お父さんは、外国便のタンカーの船員だったので、
2ヶ月に1回しか帰ってこなかった。
記憶
・タンカーを見るために、お父さんの車で港に行き、ものすごく車酔いした。タンカーは、赤と黒で、ヤマトみたいだった(これが2歳、初めての記憶)。
・庭で肩車してくれた(3歳)。
・りんごをかわりばんこにかじった(3歳)。
・おかんと大喧嘩してた(3歳)。
・うつぶせになって、おかんが背中をマッサージしてた(3歳)
・おかんの実家…つまりおばあちゃんの住んでた家…にあたしと妹とおかんを送って、自分の家…広島市内…に戻ろうとして、車を田んぼに落っことした。クレーン車が来て引き上げた(3歳)
・1月にあたしが4歳の誕生日を迎え、またおかんの実家へうちらを送ってから、市内の自分の家に戻っていく、車の後ろ姿。
・その明くる2月、市内の家にて自死。
・お葬式。黒い人たち。お棺の中で眠ってる、穏やかなお父さんの顔。
・誰かがあたしの背中を押して「お顔にさわってあげなさい」と。
眠ってるようにしか見えないのに、怖くて恐ろしくて、泣いて拒否した。
あたしの、お父さんにまつわる記憶、以上。
妹は1歳だったので、記憶なし。
保育園や小学生、おかんの実家に引っ越して、おばあちゃんと4人で暮らすようになって、
その記憶は色々あるんだけど、
父の日の記憶が1つもない。
誰かを描いてたのかな。
28歳で自らの人生に幕を下ろした、お父さん。
合掌。
お読みいただきありがとうございます。
おやすみなさい🌛
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