懐かしのニュース
タイのテレビ局は
定められた基準の中で番組み構成をしなければいけない
CMを除いた放送時間の
7割をニュースに使う
夕方のニュースで
奇妙な生物発見さる!
と言うのが流れた
今日の朝
田舎の高床の家に住む普通の男が
外に出ると
奇妙な生き物が水溜りの中に居た
男はそれを
捕まえ
ガラスのビンに入れ飼う事にしたが
飼い方も判らず
近所の人が集まり
その奇妙さが騒ぎになり
誰かがテレビ局に電話して
その映像と伴に夕方のニューストップになった
何処のTV局も取り上げ
朝のニュース
にも登場し
3日ほど騒いだ
日が経つに連れて其処の家の家族まで画面に顔を
出す様になりお父さんはそれをビンの中から素手で出して
カメラに差し出し
何も食べてはいないが弱りもしない
早く正体を知りたい
そう言った
傍らにはその人の子供が
急に有名になった親父さんと一緒にいる
タイにはふざけたニュース番組は無いから
ずっと昔のNHKの様な
感じだ
ついに国立大学で解剖する事になって
バンコックのチュラロンコン大学へ運ばれた
解剖は公開され
TVカメラが何台もアラユル方向から
据えられ
記者の質問が幾つかあり
教授は答え
手術用のゴム手袋をハメタその脇には
メスやら何やらが用意されていた
三人の学者は暫く覗き込んでいたが
中央の一人が
グッと掴んだ
両手で二つに引き千切った
ザワメク記者たちを尻目に手だけでぐちゃぐちゃにしたかと思うと
骨だと言われてきた白いものだけにして広げた
透明の肉に透けて見えていた白い筒状の軟骨のような物は
実は
平面でそれが筒状になっていた事が明らかになり
三人の学者が再び
じっと見ている
先生!
一体正体は何ですか?
解剖台の上にその白いものを広げると
見覚えのある形だ
教授は言った
熱さまシート
発見者の男の息子が
その前日に熱を出していたことが全国的に報道された
息子が窓から捨てた熱さまシートが
ふやけたので
怪生物ではありませんでした
と言うニュースが
その後二日間流れた