「集団で決めた事柄が大きな過ちにつながる。」
現象を指します。
一人で考えれば当然気づいたことが、集団で考えることによって見落とされる現象とも言われます。
何が指摘されるというと
①「過ちの修正をかけなかった。」
②「多くの警告的な情報を封殺していった。」
③「疑問を唱えることを自己抑制した。」
④「自分たちは絶対に大丈夫だと楽観的な幻想を持った。」
これらは、日本軍の研究による失敗の本質で指摘されていますが、ジャニスは、アメリカでの集団浅慮を分析しています。
どこにでもあるということですね。
【ジャニスの提唱した概念】
彼は米国大統領とその周囲のアドバイザーたちの集団を対象とし、後から考えると
①「なぜそんな決定をしてしまったのか。」
②「なぜその危険に気づかなかったのか。」
といった事例を研究しました。
具体的には、
「日本が真珠湾を攻撃する可能性を過小評価した(これは元々ルーズベルト隠謀であるが、現地司令官は気付いていなかった)。」
「各方面からの警告を無視してベトナム戦争へ深入りした。」
などがあります。
それらを検討した結果、ジャニスはグループ・シンクの症状とその症状がもたらす結果と対策を提唱しています。
まず、グループ・シンクには8つの症状があるとしました。
症状1:自分たちは絶対に大丈夫という楽観的な幻想
症状2:外部からの警告を軽視し、自分たちの前提を再考しようとしない
症状3:自分たちが正しいのは当然とし、倫理や道徳を無視する
症状4:外部の集団への偏見・軽視
症状5:異議をとなえることへの圧力
症状6:疑問をとなえることへの自己抑制
症状7:全員一致の幻想
症状8:集団の合意を覆す情報から目をつぶる
ジャニスは上記の8個の症状が、以下の8つの結果につながるとしました。
結果1:代替手段が十分に検討されない
結果2:目標が十分に吟味されない
結果3:決定した案が持つリスクが検討されない
結果4:初期に取り除かれた代替案が再考されない
結果5:情報収集が不十分
結果6:手元にある情報を偏見に基づいて分析する
結果7:うまくいかなかった時の二の矢、三の矢があらかじめ検討されない
結果8:最終的に成功確率が低下する
ジャニスはグループ・シンクを避けるための6つの対策を提唱しています。
対策1:リーダーはメンバーひとりひとりに批判的な目を持つ役割を割り振る
対策2:リーダーは自分の意見や予測を最初は言わないようにする
対策3:それぞれのメンバーはグループの意見について信頼できる外部の人の意見を求めるようにする
対策4:外部の専門家をグループの議論に加える
対策5:最低1名のメンバーが「常に反対する」役割を担う
対策6:リーダーは外部からの警告を検討する時間をあらかじめ確保する
グループ・シンク(集団浅慮)は、歴史において多くの過ちを生んでいます。
しかし、ジャニスが提唱したことを吟味すれば、集団浅慮はかなり確率で防げるのではないかと思います。
されど、一番危険なことは、集団で慢心して、集団浅慮に陥っているにもかかわらず、その状況が分からないことです。
そのグループ・シンクに陥ってる状態に気付き、修正をかけていくにはどうしたら良いでしょうか?
ジャニスの提唱したとおり対策はできますが、もう既にどっぷりはまってしまっている場合があります。
何をチェックすれば、その状態に気付くか難しいところですが、主観的に、
「状況が実態より良いようなフリをすることは、最終的にほぼ確実に破滅に繋がる。」
ことを知るべきです。
これは、光明思想とか、引き寄せの法則を否定するものではありませんが、客観的にとらえれば、
「不都合な情報を封殺しても、問題自体外が消えるわけではない。」
ということです。
不都合な情報を封殺していないか?
それでいて、状況が実態より良いような「フリ」をしていないか?を点検することが大事です。
大きな組織において、ひとりひとりがとても優秀であるのに、なかなか、目標に達成しない若しくは足踏み状態であるならば、軽いグループ・シンクに陥ってるではないかと疑う必要があります。
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