去年かな？
脱水で3日入院した。
4人部屋で、あたし以外高齢者さんたち。
狭い部屋が、カーテンで4つに区切られてるから、
ほんとベッド4つでいっぱい。
3人の中で、1人は存在感なかった。
後の2人。AさんとBさんと呼ぼう。
Aさんは、スマホで1日喋りまくってた。
脚を骨折したらしい。
朝から晩まで、それはもうぺちゃくちゃと。
うるさくて、売店で耳栓買った。全然効果なかったけど。
それはもう楽しそうで、会話の中で何回も「ありがとう」って言ってた。
ええ、ええ、スピーカーにしてるし、声デカいし、丸聞こえですわ。
退院したら、草津温泉に行くらしい。
家の瓦の1部が壊れたから、業者に頼むらしい。
そしてBさん、(たぶん)内科の患者さんで、1日中えづいてる。ゲーゲー言ってた。
陽気なAさんとこは、よく看護師さんやお医者さんが来て、しばらく談笑してた。
陰気なBさんは、身体がつらいからか、看護師さんにいつも命令口調。
「ベッドの位置変えて！！」「そこはカーテン開けといて！！」などなど。
Bさんには、看護師さんたちも滅多に訪れなくて、来てもすごく事務的に用事をすませて帰っていく。
だけど、あたしが退院する前日の晩。
いつものように看護師さんを呼んだ後、
用事をすませた看護師さんに、
「ありがとう」
って言ったんだ。
そしたら、いつもは冷たい看護師さんが、ガラッと変わったの。
すごく優しい声で「いいんですよ。しんどかったらまた呼んでね」と。
その変化に、陰ながらびっくりした。
図々しいけど「ありがとう」を連発してたAさん
陰キャだけど「ありがとう」を言えたBさん
「ありがとう」て、すごいパワーを持ってるんだな。
あたしも、常日頃「ありがとう」て言うようにしてるけど、
客観的に見て(というか聞いて)、すごーい！！って思ったんだ。
どんなキャラでも「ありがとう」でみんなが優しくなる。
この世で1番大切な言葉だな。
そう思いながら退院したシナであった。
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