いと、二歳♀、マルプー。


嫁さんが異常なほど気に入ってうちにやってきた、とびきりかわいいガール。

名前の『いと』は、関西で言うところの「おいとはん」から嫁さんが名付けた。

決していとし・こいし師匠からではない。

だからなのか、家でも外でもお母ちゃんにべったりな娘。

ご飯もいまだにお母ちゃんのお手々からじゃないと食べれない日もある。まあ、甘やかしすぎたな。

性格もよく、誰からも愛され、いと自身も人も犬も大好き、ただ一人を除いては。

妹のアデル。彼女の存在が姉には鬱陶しくてたまらないのだ。

今まで独り占めだったお父ちゃんもお母ちゃんも妹が来てからはそうではなくなった。特にお父ちゃんは、アデルだけ連れてよく外出するようになった。

益々、お母ちゃんにべったりになり、妹にはきつく接するようになる。

犬は嫉妬心が強い生き物というが、全くその通りだと実感した。

だが最近、少しずつ変化がみられる。

一緒に生活して3ヶ月過ぎたが、お尻を持っていったり、妹のお尻の匂いをよく嗅ぐようになってきたのだ。

桜が咲く頃には本当の姉妹のようになっていると、お父ちゃんは信じている。