私が高校生になり、両親は離婚した。

 

高校の入学式の後、母と兄と三人で昼食を食べようと車に乗っている時に言われ、兄も私も当然動揺した。

 

「もういいでしょ」

 

もしかしたら何事もなかったかのようにまた4人で暮らす日が来るかもしれない。

 

言葉にはしなくとも私たちはそう期待していたはずで、けれど、元に戻るには変わってしまったものが大きかった。

 

相変わらず私は母と暮らし、男も家に来ていたが、私は食事の時以外は自分の部屋にこもるようになった。

 

決定的にもうダメだなと思ったのは、学校から帰った自宅のインターフォン越しに母と男の慌てる様子を聞いた時だ。

 

私は自宅の鍵を持っていた。

 

男の車があるのが見えて、あえて、チャイムを押したのだ。

 

ドア越しにバタバタと走る音が聞こえ「ちょっと待ってて」と声を掛けられた時に、滑稽だなと思った。

 

もうあからさまにバレているのに、必死に取り繕って、私にどう思われたか気にしている。

 

けれど、そんな人に世話を焼かれないと生活できない自分はもういらない存在なんじゃないかと思うようにもなった。

 

私は自傷行為をするようになり、左手首にリストバンドを巻くようになった。

 

ちょうどリストバンドが流行っている時期だったので特に怪しまれることはなかったが、クラスメイトに一回、母に一回質問はされた。

 

今でも親交がある友人にはよく話を聞いて貰っては心配をして貰っていた。

 

私は毎夜、死にたいと手首を薄く切り、死にたくないと泣いた。