ADHD/HSPの"生きづらさ"を解消する
ADHDは「やりたいこと」が多すぎて、結局どれも中途半端になる自分が一番嫌い
また新しいことを始めた。
「今度こそ続ける」と思った。
最初の3日間は異常なほど集中した。
寝る時間を削ってまでやった。
でも1週間後、
もう別のことに興味が移っている。
始めたはずのプロジェクトは放置。
買った教材は開いていない。
登録したサービスはログインすらしていない。
部屋の中には、
過去の「やりたかったこと」の残骸が散らばっている。
ギター。
カメラ。
プログラミングの本。
筋トレグッズ。
どれも途中で止まっている。
「自分はいつもこうだ」
「何も最後までやれない」
「だから何者にもなれない」
この自己嫌悪が、一番キツい。
■なぜ次々にやりたいことが生まれるのか
ADHDの脳は、
新しいものに対して
爆発的にドーパミンを放出する。
「面白そう」と思った瞬間、
脳が一気に興奮状態に入る。
この時の集中力とエネルギーは、
定型発達の人を遥かに上回る。
いわゆる「過集中」。
でもドーパミンは長続きしない。
新鮮さがなくなると、
ドーパミンの分泌が急激に落ちる。
すると脳は次の刺激を求めて、
「もっと面白いもの」を探し始める。
これは「飽きっぽい性格」じゃなくて、
脳の報酬系の構造的な問題。
意志の力で制御できる範囲を超えている。
■「中途半端」という地獄
問題は、
やめたこと自体じゃない。
「また中途半端で終わった」という
自己嫌悪が積み重なること。
ひとつやめるたびに、
「自分には何も続けられない」
という信念が強化されていく。
10回始めて10回やめたら、
もう何かを始めること自体が怖くなる。
「どうせまた続かない」
「どうせまた投げ出す」
この予測が足枷になって、
新しいことに挑戦する気力まで失われる。
本当は好奇心旺盛で、
可能性に満ちている脳なのに、
自己嫌悪がブレーキをかけて、
動けなくなってしまう。
■「継続」の定義を変える
ここで少し考え方を変えてみてほしい。
「続ける」=「毎日やる」
「続ける」=「途切れなくやる」
この定義、
ADHDの脳には合わない。
ADHDの継続は「波型」。
やる時は爆発的にやる。
やらない時は完全に止まる。
また波が来たらやる。
1ヶ月やって3ヶ月休んで、
また2週間やる。
これも「続けている」と定義していい。
完全にやめたわけじゃない。
興味がなくなったわけでもない。
今は波が引いているだけ。
また来る。
■全部中途半端なんじゃなくて
10個始めて10個やめたとしよう。
でもその10個で得た知識や経験は、
ゼロじゃない。
ギターをかじったから音楽の話ができる。
カメラを触ったから構図が分かる。
プログラミングを少しやったから
論理的思考が鍛えられた。
ADHDの「広く浅く」は、
見方を変えれば
「引き出しが異常に多い」ということ。
ひとつの分野を極めた専門家にはなれなくても、
複数の分野を繋げられる人間にはなれる。
これはADHDだからこそ持てる武器。
■それでも自分が嫌いな時は
全部中途半端な自分が嫌いだと感じたら、
ひとつだけやってみてほしいことがある。
過去に始めたことの中から、
「一番楽しかった瞬間」を思い出すこと。
続いたかどうかは関係ない。
あの時、没頭していた3日間。
あの時、夢中になっていた瞬間。
その時の自分は確かに輝いていた。
中途半端で終わったことより、
始められた自分をまず認めてあげてほしい。
世の中には、
やりたいことすら見つからない人がいる。
「やりたいこと」が溢れてくる脳を持っていること。
それ自体が、
すでに才能だから。
■最後に
また何か新しいことを始めたくなったら、
始めていい。
「どうせ続かない」と思っても、始めていい。
3日で止まってもいい。
1週間で飽きてもいい。
その3日間で得たものは、
確実に自分の中に残っている。
中途半端な自分を嫌いにならないでほしい。
好奇心が止まらないその脳は、
何かを始める力を持っている。
それは「弱さ」じゃなくて、
使い方次第で最強になる「特性」だから。