「いにしえの…」



という言葉に触れると、涙が出そうに悲しくなるのなぜだろう。



あたしは風景だけの絵を描くのが好きじゃない。



動物だけとか、植物だけとか、描かない。



人を描くのが好きだ。



しかも、尊敬してるアニメ監督さんがいるから、



似顔絵じゃなく、アニメの顔になる。



その監督さんが好きで好きで、彼みたいに上手くなりたくて、



描きまくって今の絵に落ち着いた。



とは言っても、ブランク激しいから、腕落ちまくりで、なかなか納得いくのが描けないんだけど。



昔みたいにサラサラ描けたらいいのに。



それには描いて描いて描きまくらなきゃいけないんだけど、無気力なことが多くて、気を削がれる。



アニメーターになりたい❗



って情熱があるうちに、その方面に進みたかった。



中学生の時に言ったら、猛反対されて恐ろしいくらい叱られて、1円も金出さんから、今すぐ学校やめて働けとか、脅されて諦めた。



勉強勉強勉強の毎日。



家庭教師に塾3つとか行かされて。



高校の卒業文集には、



「やっと中間や期末や中ブロや偏差値、勉強から解放される」



って書いた。



外語大学に入ったけど、語学に纏わる仕事につきたいとか、全然思わなかったから、遊んでばかりいた。



んで、諸々諸々あり、今に至る。



心のままに行かせてもらえてたとしても、



結局挫けて、今と同じになってたかもしれない。



でも、やり切ったって思えただろう。



少なくとも、おかんを恨むことにはならなかっただろう。



今更謝られたって(謝られてないけど)仕方がない。



でも許せないのが、



今になって「シナちゃんは絵が上手いんだから、絵の仕事すればいいのに」



シネ❗って思った。



今も「作品」はほとんど描けてないけど、スケッチブック何冊も、デッサンやら顔やら、



監督さんみたいに、また描けるようになりたいって思って描いてる。



無気力ながら。



プロになんて到底なれないし、なりたいとも思えない。



情熱をかけられるほどのものが、ないんだ。



空虚。



絵じゃなくても夢中になれるものがあればいいのに。



見えないよ。



このまましんでいくのかな。



何も残せないまま。



怒るにもパワーが要る。そのパワーすらないけど、



心の奥底に、小さな、微かな、怒りに似た赤い点があるんだ。



これは怒り?あたしは怒ってるのか。



おかんに対して。それに対抗せずに、諦めてしまった自分に対して。



怒りと諦めの間にいるのか?



情熱を傾けられるものが欲しい。



そしてまた、無気力へと沈んでゆく。