**間が開いてしまいましたが
カナと兄貴の別荘での最後の夜**
彼(相葉)が迎えに来て
カナは、別荘にはいないと思ってた
一緒に行ったと思ったんだ・・
なのに――――
「おかえり」
「なんでいるんだよ……
彼と、ちゃんと話したの?」
「ちゃんと話したよ……」
穏やかに頷いた
この顔を見れば、心配の必要はない
「すべて受け止めてくれた
この先、一緒に幸せになろうって
言ってくれたよ……」
「そっか。」
「明日、迎えに来てくれる
だからお兄ちゃんと過ごすのが…」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20171223/15/adgj1212777/33/1a/j/o0786058914096506443.jpg?caw=800)
「そうだね、今日が最後」
ふたりで過ごす最後の夜――――
「お兄ちゃん、今までごめんなさい」
「何がごめんなさいなの?」
「わたし、ずっとずっと
お兄ちゃんに迷惑かけてきたね…」
「そんなこと考えたことなかった」
……迷惑とか考えたことない
カナの為なら何も苦じゃなかったし
むしろ………
ずっと、俺の中で光であった
俺はそうだったけど
カナはどうだろう?一時は
俺に笑顔を見せなくなったよね。
そして、いつも俺に言う言葉は……
「そういえば、カナは
いつも“ごめん”ばかりだったね」
「それは…
今だから言うけど………
お兄ちゃんのこと好きだったから」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20171224/14/adgj1212777/a3/a2/j/o0626096014097189967.jpg?caw=800)
「……好き……?」
「ちゃんと“恋”の方だよ
だから、あの時はお兄ちゃんを
好きになってごめんなさいと…」
胸が詰まる――………
それじゃ、俺とカナは同じ想いで
同じようにごめんと苦しんでたんだ
カナを抱き寄せた
抱き寄せた彼女の中で聞こえるのは
カナのお腹の中に芽生える命
2つの命の鼓動が
トクン……トクン……
優しく奏でてる気がした
その2つの鼓動を聞いたら――――
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20171224/14/adgj1212777/47/2e/j/o0616096014097189976.jpg?caw=800)
「ありがとう」
“俺も同じ想いだった”
……という気持ちはしまい込んだ
“ごめん”と唱え続けてた代わりに
ありがとうと告げた
抱き寄せたまま背中をトントンする
「お兄ちゃん〃〃」
「子供の頃、よくやったよね
怖い夢見て夜泣きした時とかさ」
―――静かな部屋の中、
お兄ちゃんは優しく私の背をなでる
子供の頃……
こうして背を撫でて貰うとほっとした
「これからは、カナが子供にこうして
安心を与えてあげるんだよ」
「うん……」
あの頃…お兄ちゃんへ切ない想いを
抱えて過ごしてきた夜。
雅紀さんに出逢い、
自ら臨んだはずの割り切り関係に
切なくて泣いた夜もあった。
でも、これからは………
雅紀さんと笑って生きていきたい
「お兄ちゃんありがとう」
お兄ちゃんとは家族だから
ずっと、ずっと、切れない糸で
繋がっているからね・・・
カナが眠りにつき、そっと髪を撫でる
同じ想いを知った最後の夜。
……悲しい夜。
でも、今、巡るのは………
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20171223/15/adgj1212777/97/86/j/o0601030614096527204.jpg?caw=800)
「こんにちわ
カナちゃんのお兄ちゃんだよ」
初めて会った時
小さな手で…俺の指を掴み
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20171223/15/adgj1212777/68/b8/j/o0640030214096527208.jpg?caw=800)
にっこり微笑んでくれた
そして―――
ふたりで笑って過ごしてきた日々
カナとの愛しい思い出たちが………
幾つも溢れてくる
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20171223/15/adgj1212777/01/99/j/o0835062714096527209.jpg?caw=800)
「おやすみ」
しあわせになるんだよ・・・
だから、俺の中で………
この夜は――――
……悲しいよりも
世界で一番、優しい夜……。