あたしには強い見捨てられ不安がある。



4歳の時、お父さんが自殺した。



でもそれは発端とは言えないかな。



残されたおかんとあたしと妹。



おかんはスパルタで、あたしたちが何かやらかすと、出ていけ!って言われてた。



小学生だったうちらが出ていけるはずもなく。



ほとぼりが冷めるまでビクビクしていた。



中学になって、絵を描くことが大好きだったあたしは、アニメーターになりたかった。



それをおかんに打ち明けると、



「そんなもんで食べていけるわけがない!なるんなら、今すぐ出ていってどこかで働け!」



って一蹴された。




勇気のないあたしは、飛び出していくこともできず、泣く泣く諦めた。



家庭教師をつけ、塾のかけもちに申し込まれ、短大の英文科に合格した。



受験のために勉強していたあたしは、合格とともに英語に興味を失い、遊んでばかり。ギリギリで卒業した。



卒業ギリギリで、かずくんという彼氏ができた。



1年地元の広島でバイトが決まっていたので、かずくんとは1年遠恋した。



高卒だからという理由で、おかんには猛反対された。



でも泣きながらバイトしてお金ためて、月1で大阪のかずくんに会いに行ってた。



反対を押しきり、半同棲が6年続いて、最初の一途さを失ったあたしは、かずくんに対して傲慢になっていった。




そして、かずくんの浮気→本気



やっと自分の愚かさに気づいた。




6年も一緒にいて、婚約もしてた。



なぜ?



「シナは顔はいいけど、性格悪いから」



と、話し合いの度に言われた。



どんどんあたしは病んでいき、大量服薬や飛び降り未遂を繰り返した。



その度にかずくんは震え上がり、完全に相手へと行ってしまった。



拒食症になり、一週間で7キロやせ、緊急入院させられた。



かずくんのいない世界が、恐ろしくて仕方なかった。



一週間で退院したけど、



かずくんはいない。
もう会うことも許されない。



実感が押し寄せてきて、



[見捨てられた]



そう思った。



自分のせいで、一番大切なものを無くしてしまった。


あたしのせいで。
あたしのせいで。



自殺完遂したかったけど、怖かった。



そして復職し、しばらくは元気な状態が続いた。


けどかずくんのことを考えない日はなかった。だんだん仕事が手につかず、朝起きられない状態が続き、ついに電話で退職することを伝えた。



床にうずくまって、震える手で引き継ぎノートを書いた。



わずかな荷物と退職金が送られてきた。



仕事はとても好きだったのに。



今思えば、入院前が鬱で、退院後しばらく躁だった。


退院後しばらくは、何でもできるような気がした。周囲にも強き発言をしてた。



そしてまた鬱期になり、会社をやめざるをえなかった。



実家でしばらく休養するために、全ての手配を妹にしてもらい、帰った。







続く。