六本木の桟橋と船 | angoの世の中フラリフラリと

六本木の桟橋と船

嘗て六本木に小さな桟橋があって
小さな船がいつでもあった

記憶を辿って探したらもう無かった
外苑東通りを飯倉片町に向かって
六本木交差点を過ぎると今はドンキホーテと言うのがあるらしい
それが何だか知らないけど
その裏にある路地の向こうはぐっと低くなった墓地である
その土手の様な所に突き出した桟橋がセイゼイ4メートルほどの桟橋の突先に丸い小さな砲金の船窓の付いたドアーがあって
その中が船だった
小さなバーだ

夜のお墓は海で
だから小さな窓の外は夜の海だった
7、8人位は入れたかも知れない
当時はお墓の向こうは赤坂で高いビルは殆ど無かったから
遠くに対岸の街があった

その店は
ある人が六本木の小さなビルの小さな空間に
店を開くその設計をしていた頃
面白いところがあるから行くべぇと言う事に成って始めていった

あの店は何にも無いからと言う事で瀬里奈でしゃぶしゃぶを詰め込んで後
行ったのだと思う

散々褒めた後
後日 横浜にあったピア・ブランカと言う矢鱈とでかい店への
様子見と飲み食いに発展するのであった

昼近くまでの遅刻しながら骨董の山の中で設計しながら
夜中まで仕事と称して
あちこちブラブラしていた頃の話だ

散々舟の感じの店を見たけれど
出来た店はそんな物の欠片も無かった
20坪もない店だったけれど
ピアノ一台とメイプルの一枚板のカウンター
それだけがオーナーの希望だったのだ

その店のオープンの日は
全国から招待の300人近く詰め掛けて
大騒ぎになった

それは兎も角
六本木の桟橋はもう無い様だ