神が与えし瞳。
私の目は、すべてが見える。
見えないものが見える。
それは、私にとって当然の世界。
霊が見えないと言う父を疑ったその日。
冗談で言ってるのだろう。
からかっているのだろう。
他の人は、皆、見えてるのさ。
父はおかしなことを言ってる・・・、
当然の世界ではないこの魅惑の世界。
私と他の人とは、違う世界を生きている。
父には見えない。
誰もが知らない。
それは、神秘の世界。
それは、美しき眩い世界。
ああ、
天使の美しさよ。
その衣装は、光輝を放ち、全身透明・・・、
その姿は、栄光が燃え立つよう。
天使の美しい声も。
天使の合唱は、何にも代えがたく、美しい。
この世のものとは思えない透き通るその声は、心が洗われ、地上をも浄化しかねない。
そして・・・、
その一人一人の天使の徳の高さよ。
そのときの天使たちの特徴を可能な限り述べよう。
その霊格の高さは、顔と容姿の優美さに歴然と顕れている。
その優雅な天使の一人一人の顔と歩き方と所作に、他と異なる強烈な個性が窺われる。
同じ徳と同じ形で備えた天使は、二人と見当たらない。
霊格と威光は、どの方も極めて高い!
しかし、一人一人が他に見られない個性を有し、似通った天使は二人といない。
あぁ、地上の人にこの事をどうして伝えようか・・・。
伝わるはずもない、この世界。
霊的世界は、魅惑の世界。
そして、目眩く神秘の世界。
その美しい世界は、その美事さは、とても言葉には尽くせない。
そして、目の前にいるのは、我らが主エルカンターレ。
何もかもが美しい。
たとえようもなく美しい。
甘美にして、優雅であり、
そのなかに一抹の自己犠牲的慈悲を漂わせ、
それが又お顔の峻厳な雰囲気に和みを添えている。
その結果、そのお顔は、笑顔そのものともなっている。
といっても、決して笑っておられるのではない。
その笑みのなかに、涙を浮かべておられる。
ああっ、
だが、その涙は、悲しみの涙ではない。
己の喜びを、他へ施す喜びの涙である。
その全体の様子に、そのお姿から発せられる実に多種多様な力と美質が渾然一体となった様子が、
側に控える天使の中にあってさえ、
際立った存在となし、
まさしく王者として、すべてに君臨せしめている。
それが、主エルカンターレの霊界のお姿のほんの一つの顕現。
人はいつこの事を知ることができようか?