《妄想物語》A HAPPY NEW YEAR ③ | みんなちがってみんないい

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田中圭くんを中心に
過去や現在大好きなもの
日常の中で思う事
発達障害の息子の事
そして
おっさんずラブ春牧onlyで
二次創作を書いています

大好きなものを大切にして
自分と違うものにも
目を向けてみる

皆違って皆いい
好きなものを好きと言おう

翌日
俺は、凌太の実家に向かった。


『ごめんください。』

『いらっしゃい!待ってたわよ。創一くん。』


凌太のお母さんは、
いつも温かく迎えてくれる。

結婚指輪を買った事を報告してから、
凌太のお母さんとそらちゃんは、
俺を名前で呼んでくれるようになった。

電話やLINEは、ときどきするが
家にお邪魔するのは、
凌太がシンガポールに行く前だから
3ヶ月ぶりか…


リビングに通されると
そらちゃんと恋人の真輝くんがいた。

そういえば、真輝くんは、
花火大会で、みっともない姿を見られた以来だな。


『真輝くんだよね。あの…、花火大会の時は……。』

『いえ…気にしないでください。大丈夫です。あらためまして…鶴久真輝です。よろしくお願いします。お義兄さん。』

『お義兄さん?』

『凌太さんと創一さんは、お義兄さんなので。』

『あっ、そっか…。』


何だか、そらちゃんの恋人に、お義兄さんと呼ばれると、少しむず痒い気持ちになる。

家族……という事になるんだな……。


ってあれっ?


『創一さん、私達、来年の6月に結婚するから。』

『えっ?ほんとに???おめでとう!』


お母さんは、嬉しそうに笑っている。


『うちの子、どちらも幸せになってくれて、嬉しいわぁ。』

『まだ、幸せかどうかは、わからん。』

『お父さん!』


お父さんの登場に、俺も真輝くんも
直立不動になる。

そっか、俺達、同じ立場。


『お父さん!お邪魔してます!!!』


俺と真輝くんの声が揃って、
ちょっとおかしい感じになった。


『やぁねぇ~、二人とも、声合わせちゃって。』


俺だけじゃなく、真輝くんも、
お父さんには、まだ認められてないのかな…。

そう思って、真輝くんを見たら
真輝くんも、俺の方を見ていて
思わず二人で、苦笑いした。


『お前達、気が合うみたいだな。気が合う者同士、ゆっくりしていけばいい。俺は、用事があるから出かける!』

『お父さん……。』


そう言い残すと、お父さんは、
ほんとに外出してしまった。

それでも、いつもと変わらず、お母さんは、ニコニコしながら言う。


『ごめんなさいねぇ、相変わらず、不器用な人で。』

『いえ…こちらこそ、急にお邪魔してしまって、すみません。』

『違うのよ。実は、創一くんが来るってわかったから、真輝くんを呼んで、顔合わせすればいいって、お父さんが、真輝くんを呼ばせたのよ。』

『えっ?』

『新しく家族になる者同士、ちゃんと会わせた方がいいんじゃないかって、お父さんが…。』


そうだったんだ……。
                      

『だけど……、まだお父さんも気持ちが追い付いてない所があるから、お父さんの事、待ってあげてね。』

『……はい。』


お父さんの気持ちが、とても嬉しかった。
俺も、お父さんに、
安心して受け入れてもらえるように、
もっと自分を磨かなきゃいけない。


『さぁ!お父さんは、仕事でほんとに出ていっちゃったから、ご飯にしましょう!今日も、唐揚げよ。』


やった!唐揚げだ。
凌太が作った唐揚げと全く同じ味の唐揚げ。
一口食べたら、とても幸せな気持ちになった。


『美味しい……。』 


思い出すな…凌太との生活……。
何でこんなに凌太で頭がいっぱいなんだろう。

ちょっと女々しいくらいだ。
しっかりしろ!俺。


『創一さん!涙目になってるよ!大丈夫?』


そらちゃんに言われて、我に帰る。


『大丈夫。あっ、そうだ!実は、今日来たのには、理由があって。実は、もう明日なんだけど、高級旅館の宿泊券と航空券ペアでもらってさ、そらちゃんと真輝くん、行かないかなと思って。』

『明日?ごめんなさい、真輝と私、明日カウントダウンライブに行くから、無理なんだ!』

『そっかぁ…。やっぱり、駄目かぁ。』

『創一さん、行けばいいじゃん。』

『でも…一人じゃ……。』

『今時、一人なんて珍しくないよ。せっかくの高級旅館なんだから、行っておいでよ。』


すると、真輝くんも畳み掛けるように言った。


『俺、明日、空港まで送りますから。行きましょう!』


そうだな……。
もったいないし、一人でも行くか……。


結局、明日
一人で大分に行く事に決めた。