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「私には『間違う力』があると言われている」
そんな書き出しから紡ぎだされていく数々の珍体験に、驚いたり、これは自分は経験したくないなあと引いたり、でもそんな間違い続けて人生を楽しんでいる著者をちょっとうらやましくも思ったり。
表題作の「世にも奇妙なマラソン」は、アフリカはサハラの砂漠地帯で実施されているフルマラソンへの参加を突発的に決意してから、当日走り終えるまでの高野氏の苦悩と満悦の日々を描いている。
個人的にも旅はとても好きだが、いわゆるバックパッカー的な、いわばゲリラ的な旅はしたことがない。椎名誠氏の探検隊もののエッセイも好んで読んでいるが、結局自ら経験することのないまま今に至っている。学生のうちにやっておけばよかったと後悔するのも、今となっては単なる社会人の言い訳にしかなっていないことに気づく。
うーむ、ちょいとゲリラトリップを検討してみたくなる、そんな一冊。