の続きで、
この映画(Dawn of the Planet of the Apes)
について語るのは、今回でオシマイです。
となれば、
書き漏らしのないように、
『ライジング』の素晴らしさを書き尽くしておこうと思う。
(※以下、もちろんネタバレです)
1.やり残しなしの完全燃焼
賢明なシーザーが、いかに紛争を回避するかが見所なので、
争いが回避されて終わるという筋立てもアリ、
…というか、その方が現実的だけど、
どっこい映画としてシケた終わりにならないように、
きちんと戦いとクライマックス、アクションがあり、
またそれが「添え物」に堕さずに、
見せ場として立派に機能している。
まさに「やり残しゼロ」の完全燃焼。
そのサービス精神に頭が下がった。
もっとも、話は「つづく」(尻切れトンボ)で終わるから、
「やり残してるじゃん」
と感じるムキもあろうが、
本作の役目は、
『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』(1980)や、
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『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989)と同様に、
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1作目と3作目をつなぐ橋渡しなので、
この作品自体が、
ドラマの結末を語り尽くす必要はないわけだ。
ただ『新世紀』が、『帝国』『BKTF PART 2』と条件が異なるのは、
他の2作が、制作時には三部作構成が決まっていたのに対し、
21世紀再起動『猿の惑星』は、
1本目『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(Rise of the Planet of the Apes)
製作の時点では、続編は全くの白紙だったし、
2本目『猿の惑星:
製作の時点では、3作目は全くの白紙だった。
どちらも、
撮影中には続編を作るかどうかは未定
という、変則的な成立過程なため、
とにかく『
ここ(それまくる話・67/『猿の惑星:新世紀』〈その3〉)で述べたように、
「種別の差ではなく、個体の優劣が存亡か破滅かを分ける」
ということだけで、それはきちんと達成されており、
だからこそ私は大満足だった。
さて、では3作目を満たす要素は、もはや枯渇し尽くし、
スカスカの水増しになる恐れもあるが、
そこはそれ、『創世記』『新世紀』と尻上がりに良くなっていったから、
抜かりはないとは思うが、
『猿の惑星』シリーズお家芸の、
「ひねり」や「どんでん返し」の要素になり得ながら、
『創世記』にはあったのに、
『新世紀』でまるで顧みられなかったものに、
ジョージ・テイラー船長の火星有人探査船イカルスが、
帰途で消息を絶ったというエピソードがある。
まあ、物語では10年以上が経過していて、
生存は絶望的だとは思うし、
あくまでもオリジナル『猿の惑星』(1968)へのオマージュとしてはさまれた枝葉に過ぎないと言ってしまえばそれまでだが……。
3作目でいきなりテイラー船長が出て来ても、
「こいつ誰やねん?」と、
唐突な印象は否めないでしょうしね。
2.ご都合主義の徹底排除
映画に限らず現実社会でも、
よくよく考えたらヘンなのに、
見過ごされてしまうことがある。
たとえば『新世紀』で、
実際にはやらなかったけれど、
よくありがちな事といえば、
*ジェームズ・フランコ(シーザーの育ての親)が生き延びている
*新登場の家族(夫婦と息子)が元からの「ホンモノの家族」で、
3人揃って猿インフルを生き延びた
*シーザーの息子は人間の言葉が話せる
————等々、そうである理由は
「主人公だから」という、
あくまでも物語の都合しか考えられない。
いや、物語上の都合で、
実際ならありえないことなら、
他にあちこちあるにせよ、
(そしてそれは、『創世記』でも何回か見直せば気づいて来るが)
それとこれとは、話が別なんである。
映画についてはこれで終わりだけど、
関連してオマケ記事を後日展開予定です。