世界的に有名な映画監督がいる。
彼は撮影現場では暴君として恐れられ、戦争映画を撮る時には、本当に戦争を再現したと言われるぐらい、リアリズムを追及する有名な監督だ。
『地獄の黙示録』
監督はフランシス・フォード・コッポラ。
プロデューサーとしてクレジットはされていないが、彼の作品のほぼ全てを手助けしているのは彼の妻、エレノア・コッポラ。
金使いの荒い監督の援助は本当に大変だったと思う。監督の思いを全て受け入れて形にするのは難しいだろうし、どこかでお互い妥協しながら、作りあげていく。
彼のプロデューサーは妻だからこそ出来た仕事だったと思う。
あの有名なマフィア映画以降、彼は終わったと言われている。
盟友ルーカスや、スピルバーグのようなヒットメーカーと違い、彼の作品は独りよがりのものばかり。
しかし、それでも新作を待ち望んでいる、オールドファンもいる。それも構想から40年かけて製作されたとなれば、期待は膨らむばかりだ。
『メガロポリス』
1億2千万ドルの制作費をかけた超SF大作だ!
実はこれを完成させたすぐ後に、残念ながら彼の妻エレノアはなくなった。
そして忘れてはいけないが、エレノア自身も作品を残している。
彼女が80歳で初監督した『ボンジュール・アン』
夫婦生活20年、一人のフランス人男性と出会い、旅をすることになり、彼女は若い頃の自信と輝きを取り戻す。エレノアを演じたのがダイアン・レイン(いくつになっても美しい!)
これは実話と言われており、人生賛歌で、とてもポジティブな映画だ。
そして、この映画をプロデュースしたのが、コッポラなのだ。嫁さんの淡い恋話を製作してやる器のデカさ。
まあ、彼自身、数々の女性との疑惑があると言われている。
有名なのは『地獄の黙示録』の撮影中のソフィア(娘)のベビーシッターで雇った大学生(後に『E.T』シナリオライター、後にハリソンフォードの嫁!)との不倫疑惑など…
話しは長くなったが、夫婦にはいろんな形がある。
夫のキャリアを優先することに悩みながらも、長い間助けてきた彼女。
当たり前だけど、そこには夫婦でしかわからない深い信頼関係や絆があったと思う。
映画製作に携わり、夫への不評や様々な疑惑にも耐えてきた、彼女のご冥福を心よりお祈りしたい。
そして、彼女の熱い思いが込められた『メガロポリス』が日本でも公開できるように、切に願いたい!
その夫が作った、史上最高の駄作だとしても、僕は映画館へ足を運びたくなるだろう。
最後にこいつら、ホントに夫婦になれるのか?
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