停電―2 | angoの世の中フラリフラリと

停電―2

 

停電―2


最初こちらに来たとき

停電が面白かった

雨季の雨と言うのは今とは違って

まず

突然黒い雲が現れたと思うと

ぐんぐんと低くなって来て、と同時に地面にあるものが雲の中に

吸い込まれて入く

木の葉やゴミが渦を巻いて雲の中に吸い込まれて行くのだ

地面には冷たい空気が叩き付けられる様に吹いていて

頭のすぐ上で雷が鳴りそれを合図に

どしゃ降りになる

道路は川になって 自動車は波を立てている

それが20分もすると

ハイこれまでです

と言う感じに雷が鳴って

バケツを引っ繰り返した様な雨はピタリと止んで

綺麗な青空に変わる

日差しが強く濡れた街が眩しい


そして


このときに大概停電になるのだった

だから停電が普通の事で雨季の日常だった訳だ


夜の繁華街でも例外などある訳も無く

オープンバーにとまって

酔っ払いの行き来を酔っ払いが眺めていると

冷たい風が吹き荒れて

一気に雨になって

停電する


すると突然に人が走る

店が真っ暗になった隙に勘定を払わずに逃げる輩だ

逃げ切れないぞー

と思っていると

矢っ張り追っ手が走る

大概ムエタイの経験者の用心棒だから カナリ荒っぽい


追いついたが最後

殴る蹴るの制裁になって 野次馬が道路を塞ぐ

逃げようとするのは

大概酔っ払った観光客だった

こう言うのは警察もあまり関与しない

悪いのは逃げようとした方だ

遊びに来たはずの観光客は相当痛い目に合う


停電も

調子に乗って逃げようとする気分も

コテンパンに殴るのも

どれも悪いとは思えない不思議さがあったものです

停電の景色でした