久しぶりです。
失業2か月目に突入した夫のことは愚痴りたかったのですが、
ブログを書く気にはなれず、パソコンさえ開きませんでした。
精神が元気がなかったわけではなく、良いこともありました。
引きこもりから、抜け出しつつもあります。

今日は、久々にパソコンを開いたら、
サッカー選手への人種差別発言のニュースが飛び込んできて、
それについては常々言いたいことがあったので、久しぶりにブログを開きました。

前に差別について書いたときはブログを始めたばかりで、
デリケートな話題で人を非難するような意見を書くと、炎上とやらをしてしまうのか(笑)?
と心配して本音が書けなかったのですが、もうだいぶ開き直ってきたので、書いてみます。


20年程前、私が外国で働いていたとき、同僚によく「日本人は変だ。」という人がいた。

そのたび私は、「あいは変だというならいいけど、日本人が、というのは許さない。」と言っていた。

自分が非難されるなら、反省したり、正当性を主張したり、個人の好みと片づけるが、

日本人であることをけなされた場合は、そうはいかない。

誰も自分の人種は変えられない。

どんなに自分が良いことをして良い人であっても、認められず、

人種でひとくくりにされ、評価されるほど理不尽なことはない。

私であること、母であること、妻であることととも違って、

人種を否定されるということは、自分の両親、先祖から流れるこの血、

必死に生き残ってきたこの存在を否定されるということになり、決して許せない。


問題発言をした高校生は、喧嘩のように相手が一番怒る言葉を発して

大成功したのだろうけど、思いもよらず大ごとになって

よく考えて、きっと反省していることでしょう。


あの高校生のように反省する機会がなく、まだ人種差別する人がいたら、

目をつぶって必死に考えてほしい。想像してほしい。

言われた方は、どれだけ悲しいか。


想像力が乏しく、差別された人の気持ちがどうしても分からない人にはぜひ、

仲間とばかりいないでひとりで日本から出て、

差別されてみてほしい。



ところで、日本人であることに誇りを持ちながら私が住んでいる、カナダ地方都市の郊外。

人種の比率は20年前と10年前であまり変わりはなかった。

見た目だが、90%が白人。5%中国人。

残る5%に、先住民、インドを含む中東系、アフリカ系、日本人、他アジア人、南米系などだった。

が、今年移住してみると、この構成が全く変わっていた。


パッと見、30%が白人。30%中国人。20%インド人。10%アフリカ系。

5%がフィリピン人。残る5%が先住民、南米系、アジア系、他。日本人には会わなくなった。

白人の中には多くのロシア人、ウクライナ人が含まれ、カナダ生まれはもっと少ない。

カナダの人口の移民の比率は今、25%と言われているが、

2世3世は移民に含まれていないし、30歳以下で見ると全く違ったことになると思う。

大学にいると留学生も含まれるため、周りにいる20人全員が中国人と韓国人いうこともあり、

ゆる~い教育を受け、人々がゆる~りと働いているカナダは、

もうすぐ勤勉な中国人の植民地になると思ってしまう。


そんな感じなので、ほとんど差別は感じない。

冗談が下手なアジア系に対する見下しは少し感じるけど、

明るく楽しいアフリカ系の人たちなど穏やかに暮らしているように見える。

それぞれの人種がそれぞれコミュニティーを作り、

その文化を保ったまま共存している、ある種理想の国家に見える。

(アジア系とその他との混血は少数派で、非国民的にさえ映る。)


ところが、このまえプールの更衣室でこの社会の裏を見た。

私が個室でシャワーを浴びていると、更衣室が騒がしくなった。

女子高生が水泳の授業を終え着替えを始めたらしかった。

そのうち、ただの雑談ではなく、

「ブス!ぶさいく!うざい!・・・(訳せないような暴言)!」と言い合う声が聞こえ、

一方で、「フィリピン人!フィリピン人最高!」という声。

シャワー室を出ると、

5人の美しいフィリピン人女子高生が化粧台の前で下着姿で化粧中。

別の化粧台で、3人の白人と2人のアフリカ系の子が化粧中。

この2つの派閥が、すざまじい暴言を吐き合っていた。

差別といえば、白人VS黒人。そのときアジア系は蚊帳の外、

と思っていた私はこの構成にとてもびっくりして、

叱られてしまうかもしれないが、こんな被差別に耐えるどころか

跳ね返しているフィリピン人を心強く思った。

ちなみにこの時いた気の強いはずの中国人2人は、

化粧の必要がなかったからか、小さくなって隅っこにいた。


数%に見えるフィリピン人も、1クラスには必ず2人以上いる。

うちの子供がいる高校の、ESLクラスはレベル別に4クラスあって、

下の2クラスは合わせて25人。全校で50人はいるだろう。

このクラスから抜け出せない我が子は、ネイティブカナディアンと接する機会がなく、

なかなか英語に慣れず、ちゃんとした英語の発音など学べないと思っていたけど、

ここまで移民が多いと、もはや移民は少数派ではなく、

ちゃんとした英語の定義が変わってくるように思う。

そもそも、イギリスの言葉が英語だったのに、

カナダでは、イギリス英語は鼻持ちならないイギリス訛りと言われる。

標準語が、中国なまりになる日はそう遠くないような気がする。