31 | 空痴漢

空痴漢

次の痴漢の衝動が空を切るために。

前回の記事から間が空いてしまった。


この1ヶ月ほどは、「時間を余らせておくのはよくない。現状を一歩前に進めて忙しくしなさい」と主宰者から言われていたが、うまくいかないイメージばかりが大きくなり、不安に苦しめられてなかなかアクションを起こせなかった。


いっぽう、道場での人間関係の中で、思うように親密な会話ができない自分を責めたり、かと思えば、相手に対して恨みがましい気持ちを抱いたりしていた。


被害妄想がひどくなり、「どうせ皆に嫌われているのだろう」「こんなわたしに、主宰者もそのうち愛想を尽かすだろう」という考えが四六時中アタマを占めていた。


そうした中で結局わたしがしたことといえば、せっかくそれまで少しずつできてきた道場の人間関係を遠ざけ、そこから退却することだった。


食事もろくにとらず、歯も磨かず、何日も風呂にも入らず、掃除もせず、ゴミだらけの部屋の中に引きこもり、埋没した。


目が覚めているあいだは、ポルノを見て、マスターベーションをして、射精の陶酔感以外の感覚を麻痺させた。

四六時中そんなことをしていると、しまいには勃起もままならなくなり、無理やり射精だけするような状態だった。


それに疲れると、YouTubeでお笑いやどうでもいいようなものを見た。


よかったことといえば、何本かの映画を観られたことくらいだ。


疲れ切って眠ってしまったら、今度はいつまでも眠りにしがみつき、起きて現実に引き戻されるのを必死に避けようとした。