(1)2020年度と2021年度の静岡市内の私立中学の受験志望者数の比較

 

 1月9日は令和3年度の静岡県の中学受験の日でした。1月22日付けで静岡県内の私立中学校の志望者数が私学ネットのホームページで発表されていました。2020年度と比較してみたいと思います。いくつかの受験コースがある学校最大定員を割り振っているコースで比較しました。

 

(2)定員以上の志願者がいた学校

 

          定員 2021年志願者数 2020年志願者数

静岡聖光         100        397        185

静岡学園      90        145               119 

東海大翔洋   120        162        147

静岡北      60      82         90

静岡サレジオ    80      127                   20

 

静岡サレジオは2020年は共通日程の日の翌日の募集もしていました。そこには17人の志願がありました。

 

(3)志願者が定員に満たなかった中学校

 

              定員  2021年志願者  2020年志願者数

静岡雙葉                 150         105          150

静岡英和                   90          55           68

常葉大学附属常葉      60          42           22

常葉大学附属橘         75          65           53

静岡大成                   80          46           63

城南静岡                   30          16

清水南          120     112          161

浜松西          160     396          389

沼津市立         80     132          125

 

静岡大成の定員は2020年は70人でした。

 

(4)志望者が増えた中学、減った中学

 

 志望者数を伸ばした中学(静岡聖光・静岡学園・東海大翔洋・静岡サレジオ・常葉大学附属橘・常葉大学附属常葉)と減らした中学(静岡北・静岡雙葉・静岡英和・静岡大成・清水南・静岡大附属静岡)とがある。これが各中学に対する現在の保護者の評価であると思われます。

 

(5)2022年の予測

 

(A)人気校の動向

 

 2021年入試の結果次第で、静岡聖光・静岡学園・東海大翔洋・静岡サレジオ・静岡北などの人気は変わりうるでしょう。しかし、私立人気校はそれぞれ切磋琢磨しながら、受験者数を増やしていくと思います。

 

 個人的には静岡北中の人気が相対的にやや低下するのでは、と思います。同じような立ち位置の静岡サレジオの「上智枠」、同地域の橘中の人気回復、静岡雙葉中の死に物狂いの改革、など志願者数減少の要因がいくつかあるからです。

 

 あとは第二日程の定員を増やすかどうか、日程を他の学校から移すどうかに各学校が頭を悩ませていると思います。これらの学校も人気の変動次第では定員割れを起こす危険性があります。しかし、第二日程を他の学校と違う日に設定すれば、定員割れを起こす心配はないと思います。どうするのでしょうか?

 

(B)静岡雙葉はどうするか

 

 静岡雙葉は2021年入試で、衝撃的な志望者減に見舞われたと思います。今までのプライドを捨てて第二日程の試験日を作るか、宣伝等をしっかりすることによって第一日程のみとするか。静岡雙葉はどうするのでしょうか?

 

 しかし、共学の私立中学の人気(静岡学園・東海大翔洋・静岡サレジオ・静岡北)は不動のものとなりつつありますし、常葉大学附属中(橘中・常葉中)のよさも再評価されつつあります。静岡英和中も人数とレベルのわりに多い推薦枠の良さが見直されつつあります。雙葉包囲網の様相を呈していると思います。思い切った改革を行わないと、2022年も大幅な定員割れを起こしかねないと思います。

 

(C)常葉大学附属中(橘中・常葉中)の人気は更に上昇するか

 

 常葉大学附属のメリットが評価されたためか、一時評価が低下しつつあった橘中や常葉中の人気が回復しつつあります。この流れが続くのか、再び反転してしまうのか。「看護師や教師になる」という目標には現実的な「常葉大学進学」をどう評価するかの問題だと思います。

 

(D)清水南の志願者数はどうなる?

 

 清水南の志願者数はどうなるのでしょうか?二年連続で定員割れしたら前代未聞だと思います。しかし、清水南に入学してもそれほど学力が伸びるわけでもないですし、地元の中学に比べて遠い、というデメリットを払拭するようなメリットを清水南中が保護者に提示できるかどうかだと思います。

 

(6)2022年入試は2021年より激戦になると思います

 

 私立中学校の評価は更に高まると思います。公立の側が本気になった改革を行わないと、私立中学受験の流れは止まらないと思います。

 

 私立中学進学を希望する家庭は、今まで以上に勉強していく必要があると思います。高校入試には親の関与は大きくないですが、中学受験は親次第だと言われています。どのように子どもたちの気持ちを引っ張って、支えていくかだと思います。子どもたちの未来のために頑張ってください。

 

 そして、経済的な理由で私立中学受験が叶わない子どもたちのことも考えていただきたいと思います。以前にも書きましたが、現存の私立中学校に対しては奨学金や特待生枠を作ること、既存以外では静岡地区にも公立中高一貫校を作ることが選択肢になると思います。