRT乗り入れへの準備でしょうか?
 
 なお、市が作成したルートの原案は“新潟駅~古町~市役所前~白山駅”だけの区間でしたが、
 その後、新潟交通側の提案で“白山駅~青山”までがルートに加わりました。
 このほうがバス路線を効率的に再編できるとのこと。
  
 
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 その『青山』バス停。イオン新潟青山店に隣接しています。
 
 新潟交通の計画では、当バス停は郊外バス路線との乗り継ぎ拠点となるとのこと。
 ということは、熊本の『イオンモール クレア』のようなミニターミナルができるのかと思いましたが、
 計画図を見ると単なるバス停のようです。
  
 
◆新潟交通㈱
 
※当ブログ過去記事より
 連節バスの事例:  千葉市幕張
 道路中央のバス専用レーン事例:  名古屋市『基幹バス』