おばあちゃんの心がひろいのは、



毎日自然に触れてたからかなあ?



そして、家の事してない時は、



庭に立って、いつも空を見上げてたからかなあ?



飛行機を見るのが大好きで、



通ったら必ず庭に出て、見上げてた。



自然に触れると、心にいいものが降ってくる。



あたしも実家にいた時は、



毎日星空を、飽きることなく見上げてた。



田舎だから、降るようなというか、したたるようなものすごい星空だった。



1分に1回は、流れ星が流れてるのを、毎日感動しながら見上げてた。



今もここで空を見上げてるけど、



星なんて1つも見えない。



飛行機は見える。



おばあちゃんは、今は老人ホームに入ってしまったから、



空を見上げて飛行機を見ることも、もうできない。



でも、心は広いまま。



ホーム最年長だけど、1番元気でしっかりしてる。



お菓子も果物も、もう好きな時に食べられない。



こないだの手紙には、



「カレーライスが出て嬉しかった」って書いてあった。



おばあちゃんは、煮物や煮魚よりも、ローストチキンやオムライスが好きなのだ。



もう自由に、食べたいものを食べられない。



いつもデイサービスに行ってて、お菓子もカフェオレも出てたから、



そのイメージでホームに入ったんだけど、



みんな車椅子で、食事も介助してもらわないと食べられない人ばかりだと。



だから、メニューも柔らかく刻んであるものばかりだと。



そのホームは、食べ物の差し入れ厳禁。



OKなら、いくらでも送ってあげるのに。



おばあちゃんとの思い出はたくさんあるけど、



空を見上げて、飛行機が通ると笑ってた、



その姿が、1番印象に残ってる。



あたしも、ベランダから毎日空を見上げてる。



旅客機もたまに見れるけど、ほとんどが、自衛隊の飛行機やヘリコプターだ。



おばあちゃんに、またローストチキン作ってあげたいよ。



また空を見上げてる姿を見たいよ。



差し入れも厳禁だし、外泊も禁止。



厳し過ぎでしょ。それとも他のホームも同じなのかな?



食事が楽しみだから、電話した時も手紙の最後にも、



「ご飯の時間じゃけーまたな」



て、あたしが置いてけぼり(笑)



おばあちゃんに、また空を見せてあげたい。



お読みいただきありがとうございます。