(1)地方暮らしの中学受験
夏穂さんが書いている、「地方暮らしの中学受験2024~難関中学を目指して教育格差を克服~」は、勉強法やお子さんへの接し方、テスト結果の推移など、非常に参考になるサイトなので、フォローしています。
彼女の家庭は
①勉強方法は非常に工夫されている
②勉強づけにするのではなく、友達関係も大切にしている
③静岡県在住
などがブログ記事からわかります。
そして、おそらく
④お子さんの能力は非常に高い
⑤彼が接するお友達は勉強熱心な子はあまりいない
などのことも推測されます。
今回、6月の全国統一小学生テストの結果を報告してくれました。
(2)全国と静岡県の平均点の差
夏穂さんが成績表を公開してくれたので、小学校4年生における、全国と静岡県の平均点の差を知ることができました。以下のような結果でした。
配点 全国平均点 静岡県平均点
算数 150 82.0 75.9
国語 150 80.2 76.0
理科 100 54.2 52.0
社会 100 54.0 49.2
この差をみて皆さんはどのように感じられましたか?
(3)地方と都会の学力格差
おそらく静岡県だけが平均点が低いのではなく、地方は全般的に低いのだと思います。
そして、都会は全国平均点より高く、都会と地方の間に全国平均点があるのでしょう。
静岡県を始めとする地方では難易度の高い問題を学習する機会に乏しいので、この結果は当たり前の結果といえるのだと思います。
問題は大学入試の時点でこの差を埋めることができるのか、ということだと思います。
静岡県では小学生段階では小学校の授業では基礎的な内容の学習に終始することが多いと思います。中学受験するにしても、都会に比べて必死さが乏しいので、学習時間は勉強ができる層も都会に比べて相対的に少ないと思います。
静岡県では、公立中学校を選択すると、中学校卒業の段階まで緩い状態が続きます。小学校の段階で都会の子とは差がついていて、中学校レベルでも勉強のできる層は都会の子は中高一貫校に進学しますので更に差は拡大してしまうでしょう。たとえ、高校段階で学区一番の進学校に通うことになっても、高校の3年間でそれまでに生じてしまった差を埋めるのは困難だと思います。静岡県の子どもたちはそのような困難に立ち向かわなければならないのです。
(4)学力格差に立ち向かうには
学力向上のためには
①本人の能力
②家庭環境
③学校環境
の3つが恵まれていることが必要だと思います。また、これらの要素は工夫や努力である程度は改善することが可能だと思います。
いくら本人の能力が高くても、教育を大切にする家庭に生まれなければ勉強に向き合う気持ちになりにくいと思います。
家庭が教育熱心でも、通っている学校の子どもたちがあまり勉強しない環境では、わが子を勉強に向かわせるのは難しように思います。小学校高学年になるにしたがって、子どもは周囲の同年代の子どもたちの影響を強く受けるようになるからです。
個人における学校環境をよくする取り組みが中学受験だと思います。地元の公立中学校で学力を伸ばすことが可能かどうかは、それぞれのご家庭に考えていただきたいと思います。
夏穂さんの取り組みは、家庭環境をできるだけよくして、本人の能力を伸ばして、中学校段階のより良い学校環境を得ようとする試みだと思います。
彼の周囲には彼と同じように勉強に熱心に取り組んでいる同学年の仲間はあまりいないように思われます。そのことの影響がどれぐらいあるのか。
また、友たちとの遊びなど、友達関係も大切にされているようです。このやり方は人間としての成長を優先して、学習時間の確保を犠牲にしているように思えます。果たしてそれで静岡において学力向上が可能なのか。
夏穂さんの教材研究は素晴らしいと思います。これらの教材を利用しながら、皆さんがそれぞれ考えながら、それぞれのやり方でお子さんの学力や可能性を伸ばしていってほしいと思います。