テーマ:ナツキ(息子)
2004-11-07 23:00:36

初診。

笑顔で「どうぞ」と言ってくれた先生をみて、ほっとした。
とても優しそうな先生だ。

「お子さんの普段の様子を聞かせて下さい。何でも話していいですよ。」

ナツキの学校での状態、忘れ物の多さ、45分の授業の愛だ、じっと出来ない状況。何に対しても我慢が出来ない。そんな話をとりとめなくした。

ナツキは診察室にある、いろいろなモノを触っては独り言を言ってみたり、ワタシの話に口を挟んで来たりと、5分としてじっとしていない。

「ボクは学校は好きか?」

「うん。」

「そうか。好きかー。やっちゃダメなこともわかってるよな。」

時折、ナツキに声をかけて先生は注意を引きつける。でないと、彼は診察室をぐちゃぐちゃにしそうな勢いだ。

ナツキの事は一通り話終えた。先生はナツキを診察室から出して、今度はワタシの話を聞いてくれた。

躁鬱が激しい事。家事が出来ない事。仕事上でのミス。他者との関係。
当時、あまりの鬱の激しさと、自分自身の2面性から、ワタシはもしかして、二重人格かなにかかと思っていた。日頃のストレス。

朝起きてすぐに夕食の献立を考えないと夕飯の支度が出来ない。

ぐちゃぐちゃと泣きながら話すワタシに先生が言った。

「お母さんの方がボクよりも顕著ですね。詳しい検査をしないとわかりませんけれど、お母さんはADDですよ。注意欠陥障害。」

…ワタシが?

「息子さんもそうですね、項目にはすべて当てはまりますね。検査は大きな病院でないと出来ませんけれど、きっとそうでしょう。」

「先生、それは遺伝とかそういうのはあるんでしょうか?」

「まだそこまではっきりとした研究が進んでいない障害なんですよ。」


注意欠陥障害。
注意欠陥多動障害。

息子がそうかもしれないと疑ってはいたが、ワタシの方が顕著に出ているって。

なんだか、おかしくて、笑えて来た。
ナツキとワタシはどうすればいいんだろう?
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テーマ:ナツキ(息子)
2004-11-05 22:30:07

子供は診察できません。

インターネットで調べた心療内科に電話をかける。
自宅から、近い場所で何件かピックアップしてかけてみた。

「子供のADHDの件なんですが…。」

「うちは子供さんの診療はしていないんですよ。」

3件断られた。もう夕方だ。
今日中に診察を受け入れてくれる心療内科はあるんだろうか?

最後の1件と思って、市内のメンタルクリニックに電話をかけた。

「息子が、問題を起こして…。ADHDじゃないかと。子供なんですけれど診ていただけますか?」

「先生に代わります。」

受付の人から先生に電話が繋がれた。すがるような思いで、説明する。
涙声になっていたかもしれない。

「…そうですか。ボクがそんなふうに。可能性はありますね。
診察してみましょう。」

「でも、診療時間が…。」

時刻は午後6時を回っていた。診察受付は午後6時半までだという。

「はっはっは。大丈夫。少しくらいなら遅れてもいいですよ。すぐに連れて来て下さい。お待ちしています。」

電話を切ってすぐに、用意をして車を出す。
まだ泣いている息子を助手席に乗せて、運転しながら話した。

「悪いことってわかってるんだよね。」

「うん。」

「でも電池が欲しかったんだよね。我慢出来なかったの?」

「しらん間に盗っててん。」

「そういうのは、もしかしたら病気かもしれないし、診てもらおうね。怖いところじゃないからね。」

「…」

不安げなナツキ。ワタシも不安でいっぱいだ。
30分ほどで、心療内科に到着した。

「すみません、先ほどお電話したものですが。」

「問診票を書いて、お待ちになってください。」

ついでに、ワタシも精神状態が不安定だったので、診て貰うことにした。
ふたり分の問診票を書いてしばらく待つと、名前が呼ばれた。

「○○さん、どうぞー。」

診察室にふたりで入ると、先生がニコニコ笑って待っていてくれた。

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テーマ:ナツキ(息子)
2004-11-04 23:42:39

言い分。

「どうしてお金もないのに、お店のモノを盗ったりしたのっ?」

泣きながらワタシはナツキに訊いた。

「…電池がなくなったから…。」

「電池?電池って何のっ?」

「…ゲームボーイの電池がなくなったから…。」


バスが来るまでの時間、バスを待っている子供達は皆ゲームボーイで遊んでいた。
たまたま、家を出てすぐに電池が切れたらしい。
電池がある場所=コンビニ。
ナツキは何も考えずに、コンビニで電池を盗った。
ただそれだけらしい。

善悪がわからないわけではない。
ただ、1つの事に意識が行くとそれ以外の事が考えられなくなるのが、ADHDの特徴。お金がないと電池が買えない事も、わかっている。
でも、家に帰るとバスに乗り遅れる。
だから、コンビニに行ったのだと。

「悪いことだっていうのは、わかるわね?泥棒したのよ。」

「わかってる。」

インターネットで調べていた心療内科に連れて行こうと思った。
すぐ。今すぐに。

ただの出来心だったら、それでいい。
でも、あまりにも小さないざこざがこの子には多すぎる。

学校での態度。
忘れ物、落とし物の多さ。
整理整頓が出来ない。
どれもこれも当てはまる。


震える手で、ワタシはダイヤルした。
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テーマ:ナツキ(息子)
2004-11-04 23:33:16

事件。

ナツキは毎週スイミングに通っていた。
息子の通うスイミングは、スクールバスがあって、近くまで迎えに来てくれる。

いつもの時間にナツキは家を出た。

しばらくすると、玄関のチャイムが鳴る。

「ナツキ君のお宅ですか?」

ドアを開けると、近くのコンビニの店長が立っていた。
隣に泣きはらした顔のナツキが居る。

「…万引きをね、したんですよ。」

「えっ?」

「いえ、今回はね、謝りましたし、もういいんですけど、おうちで注意して下さい。」

そう言われて、ワタシは平謝りに謝るしか出来なかった。
泣いているナツキを家に入れると、ワタシの目からポロポロと涙が出てきた。
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テーマ:日記
2004-11-04 23:21:05

きっかけ。

数々の小さなトラブルを起こしながらも、ナツキは2年生に進級。
担任の先生は持ち上がりの女の先生。

相変わらず毎日のように学校から電話がかかってくるのには、辟易。
あたしにとっちゃ小さな事なんだけどな…。
学校って、ほんとアレもコレも決められてるのね。

でも、あまりにも事件が多すぎる。
やっぱり、ナツキどっか違うんじゃないか…。

ワタシはインターネットで子供の障害を片っ端から検索しはじめた。

学習障害?うーん、これはない。
テストはいつだって、良い点数を取って来るし、勉強も嫌いな子ではない。

ネットで、はじめて知った「ADHD」
子供のADHDの特徴を読むと

…みごとに当てはまる。
1つの項目も外れる事はなかった。

ナツキ、もしかして、ADHDなの?

そんな不安を抱えていたある日、ナツキが事件を起こした。
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テーマ:日記
2004-11-04 23:06:03

兆候。

ワタシはADHDなんて言葉、ぜんぜん知りませんでした。

ナツキは元気イッパイで明るくて、人見知りもしない子だったし、少し落ち着きがなくて、乱暴かなと思ってただけ。幼稚園でも特に目立った感じではなく、普通に集団生活が出来てました。

小学校に上がってから、1年の担任の先生に言われたのが最初です。

「ナツキ君は、とても扱いにくいお子さんで、手がつけられません。」

なんで?
うちではそんなこと全然ないのに。

でも、よくよく考えて見ると、学校の中での集団生活に馴染めないでいるのがわかります。

「うちの子、おかしいのかしら?」

漠然とした不安。
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テーマ:日記
2004-11-04 23:01:10

自己紹介。

はじめまして。
ユウと言います。
息子の名前はナツキです。
暑い夏に生まれたので、夏輝。

今はふたりっきりの家族です。

ADDとADHD。
ちょっと出来損ないの脳ミソの私たちの
小さな事件、大きな事件、日常の色々を書き綴っていこうかなと思います。

ADHDに対しての偏見が、少しでもなくなりますように♪
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