「嫌いな友達」という言葉を見るたび、嫌いなんだったらそれは友達じゃないだろ、と思っていましたが。最近になって理解しました。友達として過ごしているうちに色々なことがあって、つもり積もってその友達のことを嫌いになるんですよね。しかし友達関係をあっさり切ることも出来ず、その友達は嫌いな友達になるという。私が体験して、理解しました。

私は友達が少ないです。数少ない友達の一人をどんどん嫌いになっていきました。そして彼女は私にとって今、嫌いな友達、となっています。

大学生のとき、最初の一年半くらいは友達が全くいなかったんです。その後、友達がいなくて寂しい私の、最初の友達になったのが彼女でした。彼女はとてもぶしつけな人で、最初は抵抗がありましたが、じょじょに受け入れていきました。せっかくできた友達を失いたくないという思いもあったと思います。

当時から小さい嫌な思いはよくありましたが、もう覚えていません。覚えているのは大きいことだけ。ある日彼女が私の顔を触ろうとしたので「化粧が落ちちゃう」と言いました。彼女は私の額をこすって化粧を落とし、「本当だー」と笑いました。

卒業後あまり連絡をとっていませんでしたが、ここ何年かはまた友達として付き合っています。

私が失業し無職になったことを伝えましたら、今は結婚して二人の子持ちになっている彼女から、一緒に遊ぼうと連絡が来ることが多くなりました。子どもたちも一緒にです。彼女の子どもはやはりぶしつけで苦手です。

私は無職・無収入でお金がありません。節約をしたいです。彼女や子どもたちと遊ぶことにお金を使いたくないのです。経済的に苦しいということをそれとなく伝えました。彼女は「貧乏だから遊べないってこと?」と言いました。本当のことですが、貧乏と言われて傷つきました。

先日、彼女と子どもたちに会いました。上の子は今三歳だったと思います。子どもにプレゼントを持っていきました。子どもは私に抱っこをせがみ、抱っこするとほっぺをつねったり、髪をつかんだり、やりたい放題です。彼女はそれを間近で見ているのに、子どもに何も言いません。一緒に笑ってみています。やめさせません。私はやられ放題です。

ああ、なるほど。と思いました。この人の子だからな、と思いました。ぶしつけな人に育てられてぶしつけな人に育っていくんですね。今は赤ちゃんの下の子もそうなるでしょう。ぶしつけな友達が一人いるだけでなく、いずれはその子のところに行くとぶしつけな人が三人ということになります。そんなところに行きたくないです。行きません。

話がそれました。その友達のことをどんどん嫌いになっていって、ただの友達から嫌いな友達になるという話でした。ぶしつけな子どもがいるからより嫌いになったのではありません。ぶしつけな行動をする子どもを注意もしない、一緒に笑ってみている、母親であるその友達が、より嫌いになりました。こうして私の「嫌いな友達」が出来上がりました。

私は勇気がないです。人ともめる勇気がないです。なので急に友達関係を絶つことは避けたいです。少しずつ距離をとって疎遠になっていきたいです。