ADHD/HSPの"生きづらさ"を解消する
ADHDは「寝る前の脳内会議」が止まらないから、朝が来るのが怖くなる
布団に入った。
目を閉じた。
さあ寝よう。
……寝れない。
頭の中で会議が始まっている。
「今日あの時、ああ言えばよかった」
「明日のあれ、ちゃんとできるかな」
「そういえばあの返信まだしてない」
「来週の予定どうなってたっけ」
「3年前のあの失言、相手は覚えてるかな」
議題は無限に湧いてくる。
誰も司会をしていない会議が、
延々と続いている。
気づいたら深夜2時。
気づいたら3時。
「もう寝なきゃ」と焦るほど、
脳がさらに覚醒していく。
■なぜ夜になると脳が暴走するのか
日中のADHDの脳は、
外部からの刺激を処理するのに忙しい。
仕事、人間関係、音、光、情報。
脳のリソースが全部そっちに使われていて、
「考える時間」がない。
でも夜になると、
外部の刺激がゼロになる。
すると脳は、
日中に処理できなかった情報を
一気に処理し始める。
溜まっていた感情、反省、不安、後悔。
それが全部、
布団の中で再生される。
静かになった瞬間に、
脳が一番うるさくなる。
この矛盾が、ADHDの夜をしんどくしている。
■過去と未来が同時に押し寄せる
定型発達の人は、
過去のことは過去、
未来のことは未来と
時間を整理して考えられる。
でもADHDの脳は、
過去の後悔と未来の不安が
同時に押し寄せてくる。
「3年前のあの失敗」と
「明日の会議の不安」が
同じ重さで脳を占拠する。
しかもADHDにはRSD
(拒絶敏感性dysphoria)がある。
過去の嫌な記憶が、
当時と同じ感情の強さで蘇る。
「思い出す」じゃなくて「再体験する」。
だから夜が怖くなる。
布団に入るのが怖くなる。
眠れないことが分かっているから、
夜更かしをして疲れ切ってから寝ようとする。
でも疲れ切っても、脳は止まらない。
■朝が来るのが怖い理由
眠れない夜の先にあるのは、
睡眠不足の朝。
寝不足で頭が回らない。
集中できない。
ミスが増える。
その結果、また夜に反省が押し寄せる。
眠れない→寝不足→失敗→反省→眠れない。
このループが回り続けると、
「朝が来ること」自体が恐怖になる。
朝が来たら、
また上手くいかない1日が始まるから。
■脳内会議を止める方法
完全に止めることはできない。
ADHDの脳はそういう構造だから。
でも「音量を下げる」ことはできる。
まず、寝る前に「書き出す」。
頭の中にあることを、
全部紙に出してしまう。
明日やること。
気になっていること。
言えなかったこと。
書くことで、
脳が「もう覚えておかなくていい」と判断して、
会議の議題が減る。
スマホのメモでもいいけど、
画面の光が覚醒を促すから
できれば紙がいい。
次に、「脳を退屈させる」。
YouTube、SNS、ゲーム。
寝る前の刺激は脳を覚醒させる。
代わりに、
すでに何度も見た映画を流す。
興味のない分野のポッドキャストを流す。
脳に「新しい刺激」を与えないことがポイント。
退屈になった脳は、
自然とシャットダウンに向かう。
そして、
「今日の自分に合格点を出す」。
寝る前の脳内会議の大半は、
自分への反省と批判。
だから寝る前に1つだけ、
「今日できたこと」を思い出す。
メール1通返せた。
ちゃんとご飯を食べた。
遅刻しなかった。
何でもいい。
「今日の自分、合格」と決めてしまう。
反省会の代わりに、
小さな合格をひとつ出して終わる。
■最後に
夜が怖いと思っている人は、
多分たくさんいる。
誰にも言えないまま、
毎晩ひとりで脳内会議と戦っている。
「考えすぎ」と言われても、
止められないのがADHDの脳。
だから止めようとしなくていい。
音量を下げる。
議題を紙に出す。
自分に合格を出す。
それだけで、
夜が少しだけ静かになるから。
ぐっすり眠れなくても、
横になっているだけでいい。
完璧な睡眠じゃなくていい。
目を閉じている自分を、
「よく頑張った」と
褒めてあげてほしい。