孤独感は相手との関係が途絶えたという自分の勝手な思い込みから生じている。子供や孫との愛情や絆は離れていてもつながっているもの。しかし、付き合い方は相手が成長するにつれて変えていくのが自然。


高齢者が孤独感に悩まされるのは時間を持て余すようになることが大きな原因。体の動きが悪くなり、目や耳などの感覚器官が衰えてくると何も行動しない時間が増えて、考える時間ばかりになっていく。大抵の人は、過去の失敗や人間関係の過ちを悔やみ、不満や辛いことばかりを頭の中で反芻してしまう。


 孤独への対策としての対話は、まず歓迎されない。相手は決してあなたに辛い思いをさせたいわけでもないし、あなたが嫌いなわけでもないけど、みんな自分のやることがあって忙しいので、とりとめのないのんびりした話に付き合う余裕がないだけ。

自分だって、若い頃に来る日も来る日も年寄りとの会話を楽しんだ記憶なんてないでしょ。


ところでまだお一人ですか?お子様はいらっしゃいますか?など、自分の好奇心から聞きたい話題ほど相手にとってどうでもよかったり、逆に詮索されたくないことである可能性もある。相手の気分を害するような余計な詮索が増えるなら、コミュニケーションの量は増やさないほうがいい。


 自分の体の不調や病気については、他者に打ち明けても良いが、必ずしも慰めてもらえるとは限らない。


 昔の友人に昔と同じ関係性を期待するのはやめよう。十数年以上も経っていれば、相手の趣味も、価値観も変わっていて孤独感を抱くことになりがち。