初診。
笑顔で「どうぞ」と言ってくれた先生をみて、ほっとした。
とても優しそうな先生だ。
「お子さんの普段の様子を聞かせて下さい。何でも話していいですよ。」
ナツキの学校での状態、忘れ物の多さ、45分の授業の愛だ、じっと出来ない状況。何に対しても我慢が出来ない。そんな話をとりとめなくした。
ナツキは診察室にある、いろいろなモノを触っては独り言を言ってみたり、ワタシの話に口を挟んで来たりと、5分としてじっとしていない。
「ボクは学校は好きか?」
「うん。」
「そうか。好きかー。やっちゃダメなこともわかってるよな。」
時折、ナツキに声をかけて先生は注意を引きつける。でないと、彼は診察室をぐちゃぐちゃにしそうな勢いだ。
ナツキの事は一通り話終えた。先生はナツキを診察室から出して、今度はワタシの話を聞いてくれた。
躁鬱が激しい事。家事が出来ない事。仕事上でのミス。他者との関係。
当時、あまりの鬱の激しさと、自分自身の2面性から、ワタシはもしかして、二重人格かなにかかと思っていた。日頃のストレス。
朝起きてすぐに夕食の献立を考えないと夕飯の支度が出来ない。
ぐちゃぐちゃと泣きながら話すワタシに先生が言った。
「お母さんの方がボクよりも顕著ですね。詳しい検査をしないとわかりませんけれど、お母さんはADDですよ。注意欠陥障害。」
…ワタシが?
「息子さんもそうですね、項目にはすべて当てはまりますね。検査は大きな病院でないと出来ませんけれど、きっとそうでしょう。」
「先生、それは遺伝とかそういうのはあるんでしょうか?」
「まだそこまではっきりとした研究が進んでいない障害なんですよ。」
注意欠陥障害。
注意欠陥多動障害。
息子がそうかもしれないと疑ってはいたが、ワタシの方が顕著に出ているって。
なんだか、おかしくて、笑えて来た。
ナツキとワタシはどうすればいいんだろう?
とても優しそうな先生だ。
「お子さんの普段の様子を聞かせて下さい。何でも話していいですよ。」
ナツキの学校での状態、忘れ物の多さ、45分の授業の愛だ、じっと出来ない状況。何に対しても我慢が出来ない。そんな話をとりとめなくした。
ナツキは診察室にある、いろいろなモノを触っては独り言を言ってみたり、ワタシの話に口を挟んで来たりと、5分としてじっとしていない。
「ボクは学校は好きか?」
「うん。」
「そうか。好きかー。やっちゃダメなこともわかってるよな。」
時折、ナツキに声をかけて先生は注意を引きつける。でないと、彼は診察室をぐちゃぐちゃにしそうな勢いだ。
ナツキの事は一通り話終えた。先生はナツキを診察室から出して、今度はワタシの話を聞いてくれた。
躁鬱が激しい事。家事が出来ない事。仕事上でのミス。他者との関係。
当時、あまりの鬱の激しさと、自分自身の2面性から、ワタシはもしかして、二重人格かなにかかと思っていた。日頃のストレス。
朝起きてすぐに夕食の献立を考えないと夕飯の支度が出来ない。
ぐちゃぐちゃと泣きながら話すワタシに先生が言った。
「お母さんの方がボクよりも顕著ですね。詳しい検査をしないとわかりませんけれど、お母さんはADDですよ。注意欠陥障害。」
…ワタシが?
「息子さんもそうですね、項目にはすべて当てはまりますね。検査は大きな病院でないと出来ませんけれど、きっとそうでしょう。」
「先生、それは遺伝とかそういうのはあるんでしょうか?」
「まだそこまではっきりとした研究が進んでいない障害なんですよ。」
注意欠陥障害。
注意欠陥多動障害。
息子がそうかもしれないと疑ってはいたが、ワタシの方が顕著に出ているって。
なんだか、おかしくて、笑えて来た。
ナツキとワタシはどうすればいいんだろう?
子供は診察できません。
インターネットで調べた心療内科に電話をかける。
自宅から、近い場所で何件かピックアップしてかけてみた。
「子供のADHDの件なんですが…。」
「うちは子供さんの診療はしていないんですよ。」
3件断られた。もう夕方だ。
今日中に診察を受け入れてくれる心療内科はあるんだろうか?
最後の1件と思って、市内のメンタルクリニックに電話をかけた。
「息子が、問題を起こして…。ADHDじゃないかと。子供なんですけれど診ていただけますか?」
「先生に代わります。」
受付の人から先生に電話が繋がれた。すがるような思いで、説明する。
涙声になっていたかもしれない。
「…そうですか。ボクがそんなふうに。可能性はありますね。
診察してみましょう。」
「でも、診療時間が…。」
時刻は午後6時を回っていた。診察受付は午後6時半までだという。
「はっはっは。大丈夫。少しくらいなら遅れてもいいですよ。すぐに連れて来て下さい。お待ちしています。」
電話を切ってすぐに、用意をして車を出す。
まだ泣いている息子を助手席に乗せて、運転しながら話した。
「悪いことってわかってるんだよね。」
「うん。」
「でも電池が欲しかったんだよね。我慢出来なかったの?」
「しらん間に盗っててん。」
「そういうのは、もしかしたら病気かもしれないし、診てもらおうね。怖いところじゃないからね。」
「…」
不安げなナツキ。ワタシも不安でいっぱいだ。
30分ほどで、心療内科に到着した。
「すみません、先ほどお電話したものですが。」
「問診票を書いて、お待ちになってください。」
ついでに、ワタシも精神状態が不安定だったので、診て貰うことにした。
ふたり分の問診票を書いてしばらく待つと、名前が呼ばれた。
「○○さん、どうぞー。」
診察室にふたりで入ると、先生がニコニコ笑って待っていてくれた。
自宅から、近い場所で何件かピックアップしてかけてみた。
「子供のADHDの件なんですが…。」
「うちは子供さんの診療はしていないんですよ。」
3件断られた。もう夕方だ。
今日中に診察を受け入れてくれる心療内科はあるんだろうか?
最後の1件と思って、市内のメンタルクリニックに電話をかけた。
「息子が、問題を起こして…。ADHDじゃないかと。子供なんですけれど診ていただけますか?」
「先生に代わります。」
受付の人から先生に電話が繋がれた。すがるような思いで、説明する。
涙声になっていたかもしれない。
「…そうですか。ボクがそんなふうに。可能性はありますね。
診察してみましょう。」
「でも、診療時間が…。」
時刻は午後6時を回っていた。診察受付は午後6時半までだという。
「はっはっは。大丈夫。少しくらいなら遅れてもいいですよ。すぐに連れて来て下さい。お待ちしています。」
電話を切ってすぐに、用意をして車を出す。
まだ泣いている息子を助手席に乗せて、運転しながら話した。
「悪いことってわかってるんだよね。」
「うん。」
「でも電池が欲しかったんだよね。我慢出来なかったの?」
「しらん間に盗っててん。」
「そういうのは、もしかしたら病気かもしれないし、診てもらおうね。怖いところじゃないからね。」
「…」
不安げなナツキ。ワタシも不安でいっぱいだ。
30分ほどで、心療内科に到着した。
「すみません、先ほどお電話したものですが。」
「問診票を書いて、お待ちになってください。」
ついでに、ワタシも精神状態が不安定だったので、診て貰うことにした。
ふたり分の問診票を書いてしばらく待つと、名前が呼ばれた。
「○○さん、どうぞー。」
診察室にふたりで入ると、先生がニコニコ笑って待っていてくれた。
言い分。
「どうしてお金もないのに、お店のモノを盗ったりしたのっ?」
泣きながらワタシはナツキに訊いた。
「…電池がなくなったから…。」
「電池?電池って何のっ?」
「…ゲームボーイの電池がなくなったから…。」
バスが来るまでの時間、バスを待っている子供達は皆ゲームボーイで遊んでいた。
たまたま、家を出てすぐに電池が切れたらしい。
電池がある場所=コンビニ。
ナツキは何も考えずに、コンビニで電池を盗った。
ただそれだけらしい。
善悪がわからないわけではない。
ただ、1つの事に意識が行くとそれ以外の事が考えられなくなるのが、ADHDの特徴。お金がないと電池が買えない事も、わかっている。
でも、家に帰るとバスに乗り遅れる。
だから、コンビニに行ったのだと。
「悪いことだっていうのは、わかるわね?泥棒したのよ。」
「わかってる。」
インターネットで調べていた心療内科に連れて行こうと思った。
すぐ。今すぐに。
ただの出来心だったら、それでいい。
でも、あまりにも小さないざこざがこの子には多すぎる。
学校での態度。
忘れ物、落とし物の 多さ。
整理整頓が出来ない。
どれもこれも当てはまる。
震える手で、ワタシはダイヤルした。
泣きながらワタシはナツキに訊いた。
「…電池がなくなったから…。」
「電池?電池って何のっ?」
「…ゲームボーイの電池がなくなったから…。」
バスが来るまでの時間、バスを待っている子供達は皆ゲームボーイで遊んでいた。
たまたま、家を出てすぐに電池が切れたらしい。
電池がある場所=コンビニ。
ナツキは何も考えずに、コンビニで電池を盗った。
ただそれだけらしい。
善悪がわからないわけではない。
ただ、1つの事に意識が行くとそれ以外の事が考えられなくなるのが、ADHDの特徴。お金がないと電池が買えない事も、わかっている。
でも、家に帰るとバスに乗り遅れる。
だから、コンビニに行ったのだと。
「悪いことだっていうのは、わかるわね?泥棒したのよ。」
「わかってる。」
インターネットで調べていた心療内科に連れて行こうと思った。
すぐ。今すぐに。
ただの出来心だったら、それでいい。
でも、あまりにも小さないざこざがこの子には多すぎる。
学校での態度。
忘れ物、落とし物の 多さ。
整理整頓が出来ない。
どれもこれも当てはまる。
震える手で、ワタシはダイヤルした。
事件。
ナツキは毎週スイミングに通っていた。
息子の通うスイミングは、スクールバスがあって、近くまで迎えに来てくれる。
いつもの時間にナツキは家を出た。
しばらくすると、玄関のチャイムが鳴る。
「ナツキ君のお宅ですか?」
ドアを開けると、近くのコンビニの店長が立っていた。
隣に泣きはらした顔のナツキが居る。
「…万引きをね、したんですよ。」
「えっ?」
「いえ、今回はね、謝りましたし、もういいんですけど、おうちで注意して下さい。」
そう言われて、ワタシは平謝りに謝るしか出来なかった。
泣いているナツキを家に入れると、ワタシの目からポロポロと涙が出てきた。
息子の通うスイミングは、スクールバスがあって、近くまで迎えに来てくれる。
いつもの時間にナツキは家を出た。
しばらくすると、玄関のチャイムが鳴る。
「ナツキ君のお宅ですか?」
ドアを開けると、近くのコンビニの店長が立っていた。
隣に泣きはらした顔のナツキが居る。
「…万引きをね、したんですよ。」
「えっ?」
「いえ、今回はね、謝りましたし、もういいんですけど、おうちで注意して下さい。」
そう言われて、ワタシは平謝りに謝るしか出来なかった。
泣いているナツキを家に入れると、ワタシの目からポロポロと涙が出てきた。
きっかけ。
数々の小さなトラブルを起こしながらも、ナツキは2年生に進級。
担任の先生は持ち上がりの女の先生。
相変わらず毎日のように学校から電話がかかってくるのには、辟易。
あたしにとっちゃ小さな事なんだけどな…。
学校って、ほんとアレもコレも決められてるのね。
でも、あまりにも事件が多すぎる。
やっぱり、ナツキどっか違うんじゃないか…。
ワタシはインターネットで子供の障害を片っ端から検索しはじめた。
学習障害?うーん、これはない。
テストはいつだって、良い点数を取って来るし、勉強も嫌いな子ではない。
ネットで、はじめて知った「ADHD」
子供のADHDの特徴を読むと
…みごとに当てはまる。
1つの項目も外れる事はなかった。
ナツキ、もしかして、ADHDなの?
そんな不安を抱えていたある日、ナツキが事件を起こした。
担任の先生は持ち上がりの女の先生。
相変わらず毎日のように学校から電話がかかってくるのには、辟易。
あたしにとっちゃ小さな事なんだけどな…。
学校って、ほんとアレもコレも決められてるのね。
でも、あまりにも事件が多すぎる。
やっぱり、ナツキどっか違うんじゃないか…。
ワタシはインターネットで子供の障害を片っ端から検索しはじめた。
学習障害?うーん、これはない。
テストはいつだって、良い点数を取って来るし、勉強も嫌いな子ではない。
ネットで、はじめて知った「ADHD」
子供のADHDの特徴を読むと
…みごとに当てはまる。
1つの項目も外れる事はなかった。
ナツキ、もしかして、ADHDなの?
そんな不安を抱えていたある日、ナツキが事件を起こした。
兆候。
ワタシはADHDなんて言葉、ぜんぜん知りませんでした。
ナツキは元気イッパイで明るくて、人見知りもしない子だったし、少し落ち着きがなくて、乱暴かなと思ってただけ。幼稚園でも 特に目立った感じではなく、普通に集団生活が出来てました。
小学校に上がってから、1年の担任の先生に言われたのが最初です。
「ナツキ君は、とても扱いにくいお子さんで、手がつけられません。」
なんで?
うちではそんなこと全然ないのに。
でも、よくよく考えて見ると、学校の中での集団生活に馴染めないでいるのがわかります。
「うちの子、おかしいのかしら?」
漠然とした不安。
ナツキは元気イッパイで明るくて、人見知りもしない子だったし、少し落ち着きがなくて、乱暴かなと思ってただけ。幼稚園でも 特に目立った感じではなく、普通に集団生活が出来てました。
小学校に上がってから、1年の担任の先生に言われたのが最初です。
「ナツキ君は、とても扱いにくいお子さんで、手がつけられません。」
なんで?
うちではそんなこと全然ないのに。
でも、よくよく考えて見ると、学校の中での集団生活に馴染めないでいるのがわかります。
「うちの子、おかしいのかしら?」
漠然とした不安。
自己紹介。
はじめまして。
ユウと言います。
息子の名前はナツキです。
暑い夏に生まれたので、夏輝。
今はふたりっきりの家族です。
ADDとADHD。
ちょっと出来損ないの脳ミソの私たちの
小さな事件、大きな事件、日常の色々を書き綴っていこうかなと思います。
ADHDに対しての偏見が、少しでもなくなりますように♪
ユウと言います。
息子の名前はナツキです。
暑い夏に生まれたので、夏輝。
今はふたりっきりの家族です。
ADDとADHD。
ちょっと出来損ないの脳ミソの私たちの
小さな事件、大きな事件、日常の色々を書き綴っていこうかなと思います。
ADHDに対しての偏見が、少しでもなくなりますように♪
